『変わりゆく世界の果て』

パノラマって？

とても広い世界

車が絶え間なく行き来

交差点のど真ん中

中央分離帯ちゅうおうぶんりたいの敷石しきいしの上

ずんと、突っ立って撮る景色

周囲180° 舐なめるように

パノラマビューイング

深く考えること、臆おくすることもなく

心を、解放するかのように

視界を、両手いっぱい広げて

変わってしまった景色

変わりゆく景色を、確かめるように

真ん中に立って、眺めている

有名な写真家なのか、記者なのか

奇奇怪怪ききかいかいな入り口に、案内されたように

同じように、ビューイング

しばらく、時が止まったように

車の行き来も止まり、景色だけが

時の経過と共に、流れては消え

気がつくと、すっかり夕闇に覆われて

自分の姿も、見えないぐらい

暗闇の中に、一人ひっそりと佇たたずんでいた

心の扉を開いて見た景色

パノラマの世界

長い間、ずっと見続けていた

変わりゆく世界