入学説明会と、娘の小さくて大きな一歩
先日、娘が4月から通う公立小学校の入学説明会が行われた。
実は、娘は同じ園から同じ小学校に行く子が一人もいない(ということが、就学前健診のときに発覚した)。お友達とのつながりを大切にする娘にとっては結構致命的。ぬぬーん。
「お友達のいる学校に引っ越したい!」と、昨秋くらいからずっと言っていて、親としてもどうしたものかなと思案していた。
引っ越して学校を変更すべき?
賃貸なので身軽に引っ越すことは可能だが、そのタイミングが果たして今なのか。とりあえず予定の学校に行ってみて、合わないようなら、変えればいいんじゃないかとも思ったり(もちろん、入学前に本人が行きたいところに変えられればベストだけど、父母共に仕事で3月末まで時間的余裕がまったくない状況……)
娘が通う園は一学年120名ほど園児がいて、年少→年中→年長とクラスが替わるたびに、仲の良いお友達とは(あえて)別のクラスにされていた。新しい環境で、新しいお友達ができるようにという園の配慮だと思う。
「○○ちゃんとは離れたくない。あんなに仲の良いお友達はもうできない」と、今生の別れのようにクラス替え前は毎回ナーバスになっていた。しかし、いざ新しいクラスになると、そこで気の合う子を見つけて、とても仲良くなっている。
きっと小学生になっても、なんだかんだ言って良いお友達が見つかるんじゃないかなぁと、希望も込めて思ったりしているのだが……。
そんな理由もあり、今回の入学説明会は新しい小学校生活に馴染めるかどうかの布石――親としてもドキドキしていた。さて、結果はどうなるか。
入学説明会の流れ
学校に到着すると、名前の確認とともに、娘には大きな番号がついたカードを渡され、「2年1組の教室へ行ってくださいね」と、そちらへ移動。数グループに分けられて、それぞれの教室で先生と子どもたちだけで過ごす。
教室に行くと、すでに10人くらいの子どもたちが椅子に座って、アニメーション動画を鑑賞中。先生に促されて娘は同じ番号の椅子に座り、ここでいったん親子は別々に。娘に手を振り、私は入学説明会のある体育館に向かった。
とりあえず、教室で分かれることができたので、ひとまずホッとひと安心。
そして約1時間の説明会が終わり、子どもたちが体育館の親元に連れて来られた。ドキドキしながら、娘の表情を見たら――ニッコリ笑っている。
おおお、これは好感触か⁉︎
子どもたちが取り組んだこと
「どうだった?」と聞いたら、「楽しかったー!先生も優しかったよ。ここの小学校なら行ってもいいよ」と言われた。
若干上から(!?)なのが気になったけれど(笑)、「ここで学ぶのはあなたなんだから、あなたがよければそれが一番だわー」とホッと胸を撫で下ろす。(子どものことなので、また時間が経ったらコロッと意見は変わるかもだけど)
「教室では何をしたの?」と聞いたら、下記のことに取り組んだらしい。
みんなが揃うまで動画鑑賞
名前を呼ばれて出席確認
絵本の読み聞かせ『ふしぎなキャンディーやさん』
手遊び
絵本読み聞かせ『へんしんトンネル』『はらぺこあおむし』
先生が指示した図形を描く
図形を描いていたら、ひとりの子が「顔を描きたい!」と言ったそう。すると先生が「いいですね!じゃあ次は、みんなそれぞれ自由に顔を描きましょう」と返してくれたらしい。
おお、めっちゃいいやーん。と、なんだか嬉しくなった。
今回娘から話を聴いて一番嬉しかったこと
体育館に移動する前に、先生が「トイレに行きたい人はいますか?」と聞いたときに、娘が一人だけ手を挙げて「行きたいです」と答えたらしい。
それを聞いたときに、私はとても嬉しい気持ちになった。それはなぜか。
1)トイレを恥ずかしがらずに行けたこと
わが家では常々、生理現象(おしっこ・うんち)は我慢しないこと(=我慢すると健康を害すること)、それを言うことは恥ずかしいことじゃないこと(=むしろ当たり前のこと)をずっと言い聞かせてきた。なので、恥ずかしがらずに、堂々と行けたのは本当によかった。
2)少し先の状況を読みながら、自分の頭で考えて行動できたこと
娘にそのときの状況を詳しく聞いてみた。
「行かなくても大丈夫かなと思ったけど、これから体育館に移動して、お母さんに会うまでに時間がかかりそうだったから、念のために行ったんだ。そしたら、思ったよりたくさん出たよ。笑」と話してくれた。
子どもながらに、少し先の状況を読みながら、自分の頭で考えて行動できたのが、とても偉かったと思う。
3)周りに流されずに自分の意志を伝えられたこと
先生に聞かれたとき、娘以外は他に誰も手を挙げる子はいなかったらしい。そういう状況の中で勇気がいっただろうに、怯まずに手を挙げて伝えられたことが素晴らしい。ふだん空気を敏感に感じ取る子だから、なおのこと。
親と離れて、初めての環境で、周りは誰ひとり知らない子ばかりで、めちゃくちゃ緊張しただろうに、自分の意志をハッキリ伝えることができたことは、娘にとって大きな一歩だと思う。
たかがトイレ、されどトイレ
トイレはあくまでひとつの出来事に過ぎない。
これからの学校生活の中で、自分の頭で考えて先に状況を読んで動いたり、他の子と意見が異なるときに勇気を持って自分の意見を伝える場面に出くわすことがあるだろう。
そのときに、今日のように振る舞ってもらえたらなぁと。
娘にとって、小さいけど大きな一歩。とても誇らしい。
ちなみに、娘は先生に付き添ってもらって独りでトイレに行き、用を足してドアを開けたら、他のお友達も「やっぱり行くー」と後から来たとのこと。
よしよし、これでみんなの大切な膀胱が守られた。そういう意味でも偉かった。笑
入学まであと1ヶ月半。
女心と秋の空のことわざのように、入学まで娘の気持ちはコロコロと変わるだろうけれど、この日のことを忘れないで欲しいなぁと思う。
私もしっかり胸に刻んでおこう。