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双極性障害とつきあう①

以前は「躁鬱病(そううつびょう)」と呼ばれていた、双極性障害。
現在はさらに、「双極症」へと名称変更が成された。
ここでは、少~しだけ愛着のある、
双極性障害、と統一させてもらおう。

20代~30代に発症することが多く、
発症頻度はおよそ100人に1人弱。
うつ病は、女性に多い傾向(男女比2:1)だが、
双極性障害の場合、男女差はほとんどない。

躁・鬱の状態は、周囲から「性格的なもの」だと誤解されてしまうこともあるが、
治療が必要な【脳の病気】だ。
気の持ちようや、心掛けで、治るものではない。

異常なほどハイテンションになり、万能感に満ち溢れる、躁状態。
気分がふさぎ込み、心身のエネルギーがなくなる、鬱状態。
これらが繰り返し表れる。
誰もが感じる気分の浮き沈み。
・・・を、はるかに超えた、激しく病的な症状が、
一定期間表れては、困った問題が次々と起こる。
「自分は無敵だ!」と高揚感に包まれたかと思うと、
一転して、「自分には生きる価値がない」と絶望する。
両極端な状態に、振り子のように振れるのがこの病だ。

また、この病気には、Ⅰ型とⅡ型、2つのタイプがある。
”顕著な躁状態”が表れるのは、Ⅰ型の特徴だ。
一週間以上 躁状態が続き、喧嘩や散財など社会生活に大きな影響を及ぼす。
そのため、入院治療が必要になることもある。

一方 Ⅱ型は、”程度の低いハイな状態”が少なくとも4日以上続く。
これを「軽躁状態」という。
鬱の程度はⅠ型と変わらないものの、その期間が長いのはⅡ型の特徴だ。
鬱状態が長い分、自殺のリスクが高く、
他にも、摂食障害やアルコール依存症なども併発しやすい傾向にある。

さて。
私はどちらだろう。

2022年11月 夫と結婚式を挙げた。
式の準備は大変だと覚悟していたが、
用意周到で計画的な性格が幸いしたのだろう。
どれも楽しいばかりで、ストレスなど一切なかった。

さらに遡ること、2021年春。
当時の職場で、電子カルテの導入が図られた。
上司に頼まれ、プロジェクトのリーダーに就任。
機械は、得意だった。
頼られるのも、好きだった。
そして、責任感が強かった。
そうして私は、家庭と職場。
2つのフィールドで、それぞれにのめり込んでいく。

電子カルテチームが本格的に始動したのは、2021年秋。
それまでは、月1回のミーティング程度だったが、
いよいよ、システムを構築するフェーズに移った。
これが。
思い出したくないほどに、骨を折る作業だった。
ただでさえ、人の命を預かる現場で働いている。
毎日緊迫した状態で、勤務時間内に他の業務などできやしない。
残業、、、持ち帰り仕事、、、
休日も出勤し、朝9時から18時までパソコンにべったり。
そんな生活を、気づけば約5ヶ月間、していた。
顔面が吹き出物だらけになっても、
過食で体が重くなっていても、気がつかなかった。
(結婚式控えてるのに😢)

2022年2月 電子カルテでの診療がスタート。
我が子を世界に放つような気持ちだった。
嬉しいような。不安なような。
案の定、1ヶ月間はてんやわんやだった。
それでも、だんだんと落ち着きが見えた3月の末。
とうとう、無理がきかなくなった。
燃え尽きたのかもしれない。
5日間の有休をとり、少しだけ遠くへ出掛けると、
かなりリフレッシュできた。
そこからは、少しの持ち帰り仕事で、なんとかまわるようになった。

仕事がひと段落し、本格的に結婚式の準備に入る。
招待状、席次表、席札、メニュー表、ブーケ、装飾に至るまで、
すべてにこだわり、自分の手で作成した。
アイディアは、たくさんあった。
小物づくりも、元々好きだった。
だから全然、大変だとは思わなかった。
たのしいな。たのしみだな。
それだけだった。

結婚式は、無事に終わった。
ボロボロだった肌も、なんとか修復できていた。
ダイエットも頑張って、
肩や鎖骨は、骨が浮いて見えた。
この頃は、少し拒食気味になっていたと思う。

職場のみんなが電子カルテに慣れ、
結婚式も挙げられた。
完全に、燃え尽きたと思った。

2022年末。
急にやる気が出なくなった。
夫と出掛ける予定を立てても、
当日になるとベッドから起き上がれない。
好きな仕事をしていても、心が動かない。
大好きなアーティストのライブに行けない。
友だちとの約束をドタキャンしてしまう。
家事ができない。
当たり前にできていたことが、できない。

『生きている意味がわからない』

強い希死念慮に襲われた。
”あ、鬱だな”と思った。
以前にも経験したことがあったからだ。
そのときは、看護師の友だちから安定剤を分けてもらい、乗り切った。
(本来は いけないことです)
上司にも相談したが、
「一度休んだら戻れなくなると思うよ。負荷を減らすから、とりあえず毎日おいで。」と言われた。
自分でも、そうだと思った。
でも、
年を越えた2023年3月。
ついに、仕事へ行けなくなった。
2日間、全くベッドから起き上がれず、
これは普通じゃない、と思った。

普通じゃなくなる恐怖。

すがる思いでメンタルクリニックを受診。
当たり前に、休職をすすめられた。
「休んだら、戻れなくなりませんか?」
私の問いに、
『戻るために、休むんですよ。』と、
答えてくれた医師のことは、一生忘れないと思う。
(後日、別件でご縁があったのですが、その話はまたおいおい…😊)

そうして、「抑うつ状態」の診断で3ヶ月の休職に入った。

今日は、ここまで。
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~時系列一覧~
2021年春          電子カルテ チームリーダーに就任
2021年秋          電子カルテチームが本格始動 ほとんど休みなく働く
2022年2月      電子カルテ導入開始
2022年3月      軽い燃え尽き感 5日間の休暇をとる
2022年11月  結婚式を挙げる
2022年末         強い燃え尽き感 やる気がなくなる
2023年3月     強い希死念慮、無気力で受診→休職

~参考文献~
これだけは知っておきたい双極性障害  躁・うつに早めに気づき再発を防ぐ!ココロの健康シリーズ  発行人:佐々木 幹夫  監修:加藤 忠史  発行所:株式会社 翔泳社


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