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[読書メモ]職場の問題地図 ~「で,どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方
職場の問題を改善するヒントを得られる本
1丁目から11丁目まで章立てされていて、そのそれぞれの章に職場の問題を改善するためのヒントが書かれている。
まずは目次を見て「うちのチームはここが問題だ」と思うところから読むのがよさそう。
私は、1丁目と10丁目が特に参考になった。
この本でいう職場の問題とは?
職場の問題とは、根本的な問題に蓋をしたまま、個人の気合と根性に頼っている虚弱な状態のこと。
根本的な問題とは、「制度」「プロセス」「個人スキル」「場」の4つの観点を指す。
日本は、日本の労働時間の長さと生産性の低さを問題視してワークライフバランスが提唱された。
しかし、実施される改善策には上記の4つの観点が網羅されていないため、ワークライフバランスがなかなか実現しないという現状がある。
学んだこと
【1丁目】手戻りが多い
そもそも「仕事をする」とは?
- インプットを成果物に変える取り組みのこと
- そのために「何のために、誰のためにその成果物を生み出すのか?」を意識する
仕事を受けるときに意識合わせする要素
目的: その仕事は何のために、誰のために行うのか?
- 目的を自分なりに想定して確認する
- その仕事の成果物の利用シーンを確認する
インプット: その仕事を進め、成果物を生むためにはどんな情報・材料・ツール・スキルなどが必要か?
- 資料作成なら元データや制作物であれば部材だったり、その成果物を生み出すために必要な材料
成果物: 生み出すべき完成物あるいは完了状態は?期限は?提出先は?
- 成果物のイメージがずれている可能性があるので、絵や言葉で認識合わせする
関係者: 巻き込むべき関係者・協力者は?インプットは誰・どこから入手すべき?成果物は誰のため?
- 成果物を最終的に見る相手はだれか?に気づく
効率: その仕事のスピードは?生産量は?コストは?人員は?歩留まりは?
- 仕事の進め方を確認する
- 期限の設定
- ステップの作成
【5丁目】仕事の所要時間を見積もれない
定義できないものは、管理できない。管理できないものは、測定できない。測定できないものは、改善できない。
【10丁目】誰が何をやっているのかわからない
誰が何をやっているのかわからない状態が生まれる要因
- 会話がない
- 話しかけづらい雰囲気
- 常に時間がない
- 他人のやり方を知る場がない
その状態が生み出す5つの病
①新人が孤立する
②汗をかくことが美しい
- 毎回ゼロベースで考えて仕事を成し遂げる
③属人化
- 他人のやり方を知らないということは、自分のやり方を見直したり、他の人のいいやり方を取り入れる機会がない
④チーム編成・役割分担不全症候群
- 誰が何をやっているのかわからない
- 上司も部下のことを把握していない
- 上司が部下の得意分野を知らないから、適材適所に仕事をふれていない
⑤助け合わない
チームに微妙な空気感がうまれていたら、それは、10丁目で書かれているように「誰が何をやっているのかわからない状態」が要因になっていると思う。
誰が何をやっているのかわからないのは、何も業務に関することだけではなくて、チームメンバーそれぞれのコミュニケーションのとりかたが問題。
この状態を断ち切るには、
- チームメンバー同士を知る場が必要
- 率先して雑談する
- お互いの取り組みやノウハウを学ぶ場を設ける
- バックグラウンドを知る場を設ける
- オフィスの端に井戸端を作る
- オフタイムのコミュニケーションの場を作る
やはり、コミュニケーションが必須。
【11丁目】実態が上司や経営層に伝わっていない
上司に結果しか伝えていないと、現場の状況が上司に伝わらない
結果ではなく、プロセスを報告する
その業務は何人で回しているのか
何時間かかっているのか
担当者のスキルレベルは
どれだけコストを掛けているのか
オペレーションミスはどれだけ発生しているのか
総労働時間は
残業時間は
有給休暇の取得日数や率は
プロセスは、その成果を得るためのプロセスを測って報告する
業務が回っていない状態とは、次の4つが要因になっている
- インプットが成果物に変換されるスピードが遅い
- ミスや手戻りが多い
- 長時間労働・業務量過多
- なんだかよくわからないけど、インプットを与えればとりあえず成果物は出てくる
【おわりに】
ほんとうにワークライフバランスが充実している会社には、ワークライフバランスという言葉が存在しない
ワークライフバランスという言葉がない社会。それこそがあるべき姿。
やること
■チームメンバー同士を知る3つの場を設ける
①雑談する場
②お互いの取り組みやノウハウを学ぶ場
③バックグラウンドを知る場
■5つの要素で仕事を進める
①目的
②インプット
③成果物
④関係者
⑤効率