【書評】「chatter 頭の中のひとりごとをコントロールし、最良の行動を導くための26の方法」を読んで


Target この本で学びたいこと

自分との対話をストレスないものにしたい
内省が良い結果を生むようにしたい

Before 読む前の状態

常にさまざまな物事を考え続けているせいで
今ココに集中できないことがある
ネガティブな感情を増幅することがある
単純に疲れる、完全にリラックスできることが極端に少ない

After 得た気づき

1.チャッター(頭の声)とは循環するネガティブな感情と思考で構成されたものを指す

2.苦痛を感じている時の内省は有害無益

3.人は目覚めている間の1/3から1/2はいまを生きておらず、過去に思いを巡らせたり考え事をしている。その状態に「デフォルト」と名前がついているレベルで常に頭はどっかいってる

4.脳内の独り言は1分間に4000語レベルでめまぐるしくおこなわれている

5.チャッターに打ち勝つとは、頭の中の声を止めることではなく、有効に話しかけること

6.頭の声は両親のかけた声から影響を受ける、両親は文化から影響をうける、ただしそれは一方通行ではなく、子供から親に影響が、さらに文化を再形成していく

7.人の気分は何をしたかではなく何を考えたかで決まる

8.何かをするとき、それは各要素の働きの総体によってなされるが、うちなる声が一要素にスポットを過度にあてすぎることでエラーが生じることがある(たとえば、ピッチャーがボールを投げるという行為には、指の動き、視線、体全体の動きなどすべてが無意識のバランス、練習によって完成された動きの総体だが、プレッシャーのあまり指にだけ力が入りすぎて暴投する、など)

9.チャッターが発動すると脳の実行機能(ニューロン資源)を占有してしまい、結果他のことに集中できなくなる

10.デジタル化により時間の経過が欠如している
うちなる激情がピークにあるうちにそれを即座にアウトプットできてしまう

11.チャッターが生じると、自己参照処理(自分について考える)と感情的発生に関わる脳領域が活性化し、ストレスホルモンのアドレナリンとコルチゾールが放出され、視野が狭くなり自分にズームインした状態になる

12.人は思考によって思考を変えることができる

13.家族史を振り返ることで自分という存在を客観視することができる(先祖の話をたどる)
▶︎やってみたい

14.日記をとることで自分を客観視できる
▶︎つけ方によりそうだなー

15.自分のことを考える時、主語を「私」ではなく「あなた」や自分の名前に置き換えることで、第三者の視点をもてる
「私はいらだっている」▶︎「○○はいらだっている」みたいに
この方法は他の方法に比べて簡易的に実行できるため、感情がピークにある時にも比較的使いやすい方法
※チャッターに神経資源を奪われていると、複雑な方法をとるのは難しいから

16.「転換子」とは、言語学上それを誰が言っているかによって意味が変わる言葉(私、やあなた、など)
大抵の子供が言葉がこのように機能することを理解し、数ミリ秒で視点を切り替えることができることから、こう言った言葉が心の視点を切り替えるのに役立つということがわかる

17.ある出来事を挑戦ととらえるか脅威ととらえるかで身体反応がかわる
前者では血管が収縮し、後者では弛緩する
▶︎いい緊張は能力を2倍にする、みたいな本で同じような話あったな

18.バットマン効果とは、子どもに自分をスーパーヒーローとみたせさせることで能力を引き出すことができる効果をさす(立証済み)

19.筆記開示(心のありのままをかく)ことは心理的距離を確保する効果がある
この時主語を私ではなく「あなた」にするとさらに効果が高い

20.「悲劇が起こるときは一つの選択肢が提示されている。あなたは喪失感に屈することもできる、この空しさはあなたの心や肺を満たし、考えたり息をしたりするあなたの能力を抑圧する。あるいはあなたは意味をみつけようとすることもできる」未亡人になったサンドバーグが自分に向けて?書いたもの

21.他者との会話は自分との心理的距離をおいたうちなる会話と比べると、あまり意味をなさない
相談しても楽にならない

22.チャッターと格闘している時、人はその思いを他者と共有したい衝動に駆られる(生来の傾向」が、共有した結果楽にはならず、むしろ悪化する場合が多い(銃乱射事件の後の調査などで判明)

23.ネガティブな感情を他人に語るべき、話せば楽になる、発散すべき、という考えはアリストテレスの提唱したカタルシスに端を発する

24.動揺する出来事があると人が真っ先に求めるのは解決策よりも感情的な充足。共感してもらうことに集中してしまう。
そのため、他者に内容を話すが、その際に出来事を追体験する「共同反芻」が起き、負のループになっていく

25.「猫」を想像すると、その毛並み、アレルギー、鳴き声などさまざまな体験もイメージする。それと同様にネガティブな出来事について話すとその時の感情も想起することになる

26.神経が昂り、感情的経験が最高潮に達していると、人々は感情を認知的にとらえなおそうとしないことが研究であきらかになっている
▶︎つまり、ネガティブ最高潮の時にツイートしたり、電話したりするのは悪手

27.他者へアドバイスする際、それが求められていない場合、他者の「自己効力感」を損なってしまい逆効果。「今やろうとしてたのに!」「そんなことわかってるもん!」がそれに該当する
他者の弱点にスポットをあてないために、ぱっと見支援と分からないような間接的な支援をすることが有効(落ち着けるスペースをつくる、とか、他の人の事例としてそれとなく解決策を暗示するとか)

28.緑地には人を癒す科学的な効果がある
老化を防ぎ、免疫を高め、メンタルを整える効果がある
自然は脳の限られた注意資源を充電する「注意回復理論」という説がある

29.注意力には、自発的注意と非自発的注意があり、前者はスピーチをしたりチャッターが巻き起こってる際に発動して神経資源を疲弊させるが、後者はBGMや自然の風景など柔らかな魅力に引き寄せられるもので神経資源を回復させる
実験で、自然の中で散歩した場合と街中を散歩した場合で、前者のほうがスピーチの成績が良かった
▶︎散歩のために買い物する、というのは本末転倒になるかも。散歩を目的にするときは散歩が目的となるようなウォーキングの仕方が良さそう

30.本物の自然ではなく動画など偽物の自然でも注意力の資源回復効果が得られる

31.環境に秩序を持たせることも心の秩序を構築することに有効。こんまりのときめきの片付けがブームになったのもそこに関連してそう

32.プラセボには科学的根拠がある。そういみでは験担ぎや儀式、一種のインチキ療法でも受け手がそれを本気で信じれば一定の効果が得られる
実験ではパーキンソン病にも効果があった

33.プラセボに効果があるのは脳の予測する力に関係している。歩くという行為は脳がそれに応じた反応を用意するから

34.非欺瞞的プラセボ(それがプラセボとわかっている状態でのプラセボ)でも効果がある。前提として「プラセボでも信じれば効果がある」ということ自体を信じている状態であれば。

35.活躍している著名人には独特の個人的な儀式がある。儀式と単なる習慣の違いは、厳密に同じ順序で行われる一連の行為であること。
儀式を厳密に実行するために作業記憶を使うため、チャッターの入り込む余地がなくなる
▶︎最近読んだいくつかの本でも同じこと言ってたな。いわゆる「ルーティン」だ。自律神経を整える効果がある。

36.子どもへの教育としても重要。
▶︎子どもが動揺しているとき、痛いの痛いのとんでけーしたり(プラシーボ)、緑のある場所へ連れ出したり、悩みを聞いたうえで広い視野を持てるようにそれとなく誘導したり、くすぐったり(愛のある身体接触)、ママやパパがなんというか想像してごらんといったり(心の声を良いものに育む)

TODO 今後実際にやること

1.チャッターが生じた際(ネガティブな思考のループに陥った際)、それを自覚することで、それを「自分の思考」ではなく「チャッター」として切り離し、ズームアウトする

2.チャッターに飲み込まれている際=ネガティブ感情の高ぶりがピークとなっているタイミング、あるいは動揺する出来事があった直後にSNSや電話などでそれを他者にシェアしない

3.年始に実家の実家を訪ねる際、家族史について聞いてみる

4.日記をつける(すでにやっているけど改めてその効果を意識しながら続ける)

5.自分のことを考えるとき、「私は~」ではなく「〇〇(自分の名前)は~」で考える。

6.子どもが成長したらバットマン効果を試してみる(自分がもしヒーローだったらどうする?と促す方法)

7.思考のループにはまった際は紙に書き出してみる(主語は私ではなく第三者目線となるように自分の名前にする)

8.他者へ相談する際は共同反芻とならないように慎重に行う。(前段として紙に書き出すなどしてズームアウトしたマインドをつくっておく。そのうえで具体的な手段として必要な解決策を求める場合に相談する)

9.他者の相談に乗る場合、共同反芻とならないように、無理に詳細を聞き出さない。それよりは、気持ちへの共感を示したうえで、自己効力感を損なわない範囲でのそれとない支援を行う。

10.すでに散歩を習慣にしているが、メンタルを整えるための散歩をする際は散歩自体を目的とする。(ついでに町中に買い物にいくのではなく自然の中をゆっくり散歩する)

11.住環境にもっと緑をとりいれる(植栽したいなー)

12.身の回りを片付けて秩序ある環境に身を置く

13.自分なりの儀式をもつ(大事な時は神社にいく願掛けをしてるけど、もっとカジュアルにできるように神棚を設けて自分なりの願掛けルーティンをつくってみる)

14.プラセボの効果を信じる。今使ってるサプリとかコスメとか信じる。
他者が信じているものを(よほど悪質なものでない限り)否定しない

15.将来子どもが動揺したときの対処法としてこれらを駆使する
①プラシーボを使う(痛いのとんでけとか)
②緑のある公園などに連れ出す
③悩みを聞いたうえで感情を承認してあげる
④広い視野をもてるようにそれとなく誘導する
⑤ハグする
⑥ママやパパがどう思うか想像してごらん、と促す


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