国境を超える政策共創へ PoliPoliが実現する新しい国際協力の形
2023年9月にPoliPoliに入社した遠藤さん。前職のスタートアップでは営業チームのマネージャーを務め、NPOのファンドレイジング支援も手がけてきました。
「政策にアプローチすることで、より大きな社会変革を生み出せる」と話し、グローバルヘルス分野で活動するユース世代支援の『Reach Out Project』でディレクターとして活躍しています。PoliPoliでの働き方について聞きました。
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ユースと創る国際協力のかたち PoliPoliの政策共創とは
──遠藤さん、現在の仕事内容を教えてください。
主に『Reach Out Project』のディレクターをしています。
『Reach Out Project(リーチ アウト プロジェクト)』とは、PoliPoliが運営する、政策×国際課題の一つとしてグローバルヘルス分野(国際保健)に特化したプロジェクトです。2022年12月にスタートし、現在約80名の20代のユースたちが所属しています。
具体的には2つの軸でこのプロジェクトを進めています:
(1)ユースがアドボカシー(政策提言)できるようになるための支援とコミュニティ運営
(2)ユースの声(政策提言)を国会議員や省庁につなげ、実際の政策として実現する
「アドボカシー」とはなかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、PoliPoliでは「社会課題を多くの関係者に知らせ、世論を喚起し、社会をよりよくするための政策提言活動」を意味します。草の根的な活動のようなイメージです。
──改めて、「グローバルヘルス」とは何なのでしょうか?
国際保健とも呼ばれていて、国際的な視点から人類の健康、感染症予防、医療アクセス向上など幅広い課題に対処するための取組みのことを指します。
感染症の例として、結核、マラリア、HIV/AIDSの「三大感染症」があります。そして、私たちが身近に経験した新型コロナウイルス(COVID-19)も、まさにグローバルヘルスの重要課題の一つです。実際に『Reach Out Project』では、新型コロナの影響で想像していたような学生生活が送れず、生活や経済の停滞を経験したことでグローバルヘルスに関心が高いメンバーが多いです。
プロジェクトでは、ドローンとAIを活用した感染症対策(SORA Technologyさん)、母子保健インフラの整備、ワクチン予防接種の推進、ポリオ根絶、医療格差是正、結核の啓発、NTDs(顧みられない熱帯病)などをテーマに、メンバーの政策提言をサポートしています。
2024年6月にまとまった「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)では、日本の国益として戦略的に国際保健(グローバルヘルス)に取り組む旨が入り、国の政策としても重要になってきていると言えます。
──担当して1年ほどが経ちますが、これまでどのようなことをしてきたのでしょうか?
改めてこうして振り返ると色々ありすぎて整理するのが大変ですね(笑)。
この一年で『Reach Out Project』もメンバーが増え、活動の幅が広がっています。
(1)コミュニティ運営、アドボカシーの伴走支援
『Reach Out Project』に所属するユースたちとの日々の情報交換や打ち合わせを通して、政策提言をブラッシュアップし、国会議員や省庁の方に届ける活動をしています。
政策提言イベント「Policy Pitch」を企画し、ユースならではの視点で国会議員や省庁の方々と議論することもしています。
また、ユースのニーズに合わせて、有識者との勉強会を計画、開催しています。直近だと10月に政策分野でのコンサルティングを行う千正組の、元厚生労働省官僚の千正康裕さん、11月は非営利組織目線でのPRを専門としている伊東正樹さんに講義をしていただきました。
(2)PR
グローバルヘルスについてユース目線で広く伝えるために、ジャーナリスト 堀潤さんの「8BitNews」とコラボしたYouTube番組や、大手新聞への意見広告を通じた発信などにも取り組んでいます。
──PoliPoliの立場で国際協力に携わることの面白さは何でしょうか?
『Reach Out Project』は国際的な組織との連携の中で、グローバルヘルスという重要な課題に独自のアプローチで取り組んでいます。PoliPoliという政策プラットフォームで、柔軟な発想とスピード感を持って国際協力に携われるということが、私自身にとっても新しい発見でしたし、面白いですね。
──遠藤さんが国際協力に興味を持ったきっかけを教えてください。
大学1年時のフィリピンへの短期語学留学が最初のきっかけでした。
綺麗なコンドミニアムやショッピングモールの存在感がある一方で、すぐ傍にスラム街が広がるなど経済発展と貧困が共存する現実を目の当たりにしました。そこで「経済成長だけが豊かさをもたらすわけではない」と実感し、国際協力に興味を持つようになりました。
より深めるため、大学5年生時に「トビタテ!留学JAPAN」(文部科学省主催の日本の若者向け留学支援プログラム) でフィリピンのマニラに「途上国から見た国際協力のあり方」をテーマに、一年間留学しました。フィリピン大学でコミュニティ開発を学びながら、現地の貧困地域を支援している日本のNPOでのインターンもしました。
フィリピンで出会った方々が、老若男女問わず政治への関心が高いことも大きな発見でした。大学の授業でも政治的なアプローチを考えたり、校内で政治的デモが行われるなど、政治への主張をすることが身近な環境でした。
その一方で、日本国内の政治のことがあまり分かっていないと気づかされました。
そうして帰国後、ある政治家の事務所のインターン募集を見つけ、1年ほど働きました。国会事務所と地元での活動を経験し、政治とはあらゆる場面での人と人の関係性が基盤となるものだと感じました。
政策にアプローチすることでより大きな社会変革を
──PoliPoliへの転職を決めた理由は何でしたか?
前職ではNPOのファンドレイジングの伴走支援などやりがいのある仕事と向き合いながらも「より根本的な社会変革のためには政策から変える必要がある」と考えるようになっていました。
たとえば、児童虐待防止のための里親制度を推進するNPOの支援では、どんなに寄付を集めても、今の法制度では里親より実親の権力が強いということが決められていて、支援に限りがあることを痛感していたんです。
「トビタテ留学JAPAN」のコミュニティで間接的に中井澤さん(PoliPoli渉外部長 @takuyanakaizawa)とつながってたこともあり、PoliPoliのことは以前から知っていました。「Forbes JAPAN」で伊藤さん(PoliPoli代表)が取り上げられているのを目にすることもあり「おもしろい会社だな〜」と思っていました。
そんな中で、ある転職サイトで自分のステータスを「転職に興味あり」に変更したところ、中井澤さんから「一度話してみませんか?」と連絡をいただいたんです。びっくりしました。
こうして中井澤さんからの紹介という形で入社しましたが、私からも一緒に働いたことがあったメンバーを紹介し、PoliPoliにジョインしてもらいました。自身でもアドボカシー経験のあるメンバーで、きっとPoliPoliでも活躍してくれる、と確信して繋ぎました。かつての同僚と同じ志のもとでまた一緒に働けること、嬉しく思っています。
──遠藤さんはよくオフィスにいて周りを明るくしてくれていますよね。
そうですか(笑)。たしかにオフィスで働く時間が多いですし、メンバーと話す時間は好きです。『Reach Out Project』は渉外をはじめ、他部署と連携することも多いので、オフィスでのコミュニケーションを大事にしています。
一方で、『Reach Out Project』部署内ではリモートワーク中心のコミュニケーションですし、社内メンバーもそれぞれの環境や考え方があるので、オフライン・オンラインを組み合わせた働き方ができるのもPoliPoliのいいところだと思っています。
PoliPoliで実現したいこと
──遠藤さんがPoliPoliで成し遂げたいことは何ですか?
私自身、これまで多くの方に貴重なご縁や機会をいただいたおかげで今のような仕事ができていると思っています。その経験から、社会に恩返しがしたいという思いが強くあります。
『Reach Out Project』を通じて、ユースの政策提言力を高め、グローバルヘルスという壮大な国際課題に対する変革につなげていきたいですね。
──『Reach Out Project』ではメンバーを募集中です。どんな方と一緒に働きたいですか?
国会議員や省庁などとの調整の経験やスキルがあるとこの上ないですが、たとえそういった経験がなくても、アジャイルに(agile:環境に合わせて柔軟に軌道修正しながら)、そして国際課題を自分ごととして熱意をもって動く方とご一緒したいです。
『Reach Out Project』で特に重要なのは、あらゆるステークホルダーとの調整を通じてグローバルヘルスに関連する政策実現のために企画・実行できる力と、同時にアドボカシー活動を通じてかけがえのない命を救うことに想いを寄せることだと思います。
私も日々奮闘しながら模索中なので、政策を通じた新しい国際協力の形を作っていける方との出会いを楽しみにしています。
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