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note2 3月について

 詩の3と4は『やくそく』と『なまえ』という作品です。この作品たちは、東日本大震災後に、『RE:プロジェクト』という仙台市と仙台市市民文化事業団が実施したフリーペーパーに連載してきたものです。
2011年3月11日に起きた東日本大震災のこと、どれくらい覚えているだろう。あの時のこと。あれから一週間経った時のこと。一か月経った時のこと。一年経った時のこと。そして、10年経った時のこと。その時々に感じたこと。考えたこと。出会ってきた人たち。会えなくなってしまった人たち。時間が経つにつれて、いろいろな課題が見えてきたこと。簡単に震災のことを話せなくなったこと。さまざまな仕事が震災に関することになっていくこと。なにが正しくて、なにが苦しいのか、わからなくなってしまったこと。疲れたこと。あきらめたこと。それでも、いつも考えてしまうこと。
 町とはどこのことなのだろう。地域とはなんだろう。いろいろな場面で詩を読んできたこと。対話のようなものが議論になり、議論していたはずが口論になってしまったこと。常になにかが問われているような日々が続いたこと。改めて、自然の大切さ、人と関わることの難しさ、やさしさについて考えてきたこと。
 『RE:プロジェクト』は失われた地域に軸足を置き、丁寧にいまを見ていき、地域の方の声に耳を傾け、言葉を綴ってきたものです。フリーペーパーで続いたものを、本にまとめたものもあります。
 今年は能登での震災が起きました。いまも大変な状況が続いていることと思います。そして、そのかなしみは改めて、いろいろなことを問いかけていくことになると思います。それぞれが、それぞれの大切なものを抱きしめ、暮らしを続けていけることを祈ります。

 3月は『RE:プロジェクト』の詩を載せていきます。


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