私は既に渦に巻かれ始めている
今だからこそ読みたい話2 でお話ししましたが私は伊藤潤二さんが描いたうずまきを数日前に読み終えました。
読み終えた漫画は本棚に戻さずまだ目の前に置いてあるのですが、何かとうずまきが視界に入ります。
そこで私自身が過去に経験した「うずまき」にまつわる出来事について思い出してみました。
お寿司屋
みなさんは、回転寿司のお店に行ったことはありますか?
私はつい3年ほど前まで行ったことがなかったのです。
なぜ行ったことがなかったのかということについて理由を色々と考えてみました。
本当に田舎で飲食店が数少なく...ということは決してなく、車で5~10分も走れば回転寿司のお店はいくつかあります。
ですが私は元々滅多に外食をすることがありません。(移動が面倒で冷蔵庫に入っているものを調理して食べる方が楽だと思ってしまいます)。
お出かけをしてランチとなると、女友達の間ではイタリアンなどに入りがちではありませんか?
私は母親と出かけてもイタリアン、もしくは最近だと和食のお店にも入りますが、あくまで和食店でありお寿司屋さんではありませんでした。
男性と出かけても、回転寿司に行こうという話が出たことは無かったのです。
それ以前に、お出かけをした先のスポットこそ回転寿司のお店は無かったような気がします。
カウンターのお寿司屋でも手頃なお値段でいただいてきたので、そう考えると住んでいる土地の立地も関係があるような気がします。
おそらくですが、何かと回転寿司のお店に行くタイミングを逃して来たのだと思います。
初めての体験
遡るので3年ほど前の話ですが、一度は行ってみたかった回転寿司のお店へ家族と行くことになりました。
店に初めて入って思ったこと。
回転しているレーンの数が多い。
店内では確か5~6台ほどレーンが回っていたのではないかと思います。
でも考えてみればそうですよね。店内を巨大なレーン一台で補おうとすると、お寿司がなかなか回って来ないはずです。
さて、ここでひとつ我が家は恥をかくことになります。
回転レーンではあまりいいお寿司が回っていなかったので、好きな寿司ネタを注文したいと思ったのですが
注文の仕方がわからないのです。
周囲の人を見てみるとパネルを持っているのですが、そのパネルがどこにあるのかわかりません。
店員さんを呼んで「すみません、どうやって注文すればいいのでしょうか?」と聞いたところ、は?のような顔をして「え?」と言われました。
やけに高い位置にあったのでテレビだと思い込んでいた液晶が注文用のパネルだったようで、取り外して注文方法を詳しく教えてもらいました。
「この人たち、どれだけ遠くの街から来たのだろう」。と思われたことでしょう。
車で数分(同市内)の場所から来たのだけれど...。
うずまき
注文したお寿司がレーンに乗ってやってくるのを待っていた時でした。
レーンが回転しているのをずっと見ていると疲れてきたのです。
あまり見てはいけないと思い、視線をレーンがある左から右にやったのですが、右は右でレーンが回っています。
しかもそのレーンの奥で、また別のレーンが回っているのが見えるのです。
視線を真っ直ぐ前にすると、まるで視野が広い麒麟のように、左右でレーンが回っているのが見えました。
目が回る。グルグル回転している。
「これこそ本物の回転寿司だ」。などと考えているうちに気分が悪くなってしまいました。
正に、うずまきを読んだ時に思い出した出来事がこの“目が回る回転寿司”の存在でした。
それ以来回転寿司店には行っていないのですが、ありがたいことに最近は新幹線のような乗り物に乗ってやってくる真っ直ぐ一方通行型のレーンのお寿司屋さんが近場にできたので、そちらの店舗へ何度か足を運ばせていただいています。
私と同じように、回転寿司屋で目が回って気分が悪くなったことがあるという方はいるのでしょうか。
今日は、前から実店舗で見かけてから悩んでいたバッグを通販で買いました。
画像を拡大して見てみると、持ち手部分にグルグルと渦を巻いたようなモチーフがついていることに気付いたので、導かれるように買いました。
私は既に渦に巻かれ始めていると思います。
みなさんも、「うずまき」を読む際は覚悟の上で。
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