【ニューヨークで働くAIエンジニア】海外就職の3つの成功法則
こんにちはPolymathのイトクです。私は高校を卒業と同時に神奈川の実家を飛び出し、20年前にアメリカに渡りました。コロンビア大学のデータサイエンス大学院を卒業して今はニュヨークのAmazonで人工知能の開発業務に携わりながら、皆さんの理系留学をサポートさせて頂いています。
12月になり、夏に春入学に出願された方々の合格も出揃いました。合格された方々本当におめでとうございます!そして、NYUブリッジプログラム春学期の選考結果も出揃いました。Polymathからも複数の生徒さんが受験をされ嬉しい報告を頂きました。合格をされた方々おめでとうございます!未経験からコンピューターサイエンス留学に興味がある方はこちらの記事をご覧下さい。
データから見るアメリカ就職の現状
今日は、海外で就職するためのコツについてお話ししたいと思います。まず、海外で働く日本人の数を考えてみましょう。中国人や韓国人と比較すると、日本人はかなり少ないのが実情です。アメリカ合衆国市民権及び移民サービス局のデータによると、日本人の就労ビザ取得者数は424人で、国別ランキングでは17位に位置しています。1位のインドは日本の約160倍、2位の中国は約50倍の人数がアメリカ就職をしています。また、人口が日本の半分以下の韓国でさえ、アメリカで就職する人数は日本の約4倍にのぼります。
アメリカで職業ビザを手に入れるには、正規留学が一番の近道です。IIE(国際教育機関)のOpen Doors調査によると、アメリカで留学している日本人学生の総数(語学留学、短期留学、交換留学、正規留学を含む)は約2万人弱であるとされています。このデータと、アメリカで就職している日本人の数を比較すると、アメリカで就職を実現している日本人は、日本人留学生のわずか約2%に過ぎないことが明らかになります。留学をしてもアメリカで職業することは難しいことがデータからわかります。
私はアメリカで人生の半分を過ごし、様々な人々を見てきましたが、そもそもアメリカで職業に挑戦すること自体が困難な道であるため、実際に挑戦する人は非常に少ないです。大学卒業が近づくと、多くの学生が「日本で実現したい夢がある」や「数年後にアメリカに戻るつもり」と自分に言い聞かせながら、挑戦せずに日本へ帰国する選択をします。これが現実です。
しかし、しっかりと準備をすれば、アメリカ就職を成功をさせることは可能です。私はリーマンショック直後で米国企業がバンバン人を解雇している中、内定を取り消しになり、それでも仕事を見つける事が出来ました。もし興味がある方はこちらの記事も参考にしてみて下さい。そんな実体験から学んだ、アメリカ就職を実現させるための具体的な方法を3つご紹介します。
①アメリカの日系企業に就職する
一番確率の高い方法はアメリカにある日系企業に就職することです。アメリカにはトヨタ、三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニーといった大手日系企業から、現地系の小規模な日系企業まで多数存在します。アメリカでの就職では、特に英語力が重要な要素となります。しかし、非英語圏出身者はしばしば母国語話者と比較して英語力で劣ることがあるため、アメリカの企業がビザサポートを必要とする外国人を雇用する際には、その候補者が特筆すべきスキルや専門知識を持っていることが期待されます。一方、日系企業ではネイティブレベルの英語力が必須ではなく、日本語力が大きなアドバンテージとなります。特に日本とのビジネスや日系企業内のやり取りにおいては、日本語力が重要です。また、多くの日系企業はビザ申請プロセスに精通していることも魅力です。しかし、懸念点として挙げられるのは、下記に述べる②、③と比べ給料が比較的安いことです。ちなみに、私が初めてアメリカで就職した時もこのパターンでした。
②日本人の強みを活かし、米系企業に就職する
第二の方法は、日本人としてのバックグラウンドを活かしながら米系企業に就職することです。言語力(英語力に加え、日本語力)、そして大学で学んだ専門知識を活かし二本立ての強みを押し出していくことで、アメリカ人との競争において高い確率で成功する可能性があります。しかし、絶対数が限られているため、フィットする職を見つけるには相当のリサーチが必要です。たとえば、ゴールドマン・サックスにおける日本市場担当ポジションや、Amazon Web Services(AWS)の日本語サポートチームが考えられます。これらのポジションでは、日本語の流暢さだけでなく、日本の文化やビジネス慣習に対する深い理解が必要とされます。平均給料は①の日系企業よりは高くなる傾向にありますが、以下の③よりは低いことが多いです。私自身、ブルームバーグに転職した際には、このパターンでした。
③アメリカ人と競争に勝ちアメリカ企業に就職する
第三の方法は、日本人としてのバックグラウンドを封印して、アメリカ人との競争に勝ち、アメリカの企業に就職する方法です。アメリカ就職というとこの最難関の方法をイメージする方が多いのではないでしょうか?このアプローチでは、英語力が非常に重要になります。母国語が英語でないにも関わらず、流暢な英語でのコミュニケーション能力と、アメリカの企業文化やビジネス慣習への適応能力が求められます。さらに、アメリカの企業が求める専門知識を持っていることも重要で、特にSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の専攻が望ましいです。例えば、コンピューターサイエンスを大学院で専攻し、Googleなどのテクノロジー企業に就職するケースがこのパターンに該当します。アメリカの大学や大学院を卒業し、現地のインターンシップで経験を積むことも、この方法で成功するためには不可欠です。このアプローチでは、英語力、専門知識、そして米国の企業文化に溶け込むための柔軟性も重要で、これは最も難易度が高い方法と言えるでしょう。アメリカ人との熾烈な競争を勝ち抜く専門性を持っていることから、給料は①、②と比べ高い傾向にあります。私が現在ニューヨークのAmazonで働いているのがこのパターンになります。
アメリカでGAFAへの就職に興味がある方はこちらの記事も参考にしてみて下さい。
本気でアメリカ就職を目指す方へ
アメリカで就職を実現する日本人は、留学生の中でわずか約2%に過ぎません。これは決して簡単な道ではありませんが、適切な準備と戦略を立てることで、成功の確率を格段に高めることができます。実際、今日紹介する3つの方法は、私が自身の実体験から学んだ有効なステップです。
私たちは優秀で勤勉な日本人が海外でより活躍することを目指し、ニューヨークでPolymathを起業しました。私たちのチームは少人数で、理系留学や海外就職の対策を専門としています。メンバーは全員、米国で活躍中のエンジニアやサイエンティストです。留学や海外就職に関するご質問がある方、個別の相談を希望される方は、どうぞPolymathまでお気軽にご相談ください。