「プリティなリーグ」
車窓から見える、白いライトに浮かぶ上がるグラウンド。
野球少年の姿までは見えないが、白いライトが照らされて
昼間のような空間で、野球をする風景を想像した。
そう言えば、遠い昔の話になるが、終業終わりにナイターで
営業チームと企画チームに分かれて、交流試合をやった。
終わった後は、皆で、カンパイラガーが待っていた。
交流試合は、普段交流していないからやるのだろうか?!
いや、そんなことは無かった。普段から交流していたが、
仕事以外の交流は、一切なかった気がする。
だから、野球が出来なくても、空振り三振でも参加して、
みんなに笑顔を振り撒いていた。
老若男女が、入り混じった交流試合だったから、
ピッチャーも手加減して投げていた、女子や先輩方には、
ゆるゆるの球を投げて、バントで当ててもらう。
それが態とらしくなく、思いやりに満ち溢れていて、
とても楽しかったような気がする。
遠くに見える白いナイターの明かりが、懐かしい思い出を
呼び覚ましてくれた。
あの時の仲間、あの時のメンバーは、今は元気なのだろうか?
忙しい忙しいと言いながら、いやいや仕方なしに参加した者も
少し汗を流すと、和かな笑顔になっていく、魔法のような空間。
やはり参加することに意味がある、協調性や一体感が翌日には
増し増しで、感じられるようになっていた。
効果の持続力は、一過性かも知れないが、それで良かったのかな。
「あっ! 怪我しないように、今回のイベント、保険入ってないから」
「えっ!あっ、はい!!」
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