読書日記153「他者の靴を履く」-ブレイディみかこ
著者の別の作品で触れたエンパシーについて理解を深めたいと思い、この本を読むことにした。最初にこの言葉に触れた際には思ってもいなかった。この言葉の奥深さを知ることができ面白かった。自分が最近読んだ本の中では、論点が複雑であったため、読み終えるのに時間がかかってしまった。(特に資格勉強をしている期間は、脳がこの本を遠ざけてしまった。)
この本を通じての1番の学びは、エンパシーは後天的に見つけることができるスキルであると言う点だ。初めは、自分にはエンパシーが人よりも欠けているのが問題なのかもしれないと思っていたが、後天的に身に付けることができると知り安心した。
後半部分で紹介されていたエンパシーの闇落ちについても興味深かった。一言で言いますとしたら、軸がないままエンパシーを働かせすぎると、自分を見失うと言ったところだろうか。最初にエンパシーと言う概念に触れた際は、社会を良くする魔法のようなものと言う幻想を勝手に抱いていたが、さすがにそこまでのものではなかったらしい。エンパシーが適切に作用させることの難しさを感じた。
1つのことを深く掘り下げている本を読むことで得るものが多かった。また気になったテーマがあれば、こういった本にもチャレンジしてみたいと思う。