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【イベントレポート】キャリアイベント「国際協力とグローバルヘルスで未来を築く」を開催しました

こんにちは!
『Reach Out Project』運営チームです。

11月30日に、国際協力・グローバルヘルス分野での新たなキャリアの可能性を考える「アドボカシーキャリアイベント〜国際協力とグローバルヘルスで未来を築く〜」を企画・開催しました。

当日は登壇者含め、約60名の方にご来場いただき、心より感謝を申し上げます。

NGO、国際機関、民間企業、行政機関・・・それぞれのフィールドの第一線で活躍されている方々をお招きして、リアルな経験談を聞かせていただきました。どんなお話が飛び出したのか、レポートしていきます✍️


イベントの目的

私たち『Reach Out Project』は、2022年12月からグローバルヘルス分野のアドボカシーに取り組むユースたち(20代)の支援をしています。

「アドボカシー」とは、社会課題を多くの関係者に知らせ、世論を喚起し、社会をよりよくするための政策提言活動を意味します。

日本では、グローバルヘルスの分野で、アドボカシーに携わるキャリアがなかなか確立されていません。「興味はあるけど、具体的にどうすればいいの?」という声もよく聞きます。

そのため、グローバルヘルスなどの国際協力の分野でのキャリアに関心を持つ大学生・大学院生や若手社会人を対象に、具体的なキャリアパスについて知る機会が必要だと考えました。参加者の皆さまにとって、新しい可能性に出会えるきっかけになれば、と本イベントを企画しました。

イベント概要
■日時:2024年11月30日(土)
■主催:株式会社PoliPoli
■後援:Open Philanthropy財団、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、独立行政法人国際協力機構(JICA)
■広報協力:トビタテ!留学JAPAN

塩崎彰久さんより来賓挨拶

イベント冒頭、前厚生労働大臣政務官の塩崎彰久衆議院議員からグローバルヘルスへの熱い思いが詰まったビデオメッセージが流れました。

(メッセージより一部抜粋)

グローバルヘルスは、日本の若い方々が活躍できる、将来性のある分野だと思っています。

大きな理由は2つあります。
1つ目は、グローバルヘルスは日本の国益に直接資する重要な分野であること。新型コロナでこの3年間、私たちは苦しい思いをし、学生の皆さんも思うような学生生活を送ることができなかったのではないでしょうか。健康や衛生環境は日本だけが保てばいいということではなく、アフリカを含めた世界各国が衛生的でなければ外からこうした感染症が流入してきてしまうことを体験しました。グローバルなサプライチェーンが止まってしまうなど影響も大きい。グローバルヘルスとは、チャリティという意味だけでなく、日本の国民を守る上で必要です。

2つ目は日本がリーダーシップをとることができる分野であること。今年5月にWHO総会で演説をさせていただきました。そこで感じたのは、世界各国の代表が日本にものすごい期待を寄せているということ。日本は長寿国で実力もあります。これだけ日本の活躍が保証されている分野は少ないです。実際に日本では、来年から東京で「UHCナレッジハブ」という低中所得国の保健・衛生環境を改善するための人材教育をする新しい機関を立ち上げます。
これだけ世界の注目を集めている分野だからこそ、若い人に活躍していただきたい。

そしてその活躍をサポートできるよう、厚労省では「国際保健戦略本部」を立ち上げました。キャリアを応援していく、より確かなものにするための体制を整えます。

オープニングセッション

「グローバルヘルスってなんだか難しそう・・」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。オープニングセッションは、政治、民間企業、NPOそれぞれの立場で活躍する方達の視点で、グローバルヘルスが私たちの生活にいかに身近かという話から始まりました。

牧島かれんさん:政治の現場から
自民党の国際協力調査会長、「国際保健から国益と国際益を考えるPT(益益PT)」座長を務める牧島議員からはPT立ち上げの背景などについて話がありました。国際保健を通じて、日本と世界の双方にメリットをもたらす方法を政策として探っています。

「海外に飛び出して経験を積んでほしい。NPOでも行政でも、自分らしい形でグローバルヘルスに関わってみて」という若い世代へのエールもありました。

柏倉美保子さん:財団(民間企業)の視点から
「日本の企業に、世界を変える技術が眠っているかもしれない」。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団の柏倉さんはそのような日本の可能性について探っています。社会貢献をキャリアとして考えることについて自身の経験も交えながら話してくださいました。

轟木亮太さん:NGOの現場から
「感染症で苦しむ人を、一人でも減らしたい」。
顧みられない熱帯病(NTDs)撲滅のために活動する一般社団法人NTDs Youthの会代表理事を務める、現役医学部生の轟木さんのストレートな思いと、NGOならではの具体的な活動について説明がありました。

国際機関・行政機関の立場から見たアドボカシー

国際機関やJICA、省庁で活躍する4名のパネリストから、リアルな声が聞けました。このセッションで見えてきたのは、想像以上にクリエイティブな世界観でした。

印象的だったのは「思いを形にする」というメッセージ。

  • まずは自分の「熱い思い」を大切に

  • その思いを活かせる経験を、少しずつ積み重ねていく

  • 行動することで、新しい可能性が見えてくる

  • 経験は必ずキャリアにつながっていく

民間からのアドボカシー活動について

SORA Technologyの梅田さんはケニアからのオンライン参加!

このセッションでは、民間企業、財団、NGOの立場でアドボカシーを進める4名の方から「どうやってグローバルヘルスの世界に飛び込んでいったの?」という素朴な疑問から、具体的な日々の活動まで、まるごと聞かせていただきました。

途上国で活動を続ける大変さについて、資金調達の苦労やグローバルヘルスの重要性を伝えるためのコミュニケーションの工夫など、現場だからこそ分かる生の声に、参加者も熱心に耳を傾けていました。

『Reach Out Project』ユースの活動紹介

セッションの最後には、現在『Reach Out Project』で活動するユースのうち、3つの団体から紹介プレゼンがありました。

(1)一般社団法人NTDs Youthの会
NTDs(顧みられない熱帯病)に日本政府として取り組む意義について紹介。

(2)Reaching Zero-Dose Children
COVID-19が感染拡大した2020年以降、定期予防接種の接種率が低下していることに触れ、グローバルヘルスにおけるワクチン事業支援継続に関する要望をしています。

(3)一般社団法人Liaison
ポリオを含む感染症根絶に向けた新たな日本政府の拠出方法を提言する活動をしています。

参加者の声

参加団体への質問タイム(一般社団法人Liaison)

今回参加してくださった方のうち、半数が20代の大学・大学院生の方でした。

📝参加者の声(アンケートより)
・グローバルヘルスについて全く知らなかったところから始まり、短時間であったがどういうものなのか私達などのような繋がりがあるのかを知ることができた。
・グローバルヘルスに関係する人々が医師出身の方が多いわけではないことがわかった。
・アドボカシーについてほぼ知らない状態でしたがイメージが広がり興味深かったです。時間がタイトで名残惜しく、質問タイムで他のグループにも回って聞いてみたいとも思った。

📝薬学部3年生の学生の方
・行政に関心があるけど他のキャリアも選択肢に入った。
・ワクチンの政策提言をしているが、薬学の観点でどんなワクチンが形としていいのか、研究分野としても大切なので、自分の得意を伸ばすという話が刺さった。
・こうしたイベントで仲間ができるのは嬉しい。

📝若手社会人の方
・会議室で行われている話と、現地で求められているグローバルヘルスは乖離があるため、そこを繋ぐのは自分たちの役割かなと思った。
・ドローンやさまざまな技術はあるものの、電気がない地域ではどうするのかなど、現場といってもさまざま。ソリューションが合わないこともある
・グローバルヘルス分野は関心が集まりにくいが、アドボカシー分野でこうしてさまざまなセクターの人が集まっていることに勇気をもらった。解像度が上がった!

最後に

今回のイベントを通じて見えてきたのは、グローバルヘルスの世界にはたくさんの可能性が広がっているということ。政治、行政、NGO、民間企業...それぞれの立場で、よりよい世界を作るために奮闘している先輩たちの姿に 「思った以上に、できることがありそう」 「自分の"好き"や"得意"を活かせる道があるんだ」と感じた参加者の方が多かったようです。

私たち『Reach Out Project』は、これからもユースの皆さんの挑戦をサポートしていきたいと考えています。今回のつながりを大切に、これからも一緒にグローバルヘルスの未来を作っていけたら嬉しいです!

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