読書日記147「不毛地帯(3)」-山崎豊子
この巻では、壹岐がニューヨークの社長として活躍する様子と、日本の自動車会社との提携を狙うアメリカの自動車会社との交渉が描かれている。
千代田自動車とフォーク社の交渉の場面が緊張感があって面白かった。一般的に合理的な判断をすると言われるアメリカ人の感情の変化を読み取り方針変更に向かうよう誘導していく会話が読み応えがあった。
また、壹岐のプライベートについても変化が起こる。これまで壹岐が完璧な人間として描かれていて、架空の人物感を強く感じていたが、少しずつ人間らしい部分が描かれてくるようになった。
提携を計画していることを周囲に気づかれぬようにアメリカの自動車会社が調査する場面の途中で終わった。続きを楽しみに読みたいと思う。