戦う女たち・・・育児に、仕事に–エージェント物語S1E4
2月も折り返し地点を通り、残り少なくなってきました。
令和になってから、2月の祝日が増え、より一層過ぎ去るのが早く感じますね。
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と昔の人はよく言ったものです。
さて、今日はエージェント物語S1E4の回。今回のテーマは「育児」です。改めて各エピソードを見直してから気づいたのですが、このエージェント物語、一話完結型でありながら、必ず前回のテーマの一部分、一要素を次の回のテーマに盛り込んであります。前回は、母と娘の親子関係、今回は育児に奔走する母の姿、等。些細なことですが、お見事です。
(Netflix公式サイトより引用)
そんなエピソード4も濃い内容が詰まっています。2人の子供を出産したオドレイは職場復帰のために次の出演作への役作りへ奔走。一方でASK事務所への国税調査が本格的に始まりつつある中、アンドレアはコレットに惚れ込んでしまい、いつもとは違う、仕事の顔ではなく恋する乙女の顔もちらほら。それに加えてマチアスのライバル事務所への移籍の疑惑も流れたりと、ASK事務所が落ち着く日はなかなか訪れません。
育児と、仕事復帰
多様な場面を描写しつつ、しっかりと視聴者へのメッセージを送ることは忘れないのがこのドラマのいいところ。印象的だったのは、オドレイが自分の主演枠を他人に譲ったことを非難するマチアスに対して放った言葉。
原文)Excusez-moi de ne pas faire semblant d'être mère, comme les autres actrices.
字幕)母親のフリしている他の女優とは違う
…
原文)Vous savez très bien que j'ai envie de travailler, mais ils sont petits et ils ont besoin de moi.
訳)私が仕事がしたいのは十分わかってるでしょう。ただ子供たちがまだ小さくて私を必要としているのよ。
仕事も復帰したい、けれど自分の母親としての職務もまっとうしたい•••多くのワーキングママがぶつかる壁にオドレイもぶつかります。それをなんとか乗り越える姿が視聴者に元気を与える気がしています。
エージェント物語が面白いのは、豪華な俳優を本人役としてキャスティングしつつ、彼らが抱える悩みは一般人も持つ悩みと共通するところなのかもしれません。見ているうちに、グッと親近感が沸いてきます。
目が離せないアシスタントたち
シーズン1は6つのエピソードから構成されていますが、個人的にシーズン1の中では一番好きな回がこのエピソード4です。
この回では、今まであまり言及してこなかったアンドレア、マチアス、ガブリエルのアシスタントたちの名演技が詰まりに詰まっています。特に彼らの会話の中の細かいリアクションや表情•••見れば見るほどクセになります!
特にマチアスの移籍疑惑を知った瞬間のノエミーの絶望感あふれる演技は圧巻もの。疑惑を知ったことによりショックを受けた彼女は、パリ中に響くであろう雄叫びを上げながら文字通り泣きじゃくるのですが、そこに一切の白々しさを感じさせない画には本当に感心してしまいます。
最後に〜今日のフラ語ワンフレーズ!
J’hallucine!
驚いたわ、嘘でしょ!
もともと、hallucineの原型Hallucinerと言う動詞には「幻覚を生じさせる」と言う意味があるこの表現。そこから派生して、信じがたい、信じられない、嘘でしょ、の口語表現になりました。
ではでは〜
えむけい