【レビュー】型落ち、されど唯一無二。その魅力。 続・GFX50Sを2021年から使って思ったこと
はじめに
GFX50Sは、2017年2月28日に富士フイルムから発売されたレンズ交換式ミラーレスデジタルカメラです。
44*33mmのフルサイズよりも大きいイメージセンサーを備え、その圧倒的な高画質が特徴となっています。
私は本カメラを2021年に購入しました。本記事では、その機能に触れつつ、外観や撮影した写真、おすすめのレンズを紹介します。
GFX50Sは以下の記事でレビュー済みですが、後継機が登場した今でも選ぶ理由があると思い、改めてレビューいたします。
本記事がGFX50Sを検討されている方、使われている方の参考になりましたら幸いです。
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外観
以下に外観の写真を示します。
本体のサイズはミラーレスとしては大きく、920gとそれなりの重さがあるものの、一眼レフをお使いの方ならすんなり受け入れられるはず。
外装は初代だけあって高級感をたたえており、その質感はGFXシリーズでもっとも良いと感じます。
わたしはGFX100Sも使用していますが、そちらよりもよいのは明らか。
特筆すべきは、ファインダーが取り外せることでしょうか。
いや、Hasselblad 500CMと似た吊り金具でしょうか。
はたまた、後ろにせり出したボディでしょうか。
いずれにせよこの特徴的な外観は、「新フォーマットを立ち上げる」という並々ならぬ気合が入っていることを裏付けています。
上部には現代的な肩液晶を備えつつ、クラシカルなダイヤルをもファインダーの両脇にもちます。
そして不思議なことに、本カメラの梨地(本体の塗装)にはほとんど傷が付きません。
これもカメラのソリッドな印象を強めています。
ところで、GFXシリーズで唯一、初代から現行機種まで変わらない点があるのをご存知でしょうか。
それは、3.2インチの背面液晶です。
タッチスクリーン、3軸チルトであらゆるシーンに対応するこの画面は、初代から完成されていた……ということなのでしょう。
ファインダーレス形態
先述のとおり、本カメラはファインダーが取り外せます。
すると、このとおり。
少しだけ小さくなりました。なお、このときの重量は825gです。
少しだけ、ではあるものの、バッグにしまう際はこれが効いてきます。
高さが減り、上面がフラットになったことで、インナーケースなどへ収納しやすくなるためです。
果たせるかな、わたしはこの姿も好きです。
他にこんなカメラはありませんから。
以前、京都で本カメラにティルトシフトレンズを付けて撮影していたら、近くの写真部と思しき学生さんがじっと見ていました。
その方とは、どうも気が合いそうですね。
EVF-TL1
EVF-TL1とは、本カメラのファインダーをチルトさせるアクセサリーのこと。
わたしがもっとも好きな周辺機器です。GFXの理念を体現しているとさえ思います。
VG-GFX1
VG-GFX1はGFX50S専用の縦位置グリップです。
縦位置にしてもシャッターボタンとマウントの距離が変わらないのは大変使いやすいです。
他メーカーではSONYのα99などの縦位置グリップがこのタイプですが、他のカメラであまり採用されないのはなぜ……?
希望小売価格は87,000円。
現在の価格で手に入る縦位置グリップの質感として、これ以上のものはないでしょう。
全部盛りのGFX50Sを背面から。
この外観、往年の中判デジタルカメラを彷彿とさせませんか。
わたしはかなり好きなのですが、少数派のようです。でも、そうであっても良いものだと思います。
デメリットと対策
型落ち機種となったGFX50Sを選ぶことで感じたデメリットとその対策を記載します。
バッテリー(NP-T125)販売終了
GFX50S、50R、100に対応するバッテリー「NP-T125」は、2023年6月に突如として販売終了してしまいました。これには困りました。
しかし、2024年7月頃にHahnel(ヘーネル)から互換バッテリーが登場しました。
以下、輸入代理店のアガイ商事のリンクです(非アフィリエイト)。
本家ページはこちら。
ヨドバシカメラでも取り扱いがありました。
https://www.yodobashi.com/product/100000001008722358/
Hahnelは業界の知名度もあり、これまでもカメラバッテリーを販売してきた実績から安心感があります。
純正バッテリーの実売価格とあまり変わりませんが、容量が1,250mAhから1,370mAhに増えており、より多くの写真を撮影できそうです。
何より、GFX50Sを末永く使えるようになるのはうれしい!
他ECサイトやフリマアプリでよく分からないバッテリーを買うよりずっとよいはずです。
というか、出してくれてありがとう……
なお、GFX50SはUSB給電ができません。
が、縦位置グリップ VG-GFX1とACパワーアダプター AC-15Vの使用でAC直結充電(給電)が可能となり、テザー撮影にも好適。
2つのバッテリーをわずか2時間で満充電できることから、充電を忘れていたときなどにもよいかも。
フィルムシミュレーションが少ない
アップデートで追加された色は入っていません。
クラシッククロームや、リアラエースなどを使いたい方は後継機を選ばれるとよいでしょう。
その他、明瞭度の設定やカラークローム・ブルーなども非搭載となります。
手ブレ補正がない
一般的にはこれが大きいでしょうか。
対策はありません。強いて言えば、気合と根性です。
ただ、手ブレ補正がないことで以下のようなメリットもあります。
・振動に強い(車載やキャリーケースも懸念なく使える)
・レンズのイメージサークルをそのまま使える(手ブレ補正が働くとより隅のほうを使う可能性があり画質劣化を招く)
とはいえ、夜などあった方がよいシーンもあるためデメリットとしました。三脚がいつもあるわけではないですからね。
おすすめのレンズと撮影した写真
撮影した写真を以下に示します。画質の参考になれば幸いです。
SMC PENTAX 67 105mm F2.4
中判デジタルの魅力とは何でしょうか。
ボケや解像力?それとも階調?
わたしが思うに、近〜中距離での立体感が魅力のひとつ。
上記は、PENTAX67の105mm F2.4に、KIPONのフォーカルレデューサーを装着して撮影したもの。
わたしがGFXでもっとも使用しているレンズであり、単焦点らしからぬ懐の広さをもっています。そこが気に入っています。
MFも慣れれば身体の一部のようなもの。
何かを印象的に残したいとき、わたしは本レンズを選びます。
SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art
次はSIGMA Artの最高峰を。
本レンズは、GFXで使用すると換算おおよそ80mm程度の焦点距離となります。
圧倒的な解像力となぜか両立する美しいボケ。そこにGFXの階調表現が加われば、まさに鬼に金棒。
世界が違って見える一本と言っても過言ではないでしょう。
Canon EF 40mm F2.8 STM
今までのレンズは大きすぎる?
では、Canonのパンケーキレンズをデザートに。
その見た目に反して、描写は甘くありません。
中心の解像力が高いのは勿論、絞れば風景までこなす。
AFも効き、重量は僅か130g、中古価格が1.5万円程度である……
わたしはこの換算約32mmのレンズを必ず旅行に持っていきます。上記からその理由がよく分かっていただけるのではないでしょうか。
その他、ティルトシフトレンズやズームマイクロニッコールなど紹介したいレンズは多数あります。
詳細につきましては、以下をご覧いただけますと幸いです。
おわりに
本記事では、富士フィルムのGFX50Sを、外観や実際に撮影した写真、おすすめのレンズとともに紹介しました。
2017年の発売から時間が経ち、純正バッテリーが販売終了し、手ブレ補正や一部のフィルムシミュレーションがないGFX50Sを、あえて使う理由とは?
それは「撮っていて楽しい」から。
先述の通り、きわめて良好な質感を持ち、ファインダーが外せるなどはGFXにおいてフラッグシップ機の証。
画質は良好で、5,000万画素もあればまず十分。型落ちのため価格は現行モデルと比較して高くありません。
それでも最近になって中古価格が上昇しつつあるのは、再評価の流れからでしょうか。
写真撮影の官能性を重視される方や、ガジェット的な楽しさを求める方には特に勧められます。
信頼できるサプライヤーからバッテリーが発売された今、それを止める理由はありません。
さあ、GFX50Sで世界の外側を見に行きませんか。
(おしまい)
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