『酵素ダイエット最高!!』→金の無駄です
酵素といえば、
「代謝を上げる」
「痩せる」
「美容に良い」
「腸活」
という印象をなんとなく持たれる方が殆どではないでしょうか?
酵素とは、一言でいえばタンパク質です。
人間も自分の体で酵素を作っています。
そして、酵素といっても、ヒト自らの体内で作っている酵素や食品に含まれる酵素の種類やその働きは多種多様です。
では、酵素どんな働きをするのでしょう?
まずは中学校の授業のおさらいを軽くしましょう。
ヒトの各器官における酵素をざっくり
唾液(酵素名:アミラーゼ)
米(炭水化物) → ブドウ糖 に分解する
胃液(酵素名:ペプシン)
タンパク質 → アミノ酸 に分解する
膵液(酵素名:リパーゼ)
脂肪 → 脂肪酸に分解
ここで、ヒトの体内で作られる酵素について、もう少し深堀っていきます。
酵素は,大きく消化酵素と代謝酵素の二つの種類に分けられます。
①消化酵素
摂取した栄養素を分解して体に吸収しやすくする酵素で、アミラーゼのように食べ物を消化・分解・吸収するのに必要な酵素です。
②代謝酵素
吸収した栄養素をエネルギーに変える酵素で、呼吸をしたり、ケガを治したり、新陳代謝などをおこなったりと、私たちが生活する上で必要な一連の活動に大きく関わっている酵素です。
人間の体内で作られる酵素量は加齢と共に減っていきます。
酵素の生産量は20歳前後がピークと言われており、特に40代前後を過ぎると著しくその生産を減少することがわかっています。
普段人とコミュニケーションをしていると、皆さんも次の様な言葉を聞いたことあるのではないでしょうか?
「なんか最近揚げ物で胃がもたれるようになってきたわー。」
「年取ってから和食じゃないと受け付けなくなってきたわー。」
「食事の量あんまり変わってないのに、体重増えてきた。やっぱ年かな。」
これらは概ね加齢による体内酵素の減少が関係しています。
ゆえに酵素関連の健康食品というものは、この酵素不足を食品で補うことで、健康で太りにくい体を作るというコンセプトで成り立っているのです。
世の中の詐欺メディア・ゴミカス広告というものは、実に巧妙に私たちを騙しにかかってきます。
「女医が勧める酵素!」
「肌荒れ解消に酵素!」
「毎食1包で1か月3kg減!」
「あなたのその悩み、酵素不足かもしれません!」
はいはい、ワロスワロス。
ってわけで、結論を言うと、酵素にそんな効果はないのです。
そんなことを言うときっとこのような反応が返ってきそうです。
「いやいや、そんなエビデンスないから!」
「んなアホな。栄養士でも医者でもないお前に何がわかんだ!」
「美活、腸活芸能人が美容法で実践してるし、実際綺麗になってるだろ!」
「実際飲み続けて効果あったけどなー……。」
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エビデンスがない→知識不足です。世の中には情報操作のためとしか言えないような学術記事や実験記事などが蔓延ってます。
栄養士や医者を妄信してはいけません。特にTVなどのメディアに出ている彼らはね。
実際綺麗になっている→いや、筋トレとか糖質制限していてもともと美容効果ある事実践している人たちですからね笑
効果があった→現代人はタンパク質不足と言われてますから、タンパク質摂取で体調良くなるかもしれませんね。
さて、これでは理由を論じたことにはなりませんので、さっそく説明していきますね。
①酵素は熱に弱い
前述したように、酵素はタンパク質の固まりです。
タンパク質のは熱で変質し、消化・分解など酵素が持っていた本来の働きを失います。
生卵は加熱で固まります。
冷ましたからと言って本来の性質には戻りませんよね。それと同じです。
また料理好きな方はご存じだと思いますが、お肉をパイナップルに漬けておくとに柔らかくなりますよね。
同じ原理で塩麴にも同様の作用があります。
これはパイナップルや塩麴などに含まれるタンパク質分解酵素であるプロテアーゼの作用によるものです。
しかしながら、市販のパイナップルジュースで肉は柔らかくなりません。
私も料理好きなので、かつて失敗したことがあります笑
では何故市販品じゃダメなのでしょう?
それはジュースに加工する際の加熱処理の影響であったり、時間経過によって酵素濃度の低下・変質などによってタンパク質を分解する力を失っているからです。
現在多くの酵素ドリンクやサプリが販売されていますが、例えば飲料の場合、清涼飲料水として販売するには、食品衛生法で85℃での加熱殺菌を行うこと、またはこれと同等以上の効力を有する方法で殺菌行うことが義務付けられています。
※判りやすいのでWEB上から引用しました。
サプリも成分の粉末化の工程や、カプセル化をする工程の際に加熱します。
つまり、酵素商品というものは変質した酵素が含まれているに過ぎないのです。
サプリメントを日ごろから摂取していたり、日ごろから健康に気を遣っている皆さんの中にも、この熱に弱いという特性をご存じの方はたくさんいらっしゃると思います。
そうなると、、、
「いや、酵素って意味ないんじゃね???」
ってなりますよね。
そこで先ほどの「またはこれと同等以上の効力を有する方法」として生み出されたのが、生酵素ってやつです。
「活きてる酵素」
「生の失われていない酵素」
であることを売り文句にした非加熱殺菌の酵素商品ですね。
殺菌方法は高加圧殺菌など色々あるようです(あまり詳しくないです)。
これも結論全く意味無いんですけどね。
あまり意味が無いじゃなくて、全く意味が無いのです。
生酵素も意味が無い!!!!!
この理由も説明していきます。
②酵素は酸に弱い
そうなんです。
熱処理を回避し、何とか変質せずに胃の中に酵素がダイブ出来たとしても、次なる難関が待ち構えているのです。それが胃酸などの体内消化酵素です。
仮に酵素が変質せずとも、酵素は酸に弱いという性質も持っています。
酵素がその状態を保持していたとしても、口に入ると胃酸などの体内酵素で消化分解されてしまうのです。
酵素はタンパク質であるということを冒頭でもお伝えしましたが、酵素は胃酸によってペプチド(アミノ酸が複数個連なったもの)へ分解し、更にアミノ酸へと分解されます。
『健康のため』に同じタンパク質ということであれば、プロテインパウダーやEAA、BCAA等を摂取ほうがよっぽど美容・健康に効果的なのではないかと私は思います。
それに何より酵素商品て何気に高くないですか?
では、「これでも納得できない!」という方もいらっしゃると思いますので(お気持ちはわかります…)、最後の詰めに進みたいと思います。
③酵素はそもそも吸収できない
仮にですよ?胃酸で溶けず、成分をカプセル化・保持したまま、吸収器官である小腸に酵素がまで届けられるような技術があったとしても、やはり小腸内壁、柔毛から体内に酵素のまま吸収されることはありません。
ここでは分子量という小腸が吸収できる分子の大きさの話になります。
人が小腸内壁から吸収することのできる最大のサイズは分子量500da(ダルトン)。最大でも600da程度と言われています。
酵素の種類も様々で、もちろんサイズも異なりますが、少なくとも分子量が1,000da~と大きいため、吸収されることなくウ〇コとして排出されます。
ケ〇の穴にスイカを突っ込もうとしても入りませんよね?
鼻穴に地球儀を突っ込もうとしても入りませんよね?
よく分からない例えになってしまいましたが、無理で無駄ってことです笑
つまり、上記3つの観点を踏まえると、どう頑張ってもどう頑張っても酵素サプリの有効性を得ることは出来ないのです。
~まとめ~
①酵素は熱に弱い。
加熱殺菌を受けていない生酵素なる代物だったとしても、
②酵素は酸に弱い。
そして小腸からも酵素のサイズが大きすぎて、
③吸収できない。
酵素食品自体は、カラダに悪いというお話ではないので(タンパク質なので)、もし今あなたが酵素サプリメントなどを飲んでるとしたら、それは使い切って、次からは買わないようにしましょう。
まあ、メディアって嘘ばっかりですよね。
ではまた ノシ