一日の幸せな締めくくり方

夜、落ち着いた時間に、今日一日を振り返った。長い一日がやっと終わる。今日笑ったっけ？ まだ笑っていない。

けだるい朝。職場では慌ただしく休みなし。人の不愉快な言葉。緊張と疲れ。面白いこともなく、楽しいこともなし。笑う余裕などなかった。

笑わないでいると頬の肉がたれて老け顔になる。印象が悪くなる。気持ちが滅入る。運気が下がる。いいことは一つもない。いやな感情を明日に持ち越さないために、一日の締めくくりは笑顔にしたい。

いやなことがあっても、怒りをおぼえることがあってもまずは口角をあげる。つくり笑顔でも笑顔にかわりない。
空を見上げて「今日もよく頑張ったあ」って言い、大きくゆっくり深呼吸を繰り返す。
大きく息を吸いながら肩をあげて「はあ～」っと言って脱力する。肩の力が抜け、顔のこわばりもとれると同時に気持ちが落ち着いてくる。

湯舟につかりながら、今日の自分のよかったところを思い出す。精一杯働いたこと、美味しくご飯を食べたこと、いやな言葉を許そうとしたこと、人を励ましたこと、元気で過ごしたこと、なんでもいいから自分をほめちぎってねぎらう「よく頑張った、私」
体についた汚れだけでなく、心の中にたまったものも洗い流されていく。
すっかりきれいになったから、たいへんだったことやいやなことは、もうどうでもいい、って思えてくる。

ここまでくれば、さっきよりも情のこもった笑顔がつくれる。一日が無事終わってよかった。あとは目をつぶり、柔らかな笑顔をつくってぐっすり眠るだけ。