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【レビュー】PENTAX67レンズ用の特殊なマウントアダプターについて


PENTAX67レンズをGFXなどのカメラで使用する際、私は以下のマウントアダプターを使用しています。

・Baveyes Focal Reducer Pentax 67-GFX 0.8x

・Fotodiox Pro Shift Lens Mount Adapter Compatible with Pentax 6x7 Lenses to Nikon F Mount Cameras(+F to EF & EF to GFX)

今回はこれらのマウントアダプターについて紹介します。

※本記事のAmazonへのリンクはアフィリエイトです

Baveyes Focal Reducer

Baveyes Focal Reducer Pentax 67-GFX 0.8x は、GFXで使用されているGマウント向けのフォーカルレデューサー(縮小光学系)付きマウントアダプターです。ようはテレコンの逆です。
装着すると焦点距離が×0.8され、絞り値も伴って明るくなります。以下、公式ページです。

なお、PENTAX67用だけでなく、各中判マウント用も出ているので、お使いのマウントに合わせて選べます。

外観

持つと、見た目より重くて驚きました。

それは内部には巨大なレンズが詰まっているからです。これがフォーカルレデューサー。

各部の作りは良好に思います。
三脚座は六角レンチで外せますが、ネジ穴が露出するのでパーマセルテープなどで隠すとよいかと思います。

メリット

何と言っても、フォーカルレデューサー付きのGマウント向けアダプターとして画質の向上が図れることです。中判用レンズを本来に近い焦点距離、かつ高い画質で使えるようになるのは唯一無二の利点だと思います。

なお、KIPONは過去にも0.7×のアダプターを出しており、落合陽一さんがレビューしています。

しかし、氏も言っているように、締めすぎな感じがします(写真が悪いということではありません)。それが気にならず、レンズをより中判本来の焦点距離に近い形で使用したいのであれば、上記のアダプターがよいでしょう。以下はLマウント用です。

一方で、締めすぎに感じ、いっそう画質を向上させたいのであれば、今回紹介したアダプターがおすすめです。

デメリット

若干オーバーインフ気味で、中にレンズが入っているため内径が小さめです。後者の影響で67のM☆300mm F4 はケラれてしまいました。

また、入手性と価格に難があります。
ほぼ日本で売っていないので基本的には個人輸入に頼ることになります。
しかも、アダプターなのに$968.00と高額です。一般に言うレンズを買えてしまううえ、記事執筆時点では円安だからなおさら。
一応、代理店の新東京物産のページには記載がありますが、価格は示されていません。代理店を通すぶん個人輸入よりは高くなりそうです。

まとめ

高額ですが、唯一無二です。
とてもよく写り、値段分の価値はあると感じました。
中判レンズの写りをデジタルカメラでも見たい方に合っていると思います。

ちなみに、CONTAX 645レンズ向けの電子接点、AF制御付きのアダプターが17万円程度で日本でも取り扱いがあるのでこちらもありかも(レンズが高いですが)。
KIPON公式が$1210.00で、記事執筆時点では普通に日本で買ったほうが関税を加味すると安いという状況……

Fotodiox Pro Lens Mount Shift Adapter

次はシフトアダプターの紹介です。
Fotodiox Pro Lens Mount Shift Adapterは、装着した67レンズをシフトレンズとして使うことができます。シフト量は±15mmで、360°のローテーションも可能です。
以下、公式ページです。

https://fotodioxpro.com/products/p67-nkf-sht

外観

アルミのような素材で仕上げられています。

ボタンを押しながらシフトさせるタイプで、直感的な操作が可能となっています。
一応ロックがかかるのですが、弱く、力を入れてシフトさせると動いてしまいます。

メリット

やはり、イメージサークルの広いPENTAX67レンズでシフト撮影が可能になることが最大のメリットです。
もちろん、シフトさせなければ通常のマウントアダプターとしても使え、表現の幅を広げてくれます。
また、三脚座がレンズ側についています。これが購入の決め手になりました。

この三脚座を使用することで、レンズを固定してのシフトスティッチが可能になります。
カメラの三脚座を使用して行うよりも視差が少なく、画像を組み合わせる際に画質のロスが少なくて済みます。
ただし、実際にはボタン式のシフト操作でわずかにずれてしまうため、相当頑丈な三脚と繊細な撮影技術がないと難しいでしょう。

デメリット

シフト機能がついている分、剛性が普通のマウントアダプターよりも低いです。特に私はFマウント→EFマウント→Gマウントと変換して使用しているため、それなりにぐらつきます。

また、入射光の角度によっては内面反射(?)によって画面中央部分に靄がかかったような写真になることがあります。
これらはマウントアダプターを重ねすぎていることにも起因している可能性がありますが、アダプター自体に内面反射防止の加工は特にされていないので、両面の理由によるものかもしれません。

デメリットへの対処法としては、ぐらつきはどうしようもないものの、内面反射についてはフードを使うこと、または手フードによって軽減できます(全てではありません)。

なお、smc PENTAX67 シフト75mm F4.5は、レンズのシフト機能を使用した際にアダプター部分でケラれているようでした。

それから、冬場や気温の低い環境では、グリスが固くなり、シフト操作がスムーズにしづらくなります。もっとも、これは多くのシフトアダプターが抱えるデメリットです。

その他、フォーカスはオーバーインフです。ただしこれはSHOTENのAFアダプターを使用した上に本アダプターを付けているので正確な評価ではないかもしれません。

まとめ

イメージサークルの広いPENTAX67レンズでは、シフトによる画質劣化が少なく、大幅なシフトが可能なため、通常のシフトレンズでは撮れない写真が撮れます。上記に示したようなデメリットもあるものの、様々な条件に合わせて柔軟にシフトできることが表現に寄与すると思っています。

なお、PENTAX67レンズのシフトアダプターは、記事執筆時点ではKIPONやFotodioxが新品を販売しています。

それぞれシフト量やティルト機能の有無、シフトスティッチが可能か(三脚座がレンズ側にあるか)など違いがあるので、撮りたい写真に合わせて選ぶのがよいでしょう。

他にない表現を求めて

今回はPENTAX67用のマウントアダプター2種を、メリットやデメリットとともに紹介しました。
本記事をご覧になった方は、おそらく通常のレンズにはできない表現を求めて67レンズやアダプターに興味を持たれたのかと思いますが、これらはそれにしっかりと応えてくれるはずです。

なお、当noteの67レンズのレビュー記事でも使用しています。参考になれば幸いです。

参考資料

最後に参考資料を示します。
以下のサイトでは、PENTAX67レンズまたはアダプターに関して、詳細かつ体系的にまとめられています。

特に67レンズレビューについて、これほど詳細に行っているサイトは見たことがありません。国内はもちろん、海外でも少ないのではないでしょうか。

私もよく参考にしています。ありがとうございます。

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