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現実感がなくなる症状

前回「不思議の国のアリス症候群」のことについてお話したのですが、今回も症状にまつわるお話です。

深刻なようでそこまで深刻ではないような曖昧な話なのですが、ネットがある今の時代だからこそ、探してくることができたのだなと実感します。


現実感がなくなる瞬間がある

普段生活を送っている中で、現実感がなくなる瞬間ってありませんか。

なかなか言葉では説明しづらいのですが、自分が人間であるということや、人間という生き物の個体を動かして「生きる」ということをしているのはなぜなのだろうと思い、身体から意識が離脱してしまうような感覚です。

生きているという実感が湧かなくなるといったところでしょうか。

実はこの感覚が年に5回ほど起こることがあり、「不思議の国のアリス症候群」同様に名前がついているのではないかと思い調べたところ、実にあっさりと該当するものが出てきて衝撃を受けました。

やはり名前はあったのです。


この症状の名前

この症状は
離人感・現実感消失症」と呼ばれているそうです。

離人症とは、自分が自分の心や体から離れていったり、また自分が自身の観察者になるような状態を感じること。その被験者は自分が変化し、世界があいまいになり、現実感を喪失し、その意味合いを失ったと感じる。
引用⇒ 離人症
離人感・現実感消失症では、身体または精神から自分が切り離されたような感覚が持続的または反復的にあり、自分の生活を外から観察しているように感じること(離人感)や、自分が外界から切り離されているように感じること(現実感消失)があります。
引用⇒ 離人感・現実感消失症


正にこれ

引用にWikipediaとMSDマニュアルの文章を載せさせていただきましたが、正にこれです。これを言葉でうまく表してくれた方に感謝します。
きっとこれで合っていると思います。

自分が自身の観察者になるような状態、世界があいまいになり現実感を喪失し、その意味合いを失ったと感じる、自分が外界から切り離されているような感覚。これです。

ひとつ伝えておかなければならないのが、この感覚が起こる際に自分以外の人は関わってきません。(※私の場合は)

「自分が外界から切り離されているような感覚」があるからといって、他人がどうこうというのはなく、
自分自身の意識が人間の身体から抜けてしまう感覚
といったところでしょうか。

簡単に言うと幽体離脱だと表現されそうなものですが、私の感覚は幽体離脱とも違うような気がします。確かに離脱しますが、そこまではっきりとしたものではなく、それすらも形を持たないようなイメージ。

これが前回ご紹介した「不思議の国のアリス症候群」なんかよりもずっと深刻な感覚で、この感覚がもし長時間続いたら、何らかの精神疾患になると思います。

この症状は前触れもなく急に起こるものなので、起こった時はあまりにも生きている実感が湧かなくなり、この上なく不安になります。

ただ私の場合は年に多くても5回程度(のはず)という少ない回数であるという点、この感覚が起こってから元に戻るまでは1~2分程度までなので、現時点では大丈夫であると思います。


なぜ起こるのか

昔からこの感覚が起こってはなんとか意識を現実に戻そうと、無理矢理別の事を考えて意識が飛ばないように保ってきたわけですが、そもそも「なぜこのような考え・感覚が起こってしまうのか?」が疑問でした。

今回「離人感・現実感消失症」という名前があるということを知ったわけですが、この感覚自体が何歳頃から起こっていたのかを思い出そうとしても、よく思い出せません。

小学生の頃には既に起こっていたような起こっていなかったような......。

通常は強いストレス、特に小児期の情緒的虐待やネグレクト、その他の大きなストレス(身体的虐待の経験や目撃)が引き金となって発症します。
自己または外界から切り離されているような感覚は、周期的に起こることもあれば、持続的にみられることもあります。

一時的な離人感や現実感消失はよくみられる症状です。約半数の人が、生涯に少なくとも一度は、自己(離人感)または外界(現実感消失)から切り離されているような感覚を経験します。このような感覚は以下の後によくみられます。

・生命を脅かす危険の経験
・特定の薬物(マリファナ、幻覚剤、ケタミン、エクスタシーなど)の使用
・強い疲労
・断眠や感覚刺激の喪失(集中治療室での治療中に生じることがある)

引用⇒ 離人感・現実感消失症

一応“よくみられる症状”なのだそうです。

「人間という生き物だから誰しもが持っている感覚なのだ」と思い、形の見えないこの感覚について話すのはおかしいと思って過ごしてきたわけですが、ネットがある今のこの時代、簡単に調べることができてしまったわけです。


起こっている時に考えること

この感覚が起こっている時に自分は一体何を考えているのか?ということについて、今回なんとか思い出すことができました。

・なぜ自分は人間なのだろう
・人間って何なのだろう
・他の生き物と何が違うのだろう
・なぜこの身体というものが自分に与えられているのだろう
・こういった“考え”を持つ必要性とは

こんなことを思い浮かべながら、身体と意識が切り離されます。
そして帰って来れなくなりそうな不安が一気に押し寄せるので、無理矢理現実的な別のことを考えることで正気を保ち、元に戻るよう自分に仕向けるというわけです。

ただ私生活の中でこの症状が極力起こらないよう、空想を行うことで逃避しているような気がしないでもないですね。(とはいっても空想は常にしているものですし、常時と行うの線引きがわかりませんが)

そういった症状に名前がついているということを知った、というお話でした。


ところで“このような感覚は以下の後によくみられます”のところで、
特定の薬物(マリファナ、幻覚剤、ケタミン、エクスタシーなど)の使用という記載がありましたが、またですか。

不思議の国のアリス症候群の時も、合成麻薬の「LSD」に手をつけた場合でも同じような症状が出ることがあると記載がありました。

私は薬物をしなくても、使用している時と似たような感覚を普段から得てしまっているのだとしたら、どうしようかと思います。さすがにないと思いますが。

やはり70代でアブサンを口にしたとしても、
つまらねえ!この程度かよ!!」と、それでは満足できないグレるお婆さんになってしまっているのでしょうか。

とにかくグレるお婆さんにはなりたくないです。






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