環境を整える支援
私が好きな支援の基本は、環境を整えることです。
療育や教育というと、子どもの能力を伸ばす、できることを増やす、発達させる、ということを思われがちです。
それも大切なことですが、その子を変えること、能力を伸ばすことを考えるのではなく、何か工夫をして、環境を整えて、サポートをすることが大切だと思っています。
その人を変えようとすることは、今のその人を否定していることです。
能力にも限界はあり、できないことがあるから凸凹です。
その人を丸ごと、凸凹も能力もできることもできないこともフラットにそのまま受け止めて、できることを伸ばして、できないことは工夫をすることで補います。
工夫は結構できるものです。
見えなくてわからないなら見えるようにする。
時間の見通しがわからないなら砂時計を使う。
片付けの場所がわからないならどこに何を入れるのかを書いておく。
苦手なことの代わりになるものを使う。
覚えるのが苦手ならメモに書く。
言葉の代わりに写真で伝える。
刺激が気になるなら隠す。
目の前にあると食べてしまうなら戸棚に隠しておく。
触りたくなってしまうなら見えなくする。
入りたくなるなら鍵を締める。
そして、環境には人も含まれます。
周りの家族や先生、支援者も環境の一部です。
あまり意識されていないことが多いですが、関わり方も支援です。
周りの人の関わり方を整えることで、子どもが変わります。
人を変えようとすると、苦しいです。
否定されることで、自己肯定感の低下、二次障害になったりすることもあり、よかれと思ったことが将来に影響することもあります。
その子を変えようとするのではなく、環境を整えて必要な工夫をすることで、できることを増やしたり、落ち着いて過ごせたりすることが理想だと思います。