今だからこそ読みたい話2
新型コロナウイルスが広がり始めて半年以上。
緊急事態宣言は解除されたので、自粛生活も今はやや気が緩みがちですが、ふとした時に新型コロナウイルスの期間中であることを再認識するような作品に出会うことがあります。
今回は以前 今だからこそ読みたい話 でご紹介した作品に続き、私の中で新型コロナウイルスのことを思い浮かべた漫画についてご紹介したいと思います。
うずまき
以前同様に、また今回も伊藤潤二さんが描いた作品です。
「うずまき」という作品をご存知でしょうか。
1998年~1999年に全3巻で単行本が発売されました。
2000年には日本で映画化され、翻訳された台湾版が台湾では販売された他、2021年にはアメリカでアニメ化予定ということもあり、伊藤潤二さんの作品の中でも非常に人気が高い作品です。
☆今回も極力ネタバレしないようにはしたいとは思っていますが、真っ新の状態で読みたいという方はここから先は読むのをお控え下さい。
とにかく渦が巻いている
この話に出てくる主人公である高校生の女の子は黒渦町という街で生まれ育ちました。
父母、弟、彼氏、友達に囲まれ、ごく普通の日常を送ってきたのではないかと思います。
ところがある日の朝、主人公の女の子が学校へ行こうとしていたところ、彼氏のお父さんが道にいることに気づきます。
挨拶をしようとしたのですが、
あるものを無言でずっと見つめており、様子が変でした。
それからというもの、
黒渦町には“うずまき”に関する信じられないような出来事が次々と襲いかかっていく、というお話しです。
コロナウイルスと重ね合わせた部分
この「うずまき」という話は、とにかく渦を巻いています。
その渦から彼女らは逃げなければならないのですが、
前代未聞の感染病でどのようにして逃げるべきなのか、どのように対処していくべきなのかということが先代の教えではどうにもならないのです。
そんな姿を見ていると、ふと
ワクチンや特効薬が無いコロナウイルスの現状と重ねてしまう部分がありました。
※私は度々ここで「コロナウイルスと重なる部分があった」。と言って作品を紹介していますが、あれもこれもコロナウイルスのことを無理矢理こじつけているわけではありません。
読んだり観たりしている作品の中でも、厳選してここでご紹介さていただいています。
個人的に危機を感じた瞬間
私には昔から危機を感じる瞬間というのがあります。
それは、兄弟がいう事を聞かない時です。
私の兄弟は弟です。
この話に出てくる主人公の女の子にも弟がいて、同じ家族構成でした。
毎日怪しい光を放つ灯が出てくるのですが、家族が「あの灯に登ってはいけない」。と日々注意を促していたにも関わらず、弟は友達4人でその灯に登って行ってしまいます。
その様子を見て直前まで注意をしていた姉は危ないと思い弟を追いかけて行くのですが、やがて怪しい光を放つ時間がやってきてしまいます。
結局、犠牲者が出たり、弟と主人公の女の子も火傷を負い1ヵ月も入院することになってしまいます。
なぜいう事を聞かないのでしょうか?
日常的な支配欲のために言うことを聞かせようなんてことは考えていません。
命が危ないから本当に聞いてほしい時に「絶対にあそこに行ってはいけない」。と家族全員が促しているのにも関わらず、外に出ると簡単に友達の意見に流されるのです。
「年下だからそんなものであろう」。と周囲の人はよく言いますが、いざという時はいう事を聞くと話す子も中にはいたので、物わかりのいい兄弟がいる子が羨ましかったのを覚えています。
私自身弟の我儘に振り回され、小学生の頃に何度も危機に迫られた出来事があったのでその頃の事を思い出してしまうのか、話の中でこういった兄弟が勝手なことを言うシーンが出てくる度に神経が削られそうになります。
※特にこの作品は弟の我儘が目立ちます
もはやこんな話にもなるとコロナウイルスは関係ないように思えますが、今が弟が小さい頃であれば、
友達と話を合わせて勝手に遊びに行く→コロナウイルスの菌を持って帰って来る→家族に感染という流れが目に見えているようで、物語を読んだ時の危機感が私の中の出来事と重なり、深刻さが充分に伝わってきました。
「うずまき」は、元々全3巻で発売されていましたが、今現在ワイド版としてまとめて1冊になったものが販売されています。
通常の単行本の2.5倍ほどの厚みがありかなり読みごたえがありますが、1冊の中で20話に分かれているので、忙しくても毎日1~2話ずつ読み進められるのではないかと思います。
気になったという方はぜひ読んでみてください。
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