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現場終わりの酒は缶でいい
これは何日も前の話。
広い会場、でかい案件,失敗したらやばい現場。
気を張って少し気疲れをしていた。
ちょっとね、まあ軽くいくか?
と言われたが、先約があったので、
「いやー、スタバならいいっすよ!」
といちごのやつが飲みたくて、
軽くフろうとしつつ言う。
ごねる。
東京に移動というから、はよ帰りたくね?
って思って。
「でもねえ、まあ、ねぇ、あー,まあ軽く一杯っていうてもなあ。店もそーゆーのないなあこのへん。」
まあ確かに少し高そう。
ほんでもって、乙女なのか、どこかの虎柄の野球チームの監督なのか、結論まで時を刻む。
。。。。、、、、。。
「ほな缶ビールくらいにしましょ。安いし,金ないし、いい具合に曇ってるし」
「ほんまやな。目の前ローソンやしな」
逃げたかったわけでもなく,飲みたい気持ちももちろんあった。
しかし、行かなきゃいけない。深い理由があるわけでもないが、いやまああるんだけど。
「どれにする?」
「そら糖質オフでしょ。太るから。」
「うまいん?」
「まあまあちゃいます?」
麒麟の銀色のやつがなくて緑しかなかったので,緑で0のやつを選ぶ。
最近、まあまあうまいやんっておもってたやつ。
麒麟の青の0もうまいんやけどね。
そもそもオールフリーとかにしたろか思ったくらい。
コンビニエンスストアでスリーファイブオーエムエルの缶ビールを買うのは、花束みたいな恋をしたせいなのか、その名前のタイトルの映画を見たからなのか、それで流れていたきのこ帝国のクロノスタシスのせいなのか。
なぜか3つも買って,よくわからんホタテ味のかにかまとマネケンのワッフル1個だけのを買って,茂みの前の段差に腰掛けて、パートナー?の愚痴と魅力を交互に話す。
血液型の話はいつも通り。
違う先輩を誘わず後でキレられたらしいが、
ライブハウスでも缶ビールが売られているし、
打ち上げも生じゃなくて缶のときもある。
涼しい外でも、暑い夏でも、
ほぼ確実に冷えているコンビニの缶は、
この時期だけではなく、昼も夕方も真夜中も、
飲み終わったら灰皿にもなるスグレモノ。
この感覚、誰かに伝えたいけど、
1人で今どきのエモさを感じながら、
名残惜しいふりをした。
UFOみたいな照明と、なんかくるんちゃうかみたいな空。
「何撮ってんねん。今時の子か」
「みて、これがiphone14、、、、P・R・O」
「うざっ」
「なんかすごないですか??これが最新です」
「もうええて」
なんていいながら、空見ながら人の話と酒で乾かす盃に、かなうものなんてないんやろな。
そのあとの酒ではビール以外が進み、
気付いたら朝になっていた。
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