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観察日記960

観察日記960
おはようございます。
「善と悪のパラドックス」をまとめ中です✋

・人間の場合、多くの動物に見られるような性選択による子殺しはさほど顕著ではない
 ・計画的攻撃が自然淘汰で残ったことを子殺しが証明しているとしても、動物の行動と人間の大人同士の殺人の間の溝はほとんど埋まらなかった
・チンパンジーが近隣の群れで暮らす大人への致命的な攻撃が確認される(1970年代)
 ・犠牲者1頭につき加害者の個体数は平均8頭で、加害者はほとんど無傷
・類人猿の知識があまりない人類学者たちは、またしても子殺しと同様に政治的な理由から、これらの観察結果を断固拒絶
 ・殺しは人間の干渉が原因に違いないと主張する学者もいた
 ・懐疑派は、チンパンジー同士の殺し合いが自然な行動だと証明されたら、人間の殺しについての考え方にも波及効果があるかもしれないと懸念
  ・暴力と戦争は進化に基づく行動だという憂慮すべき考えを強化してしまう
 ・懐疑派のおもな主張は、殺しが発生したのは、元来平和な集団間の共存を人間が錯乱したことによる不自然な帰結
・連合による大人殺しは一般的ではないものの、チンパンジーの一つの特徴であり、人間の活動とは無関係
 ・野生のチンパンジーの18の群れの集計データ(2014、ウィルソン)
・チンパンジーの個体数は殺しの頻度によって大幅に変動
  ・総じてチンパンジーは団結による激しい攻撃性を共有
  ・殺しの頻度と人為的錯乱の度合いの間に全く相関はない
・殺しは生物学的な適応と説明することが可能
・特に徴発を受けなくても、殺害行動はたいてい一方的に始まる
・おそらくオスたちは、たんに暇と体力を持て余して群れと群れの境界区へ向かう
 ・加害者側にほとんど負担はかからないが、競争相手を抹殺すれば自分たちの群れの利益になる
 ・ある群れの縄張りが拡大すると、そこにいる個体の食料が増え、繁殖のペースも速まり、寿命も長くなる(ピュージー)
  ・攻撃してきそうな近隣のチンパンジーが減ったことで安全になる
・オオカミが同種のおとなを殺す割合は並外れて高い
 ・群れの中では殺しを控えるが、群れ同士は違う
 ・オオカミは攻撃の後、縄張りを広げて恩恵を得ることが多い
・チンパンジーやオオカミの殺しの論理は同じ
 ・無防備な被害者に目をつけ、大きな集団で危なげなく殺害行為に及んで、縄張りを広げる
・こうした殺害行為は動物界では珍しい
 ・ほとんどの種では、同種の個体への攻撃は自らが負傷する恐れがあるので危なすぎる
 ・個体が連携する社会で暮らしている種はわずか
 ・今のところ哺乳類では、こうした連合は群居性の肉食動物と霊長類にだけ発生すると言われている
(哺乳類の大人への殺害行為)

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