『サブロ キョウト』ほくほく訪問話
吉祥寺の『Sublo サブロ』が京都に
生まれも育ちも京都の私は、いまだかつて吉祥寺に足を運んだことがない。
そのくせ、古着屋さんや雑貨屋さんが集結しているような、とにかく「おしゃれ」感溢れる街だと勝手に思っている。
あと、『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』という漫画を電子書籍で立ち読みしたところ、とても面白かったという感想は付け加えておきたい。
そんな吉祥寺にある文具屋『Sublo サブロ』さん。
実は、私が『サブロ』さんの存在を知ったのはつい最近だった。
僭越ながら、私もライターとして執筆させて頂いている文具メディアSuuuhで紹介されていたのがきっかけ。
こちらの記事を読んで「どこもかしこも行きたすぎる…!」と震えていた私が、たまたまInstagram経由で『サブロ キョウト』OPENの情報を得たのは、まさしく僥倖としかいえない。
東京よりずっと近く、しかも自分にとって馴染みのある場所に、気になる文具屋さんがやってきてくれるなんて。
これはもう、行くしかないのでは?
そう勝手に心を決め、先日ワクワクを募らせながら『サブロ キョウト』さんを訪問してきたのであった。
『サブロ キョウト』はブング・ザッカの宝箱
結論から言って、『サブロ キョウト』ではめちゃくちゃテンションが上がった。
とはいえ、お店の中できゃっきゃするわけにもいかず、緩む口元をマスクで隠せて本当に良かったと思う。
『サブロ キョウト』は、駅からほど近いビルの3階に入っている。
1階に自転車屋があり、レトロテイストな看板も立ててあるので、目印には困らないはず。
看板に誘われて3階へと上がる途中には、定規を使って表現された「36」のインテリアが迎えてくれる。
もうこの時点で、「センスの固まりか…」と興奮しつつ、思わず写真を撮っていた。
店内については、お店の方に確認を取れなかったので写真がないという結果に。
(生来の人見知りをこんなところで発揮しなくてもよかったのだけれど、そこはもう、実際に訪れてお店の雰囲気を知ってもらえれば、と願うばかりです…)
ペンにノート、ブロックメモ、デザインペーパー。キーホルダーにワッペン、鞄。
文具はもちろん雑貨まで、じっくりゆったり見て回れる至福の時間。
『サブロ キョウト』では、間違いなくそんな幸せを味わえる。
また、京都にまつわるデザインの文具が店内の中心に並んでいるので、ぜひ見て頂きたいと思う。
ここで、今回私が購入した文具3つについて触れていきたい。
沖野愛 ブロックメモ 京都
京都人だって、京都デザインの文具を買ってもいいじゃない!
そう叫びたくなるくらい、かわいいブロックメモ。
なにを隠そう、今回のお目当てはこのブロックメモだった。
4種類の柄はどれも"京都"の風情たっぷりで、観光名所を一巡りできるかのよう。
明るい色合いの好きな私は、特に京都タワーと市バスの描かれた黄色いデザインがお気に入りだ。
また、舞妓さんの「おこしやす」という柔らかい声が聞こえてきそうなピンクのデザインも推したい。
さらに、華やかな祇園界隈から緑豊かな鴨川沿いまで、京都のくるくる変わる表情をこの1冊で満喫できる。
自分でもどんどん使っていきたいし、京都土産として他府県の方に配って歩きたいくらいである。
「そうだ、京都いこう」と手招きするブロックメモ、おひとついかがどす?
月光荘 右手クリップ
Instagramでちょくちょく見かけるたびに気になっていた、ユニークなクリップ。
『サブロ キョウト』で実物を拝めるとは予想しておらず、気が付けばお買い上げしていた。
こういう勢いって、大切だなあと家に帰ってから痛感した。
何せもう、ビジュアルがツボすぎるクリップなのだ。
重厚感のある金ブロンズの素材がたまらない。右親指を曲げた手の形を意味もなく真似したくなる。紙を挟んでも、飾っていても、どっちにしてもときめく。
右手にこんなにも心惹かれる日がくるとは、思いもよらなかった。
月光荘はもともと画材を製造販売しており、文具や日用雑貨も幅広く扱っているメーカーさん。
月光荘という店名は、与謝野鉄幹・晶子夫妻の詠んだ歌が由来というから驚きだ。
また、トレードマークのホルンには文化人たちの願いが込められているそう。
このホルンマークを見ていると、かつてホルンを吹いていた経験が蘇ってきて、個人的に親近感を抱かずにはいられない。
『サブロ キョウト』には右手クリップ以外にも月光荘のアイテムが揃っていたので、今度は「ピンバッジや鞄も欲しい…」と早くも目論んでいる。
MILAN 消しゴム
MILANはスペインの文具メーカーで、創業当初は消しゴムのみを扱っていたとのこと。
カラフルな消しゴムや電卓のラインナップは、なかなか日本ではお目にかかれない鮮やかさで、私の心を掴んでくる。
とはいえ、もっぱらボールペンを使う私にとって、消しゴムは学生時代ほど使わなくなった文具のひとつだ。
『サブロ キョウト』でMILANの消しゴムと出会った時も、正直いって買うかどうか迷った。
けれど、同行してくれた母に「飾るのもありじゃない?」と言われた瞬間、心は決まった。
消しゴムだから消さなきゃいけない、なんてことはないのだ。
むしろ、にっこり顔をしたかわいいクジラの消しゴムは、末永く飾っておきたい。
そんなわけで、今、MILANのクジラは机の上を気持ちよそうに泳いでいる。
文具屋さんにどきどき、ほっこり
今回、『サブロ キョウト』さんを訪ねて、私はこの上なく楽しい時間を過ごせた。
以前、京都市中京区にある文具屋『HIRAETH』に行った時もそうだったのだけれど、空間そのものにワクワクする体験って、貴重なのではないかと思う。
私にとって文具屋さんに行くことは、舞台鑑賞や美術館巡りと同じくらい、楽しくて大切な趣味となりつつある。
また近いうちに『サブロ キョウト』さんを再訪したいし、なんなら吉祥寺の『サブロ』さんにも行ってみたい。
ちっぽけな私の、ちょっとした夢を幾通りにも膨らませてくれる文具。
だからやっぱり、文具が愛おしいのだ。