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茹でたけのこと拡張家族

近くの産地直売所で、地元のおばちゃんたち(おそらく)が湯がいたたけのこを売っている。

この春に引っ越してきたばかりの土地。

しばらくはスーパーを点々としながら買い物をしていたが、どうにもテンションがあがらぬ。そんな折、小さな産直があるらしいと聞いていそいそ出かけた。するとそのレジ前には、見るからにおいしそうな茹でたけのこがずらり。この景色を目にして内心飛び上がりそうなほど感動した。

パカンと半分にだけ割られ、ごくごく普通の透明なビニール袋に入れられた茹でたけのこ。それが、発泡スチロールの箱に敷き詰められた氷の上にだだだだんっと並ぶ。その飾り気のなさと、鮮度を意識した陳列がまたよい。

傍らではレジのおばちゃんがまた、今入荷したばかりらしき茹でたけのこを、氷の上に並べてゆく。ああこれ、絶対おいしいやつ。

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2,797字
どうでもいいことをすごくしんけんに書いています。

<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…

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