
海街森道遊園地
大自然にいるかのように、海だけを撮る。
しかし、この静かそうな海に到達すると、
横には多くの写真撮りたがりガールズがいる。
全員可愛い。怖い。
実はここ、とある遊園地と隣り合わせで、
僕はなぜここにいるかというと、
音楽フェスに客で来ている。
(といっても、様々なシャレオツスーパーチルチルファンタジーショップが沢山出ているような、へぇーすごーしか出てこないイベント)
この光景と真逆の、普通に観覧車とかあるような遊園地が真横にあり,海沿いとで2ステージある。
このコロナという悪魔に立ち向かい、今年はマスクなしでもok。
ペトロールズが鳴る。ハナレグミと中納さんがエグる。スカートがキレキレにラップする。フジファブが夜に星を降らす。ボウディーズが浮く。
そんなフェスの行きしな、2人の男が歩く。
「めっちゃ天気ええなあ」
「ほんま。」
「これは、はよガソリン入れなあかんで」
ガソリンとは,勿論我々の世界では麦酒である。「コンビニあるわ」
見つけて飛び込むが、大並びしているのをみて,歩いて10分なら先行って我慢しよかと。
「なんでも我慢した方がうまいですもんね。」
つるんでて、ワードセンスとファッションセンスに嫉妬しながらも、生き様では勝ちたいと戦う。いつもの如く,私は負ける。
この景色が待っていることを知っている俺。知らないこのセンス君。俺の方がマウントをとりながら(とれませんでしたー)酒場を探し、辿り着く瓶のハイネケン。
「うまぁぁぁぁぁあっんん!!!」
「我慢したかいあったな。」
「このために生きてるわ」
「ほんまそれっすね。あざす」(奢り)
ちっちゃい幸せでも、屋外で、フェスで、音楽で、麦汁を啜るこの一口目に、地球人如きが敵うわけがない。
そこから先,カレーやらなんやら飯を食い散らかし、鎮座ドープネスが文字通り鎮座してる写真を見たりして。最後は、「若者の全て」を耳にして、30歳と29歳?は浸りながら、帰路につく。
「何回聴いてもこれだけはええね。」
「まだ初夏にもほどがありますけど」
「ほんまやん。あれ晩夏やん」
なぜそのまま朝まで仕事しなければならなくなったのか。全来場者にアンケート取ったら、絶対俺だけの自信がある。
そんな俺が来ていたTシャツには、このように記載がございます。
「怠惰万歳」
「HITO NO KANE DE SUSHIGA TABETAI」
コーヒー屋さんのTシャツ売りおねーさんが、人の金でTシャツを着たい〜とか煽り出した時は、お揃いにしてやろうかこの女様め、と思った。
春が過ぎて、夏が寄ってきた。もうすぐ、31歳。
