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【デザインメンターの気づき03】高い給与を得るためには努力をすべき?

スクール運営する中での気づきを日々書き留めるnoteです。

先日、DesignToastスペース(11月から、毎週木22時からやっている「#サクッともっちりデザイン相談」)で、
「高給与を稼ぐにはどうしたらいいか?Webデザイン・グラフィックデザイン等どの肩書なら叶えられるか?」という質問が来ました(内容は少しはしょっています)

「努力は報われる」「難しい仕事ほど給与は高い」は本当か?

私の考えでは、はっきり身もふたもない事を言ってしまえば

●何デザイナーか、どうあなたが努力したかは関係ない
●お金が潤沢なクライアントを持つ会社か、クライアントがデザインへの資金投入を惜しまない盛り上がっている業界に入ればよい。ハードに働かなくても、暇で定時で帰れるような職でも叶えられる

という話をしました。
努力が全く必要ないって意味ではないので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
ちなみに、日本のWeb・グラフィックデザイナーの平均年収は、約478万6,000円(月収約24万9,000円)だそうです。一般給与よりは少し高いです。

ピカソは30年絵を描いたから、絵が高く売れるようになったのか?

ピカソの有名な話を知ってますか?

ピカソがある日、道端で話しかけてきた女性に絵を描いてほしいと頼まれて、30秒で絵を描いて彼女へと手渡し「この絵の価格は、100万ドルです」と言いました。
「え!?たった30秒で描いたものなのに?」と女性が驚くと「30年と30秒ですよ」とピカソが返す、という話です。

これを見て、まあ30年かけたんだもんな…なら仕方ないか…と納得してしまう人は多いでしょう。でも、30年描き続けたら、皆ピカソになれるのでしょうか?
30年努力したから偉いのではなくて、結果それを評価している人がいるから、その値段になるんですよね。
もしかしたら、ピカソも絵を上達させることだけでなく、そのために営業まわりとか、賞を取ったり、パトロンになってもらえるよう接待したりしていたかもしれないですね。

つまり、雇われに限らずフリーランスでも同じですが「他者がどうあなたを評価するか」につきるんです。
デザイン課題のプレゼンの仕方でも、私が良く言うのが「自分目線で話さないこと。ユーザーの目線でどういいのかを説明しよう」これと同じです。

また、会社員経験しかまだない方で意外とよくある感じ方なのですが、「私が頑張ってるのだから認めて給与を上げてほしい」というもの。
給与は売上の一部から発生するもので、努力したからといって自然発生的に湧いてくるものではないです。
自分目線で「私は頑張っているのだから、評価してほしい」と言われても、会社目線で見たときは売上を上げられていなければ働いていないのと同じなんです。

そして、お金のでどころも大事です。
その会社が赤字ならない袖はふれません。逆に、その業界全体がもしウハウハなら、仕事内容が簡単で誰でもできる仕事でも待遇はよかったりします。(実際、私も昔バナーだけをひたすら量産する仕事で月給30万円以上の仕事に受かって、行くべきか悩んだことがあります)
努力は関係なく、他者がどう評価するか、お金のでどころはどこか?によって全てが決まります。

「見返りがない!」と理不尽や怒りを感じないためのすゝめ

賛否あると思いますが、私は常に「やりたくないことはやらなくていい」という信条です。なぜか?

一般的に、私もそうですが「努力したらその分、報われるべき」つまり、努力して時間と手間をかけ苦労した分だけ、より大きな見返りを期待するものですが、
他者から自分が期待するほどの評価・見返りが発生しないと、不満になってしまうからです。

「やりたくない事を我慢してやってるのだから、転職成功すべきだし、上司に認められ昇給されるべきだ」
「本当はやりたくないが、難しいスキルを努力してつければ今以上に稼げるはずだ」

このように、あえてやりたくない事をして、不満を増やす選択をしているのは自分なのに「べき」を他人に求めたとしても、
採用をするのはその会社の人事であり、
昇給を決めるのはその会社の上司です。

「頑張ったら無条件に見返りがあるべき」を一旦、意識して排除していくためには
「やりたいことしかしない」か「見返りが絶対あるであろう業界・職種を見極め、それに賭ける」を徹底した方がいいかもしれません(これは、もちろん未来がどうなるかはなってみないことには読めないので、株を買うような賭けですね)

ただ、最初の勉強するうちは食わず嫌いせずなんでもまずはやってみましょう!最初から好きになれるものばかりではないです。
ただ、ずっとやっているけど好きになれなくて苦痛だというくらいなら捨てていい(=その代わり、自分の持ち物を評価する人と出会うためにがむしゃらにでも努力する、という選択肢もある)と私は考えています。

上司もクライアントも、あなたを正当に評価できる人なんていない

同時にもう一つ思う事は、
「上司」「クライアント」「社長」など、偉い人って、自分より優れているものだ、と皆さん思い込んでいるところもあるように思います。

クライアントに「このデザインを1万円でやってほしい」と言われた時「これ、5万円は貰わないとできないのに…私の価値は低いんだ」と思ったらちょっと待ちましょう。自信をなくさなくてもいいです。
「君だったら、大したスキルじゃないから月給18万円だな」と提示してくる会社に対しても同じです。
結局、その小さな会社という場所で、あなたのスキルの必要性や緊急性がどのくらい高いか、ただそれだけです。あなたの価値が低いのではありません。

ある会社から別の会社に移ったら、まったく違う文化や違うやり方で自信をなくす、なんてこともありますし、
逆にすごくもてはやされて有り難がられることもあるでしょう。場所を変えたらまったく違う給与待遇や評価になることは、よくあります。

だいたい人事ですら、目の前の面接にきた人材が社会一般的にはどう評価されているか、ということを実は大してわかっていません(だから「前職では給与いくらだった?」と聞いてそれを参考に自社でのその人の給与を提示するんですね)
自分の周囲3mくらいの中で「今このプロジェクトにかかわってくれる人材がほしい!◯◯ができる人がいない!」と思った時、
眼の前にそれができる人材が現れれば高い給与を提示してなんとか来てもらおうとするでしょう。世間で求められているかどうかなんてどうでもいいんです。
(同じように、ある会社で評価されたとしても、そこ以外でも同じ評価をされるとは限らないというのは言うまでもないので、
次の会社に転職したら給与が低くこともあり得るので、その時がっかりしないよう、次で受けそうなスキルをつけるとか、情報収集するなどは大事)

なので、もし自分の価値を正当に理解できない人がいたら、次に行けばいいだけです。
上手くいかないなら、求められそうな新たにスキルをつけてみてもいいし、自分が成長したり仕事にふれる中で「このスキルが必要だ」と思ったらまた新たにつければいい。
トライアル&エラーで、自分が好きかつ、求められるスキルを模索してステップアップしていくといいんではないでしょうか。 

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追記:サクッともっちりデザイン相談、思った以上に沢山の方に聞いてもらえていてありがたい限りです。
木曜22:00-22:30、秋の夜長の暇つぶしのBGMにどうぞ。
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