昼下がりのキャラメルカスタードアップルパイ
りんごをたくさんもらった。
果物県出身の友達の家には、季節ごとに旬の果物が山ほどある。
実家のご両親が送ってくれるのだそう。
その友達から、毎回色々とお裾分けしてもらうのだ。
今回はたくさんもらったりんごを、旦那がおもむろに美味しい美味しいコンポートにしてくれたので、たくさんのりんごはあっという間に美味しいアップルパイになった。
しかも、キャラメルソースとカスタードクリームが絶品の、最高に美味しいアップルパイだ。
料理が趣味な旦那に感謝だ。
このnoteは、料理が趣味で、日々色々な美味しいものを作り出してくれる旦那の備忘録である。
彼の作る素人気まぐれクッキングをそばで眺める暇人の視点でエッセイを書いていこうと思う。
夫婦ともども料理はど素人なので、生暖かい目で見て欲しい。
今回は、「キャラメルカスタードアップルパイ」の話。
ワインで大人のコンポート
まずはりんごをコンポートにする。
今回は、赤ワインを使って煮る。
赤ワインと上白糖とで、りんごをくつくつ。
この、コンポートをつくるときにくつくつと煮込む工程が可愛くて好きだ。
部屋が、りんごと、ワインと、お砂糖の甘い香りでいっぱいになる。
なんて幸せな空間だろう。
ジャムでもコンポートでも、果物をくつくつとやると何故こんなに幸せな空間になるんだろう。
天気のいい日曜の昼下がり、窓辺で日向ぼっこをしながら、キッチンで上機嫌にりんごを煮込む旦那をぼんやり眺める。
家が幸せの匂いでいっぱいだ。
かくして、甘さ控えめ、ワインの旨みとコクたっぷりの大人のコンポートの出来上がりだ。
ぼてっとしたカスタードクリーム
こちらはオーソドックスなカスタードクリーム。
夫婦共々少し硬めが好きなので、スプーンで落とすと「とろっ」より「ぼてっ」である。
卵黄と上白糖を、白くなるまでシャカシャカ混ぜる。
温めた牛乳を加えるが、卵が固まってしまわないよう、すこーしずつ、すこーしずつ。
お菓子作りは慎重さと忍耐力が必要不可欠だ。
私には不向きである。
めんどうくさくてどばっとやってしまい、失敗した回数は数え切れない。
牛乳を加えたら、濾してから鍋でとろとろになるまで中火で混ぜる。
焦げないように、慎重にまぜながら。
仕上げにバニラエッセンスを。
黒い粒々としたバニラビーンズが入っているものを、旦那は好んで使っている。
バニラビーンズが入っていないと、香りが立たないのだそうだ。(当社比較)
かくして、ぼてっとしたこってりカスタードクリームは完成した。
こだわりのキャラメルソース
ところで彼曰く、今回の目玉はりんご、ではなくキャラメルソースなんだそう。
アップルパイだというのに主役ではないなんてりんごが可哀想だと思ったが、彼のキャラメルへの情熱たるや凄まじいものがある。
パフェを食べに行ってもキャラメル。
ケーキを選んでもキャラメル。
キャラメルへの愛を語らせたら右に出るものはあまりいない。
いるかもしれないけどそうそういない。
まずはグラニュー糖を湿らせた状態にするのだが、ここでまずひとつ目のこだわり。
コンポートに使った煮汁を使って、グラニュー糖を湿らす。
りんごとワインの旨みたっぷりの汁で湿らせたグラニュー糖を、火にかけていく。
ここでふたつ目のこだわり。
混ぜるか、混ぜないかである。
混ぜながら火にかけることで、ざらついた舌触りのキャラメルソースが出来上がるらしい。
極力触らずに砂糖を焦がしていくと、サラサラのキャラメルソースができるのだろうか。
お菓子作りをしない私にはよくわからないが…。
存在感のあるキャラメルソースにしたかった彼は、混ぜながら火にかける。
濃い褐色になったら、温めた牛乳で少しずつ伸ばす。
こだわりのほろ苦キャラメルソースの完成だ。
そうして完成したアップルパイ
あとは冷凍のパイシートをちまちま編み編みしてオーブンに入れれば…
じゃじゃーん!
キャラメルカスタードアップルパイの完成である。
待ってました!
外はサクサク、中にはジューシーで甘酸っぱいりんごがたっぷり。
ずっしりしたカスタードクリームと、ちょっとほろ苦いキャラメルソースが絶妙なバランス。
パイ生地は冷凍のパイシートだ。冷凍のパイシートは、むにむにしていて美味いので好きだ。
これを食べる時の擬音はサクサクでも、もぐもぐでもなく、「もくもく」
そんな感じの食感だった。
コンポートもクリーム類もたっぷり作ってくれたので、次の日の朝、これらはトーストに変身した。
これでもか、とかかっているキャラメルソース、今思い出しても美味しい。
垂れ落ちるキャラメルソースのなんと美しいことよ。
食パンにみっちり塗られたカスタードクリームも、りんごの下からはみ出てきている。
ああ、美味しかった。
ごちそうさまでした。