米国GAFAに転職して分かった、データサイエンス学部の選び方
こんにちはPolymathのイトクです。私は高校を卒業と同時に神奈川の実家を飛び出し、18年前にアメリカにやってきました。コロンビア大学を卒業して今はニュヨークのAmazonで働いています。
アメリカではAIやデータ分析系の仕事がとても増えていて、それに伴いデータサイエンスを目指す方も増えています。データサイエンスは幅広い分野で大学によって大きな違いがあり、どのプログラムを選ぶかにより、その後のキャリアに大きな影響を与えます。データサイエンスは人気なので大学側もあの手この手でマーケティングをしていますが、謳い文句に惑わされずしっかりと見極め、自分に合った大学を選ぶことが大切です。今日はデータサイエンス学部を選ぶ際の重要なポイントについて書いていきたいと思います。
データサイエンスの分類
まず一番重要なポイントはデータサイエンスが何学部に属しているかという点です。何学部に属しているかにより、入学の難易度、クラスの種類、教授の経歴、卒業生のネットワーク、卒業後の進路など全てに大きな違いがでてきます。
多くの場合データサイエンスは以下の4パターンに分けられます。
工学部 (School of engineering)
統計学部 (School of statistics)
ビジネス学部 (School of business)
その他 (School of professional studiesなど)
前回はデータサイエンスだけでなく、幅広くAI・データ系の学部を解説してきました。
今回も同様にFlatiron Schoolというニューヨークのブートキャンプのチャートを拝借して、上記の4パターンを同じ表に当てはめてみるとこの様なイメージになります。
1.工学部に属す場合
データサイエンスが工学部に属す場合は、教授もコンピューターサイエンス(CS)や電気工学出身である事が多く、カリキュラムも選択授業もCS寄りになります。例えば私の出身校のコロンビア大学データサイエンスも工学部に属します。卒業後はデータサイエンティストが大半ですが、まれにMachine Learning EngineerやSoftware Engineerとして就職する人もいます。
2.統計学部に属す場合
データサイエンスが工学部に属す場合は、コンピューター系の授業が少なくなり数学や統計の授業が多くなります。具体的にはアルゴリズムやデータベースの代わりに、時系列分析や回帰モデルの分散分析などの授業がコアカリキュラムに入ってきます。例えばスタンフォード大学のデータサイエンスなどがこれに当たります。卒業後は多くの場合、データサイエンティスト、またはData AnalyticsやBusiness Intelligence等の職につく人が多い印象です。
3.ビジネス学部に属す場合
データサイエンスがビジネス学部に属す場合は、コンピューター系の授業や統計の授業がさらに少なくなり、より実務的なデータに基づいた意思決定の授業などが増えてきます。MBAでデータサイエンスをデュアルディグリーとして取れる場合などは例外なくなくこの分類です。NYUには複数データサイエンスのプログラムがありますが、例えはNYU Computing & Data Scienceなどがこちらに分類されます。
卒業後は多くの場合、統計学部と同様にデータサイエンティスト、またはData AnalyticsやBusiness Intelligence等の職につく人が多い印象です。エンジニアの面接で重要視されるアルゴリズムやデータ構造などの授業がカリキュラムに組み込まれていないので、ビジネス学部のデータサイエンス学科からMachine Learning EngineerやSoftware Engineerなどのエンジニア職につくにはハードルが高いです。
4.その他
データサイエンスが上記のどれにも当てはまらない場合は特殊なケースがあります。色々なパターンがありますが、「School of Professional Studies」など他の学部とは独立した、社会人を対象とした学部もあります。働きながら大学院に通う場合は授業が平日の夜や週末に行われるのでスケジュールが合わせやすくなっています。社会人が大学院に通う場合、会社が学費を負担してくれるケースが多いので授業料が高めに設定されている場合もあります。School of Professional Studiesは社会人大学生には良いですが、これからその分野を深く学び、その分野で専門性のあるキャリアを築いていきたい方には向いていません。
一概に「Applied」という単語が学部名やクラス名に入っている場合、ビジネス寄りで実践的。裏返すと学びが浅くなるという反面もあります。例えばコロンビア大学のApplied Analyticsがこの分類に当てはまります。車を運転するのと、車のエンジンの構造を学ぶのでは全く異なるスキルであるようなイメージです。工学部では機械学習を数学的に証明まで深く学ぶところ、School of Professional Studiesでは機械学習のツールの使い方を中心に学びます。
こんな広告がInstagram等に出てきた場合は多くの場合School of Professional Studiesに属します。
どこに分類されるかを見極める方法
データサイエンス学部が1〜4のどこに分類されるのかを見極めるにはバナー又はウェブサイトのアドレスを見るのが最も手っ取り早い方法です。
例えば上記のスタンフォード大学のデータサイエンスを見るとDepartment of Statisticsとバナーに表記があり、ウェブサイトのアドレスもstatistics.stanford.eduとなっていることからStatisticsつまり統計学部に属すことが分かります。
同様に上記のNYUのData Scienceプログラムのウェブサイトを見ると「stern」から始まっていることがわかります。SternはNYUのビジネス学部の名称です。
また上記のコロンビア大学のApplied Analyticsのウェブサイトを見ると「sps」から始まっています。spsは「School of Professional Studies」の頭文字です。
データサイエンスを目指す方へ
アメリカではデータサイエンスの仕事はとてもニーズがあり、GAFAMなどの企業が人材を取り合っています。ということは給与水準も高く、アメリカ就職の可能性も非常に高いということが言えます。これらを目指すには留学して学位を取得することが一番の近道です。私自身、コロンビア大学院に留学しなければ、ニューヨークでJ.P. MorganでAmazonに転職することは出来なかったでしょう。
こうして得た最新の情報や経験を皆様とシェアすることで、「海外で活躍する日本人を増やしたい」と願い、Polymathを立ち上げました。AIに興味がある方、データサイエンスを学びたい方、アメリカでGAFAMに入りたい方、まずは無料相談を行っていますのでお気軽にご連絡を下さい。私達のネットワークを使って留学・海外就職をサポートさせて頂きます。世界に羽ばたく日本人が増えますように!