book #3 「いとしいたべもの」と、スパイスの話。
こ、このメロンパン、美味しそう。外がザクッとしたやつだ。
懐かしいー!とか、食べてみたいなぁとか。食べ物とそれにまつわるエピソードが面白くてあったかい。挿絵の風合いに惹かれて数年前に手に取った。
ひとり暮らしのもの寂しさが相まって、母のカレーライスが恋しくなったり、夜更けのどん兵衛が羨ましくて、「おあげ」の食べ方を真似してみたり。そんな学生時代の自分を思い出しながら、今回はじっくり再読。
食べ物は、思い出がスパイスになってより美味しくなる。
昔の自分を重ねて読むからなのか、今夜の食卓により感謝できる気がする。
...ちなみに、この崎陽軒のシウマイ弁当の醤油入れ「ひょうちゃん」をつい集めてしまう、というドラマだか何かがあったような...?知っている方がいたら、教えてください!
⚪︎words
『たべものの味にはいつも、思い出という薬味がついている…』
『サッポロ一番みそラーメンの湯気をふうふう吹く時、なんだかホッと安心するのは、だからだろうか?』
『調理の過程でたまたまできてしまった一見無駄に見えるその穴が、実はカレーパンをおいしくしていたのかもしれない。…「余白」を大事にする日本人だからこそ、こういうパンが愛されてきたのかもしれない。そう思うと、ぽっかりあいた空洞まで、いとおしい。』
『味も匂いもフェロモンも、極まれば、いいも嫌もわからなくなる…。』