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托卵。~わたしの宝物をみて~

托卵とは、動物の習性のひとつである。
自分の卵への世話(巣作り・抱卵・子育てなど)を他の動物に托すことを指し、育ての親を「仮親」と表現する。

よく知られているのは、カッコウなどの鳥類だ。
カッコウの雛は、巣の持ち主の卵や雛を巣の外に押し出し、自らが仮親の唯一の雛であると主張する。
そして、仮親の育雛本能に依存して餌をもらい、成長して巣立っていく。

托卵される側は、自分の卵への世話ができなくなり、生息数が減少する鳥もいる。
対抗するために卵を見分けやすくするなど、動物たちは日々進化を遂げている。
一方で、人工的な托卵もある。
動物園などでは親鳥が放棄した卵を同種、
あるいは近縁種の鳥に育てさせることがある。

(参考:Wikipedia他)


「托卵」

近年、人間界でもたびたび話題にあがっていることをご存じでしょうか。

インスタグラムやXをはじめ、
特にインターネット上では その言葉をよく目にするようになりました。

そして今期。
『わたしの宝物』(フジテレビ系列、毎週木曜 夜10時放送) というドラマ内で、
主要テーマとして描かれています。

正直、驚きました。
エンタメ好き人間として、気になるドラマの第一話はさらっと全て見ています。
今作に関しては、
”松本若菜さん主演で、DVする田中圭が観られる”
それだけの情報で視聴しました。
ドラマの内容は全く理解せずに観始めたので、
「すっっっっっごいドラマ…!」
これが第一声でした。

公式HPから、あらすじを置いておきます。

”中学生時代の色あせない楽しかった記憶…。
そんな過去とは裏腹に、神崎美羽(松本若菜)は やりきれない現実を生きていた。
外面は良いが、乱暴な言葉をぶつけてくる夫と冷えきった夫婦生活を送り、いつの間にか偽物の笑顔を振りまく自分自身に嫌気が差していた。
「子供ができれば現状を変えられるかもしれない」と考えるようになるが、夫には自然に任せればいいと一刀両断されてしまう。
そんな中、中学生ぶりに幼馴染と再会し……。”


托卵という、人間界ではタブーとされるテーマをどのように描いていくのか。
続きが本当に気になります。


さて。
托卵ときいて、
あなたはどんなことを考えるでしょうか。

私は、
「墓場までもっていけるなら、どうぞ」
と思っていました。
半端に知識があるので、「私なら少なくとも国籍と血液型だけは合わせて浮気するかな」とも考えていました。
身近なようで、でも、他人事。

また、托卵について考える中で、ふと、
「托」と「託」の違いが気になりました。
「託す」は使いますが、「托す」は使ったことがなかったのです。

【托】音:タク/訓:おく、たのむ、おす
〈意味〉
①おく。手の上におく。物をのせる。「托鉢」
②物をのせる台。「茶托」
③たよる。たのむ。まかせる。「托生」「委托」
④お(推)す。また、ひらく。
〈成り立ち〉
手と、音符乇(タク)とから成る。
手に物を置く意を表す。

【託】音:タク/ことづかる・かこつける・かこつ
〈意味〉
①たのむ。たよる。あずける。「託児」「委託」「寄託」
②かこつける。ことよせる。口実とする。「託言」「仮託」
③かこつ。ぐちを言う。
④神仏のお告げ。「託宣」「神託」
〈成り立ち〉
言と、音符乇(タク)とから成る。
よりかかる、ひいてたよる、まかせる意を表す。


調べてみると、
托す よりも、託す の方が人間っぽい印象を受けました。
よりかかる、たよる、まかせる…等には、
意思や感情を感じるのです。
一方で、手に物をおく…というと、それは動作でしかなく、
より冷たく雑に感じてしまいます。

はじめに紹介した 人工的な托卵には、
生まれた命が健やかに育つことを祈る、
人の想いがのっています。きっと。

もしかしたら、
鳥類にも似たような思いがあるの”かも” 、しれません。


言語をもつ我々人間は、
「托卵」でなく、「託卵」であれば、
もっと違った印象を持てるのかもしれませんね。

みなさんの感想もぜひ聞きたいです。


お読みいただき、ありがとうございました。
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