『半分だけ笑って』

半分笑っている

うねっている波に映されて

歪みながらも半分だけ笑みを浮かべ

歩幅に合わせてどこまでも

ついて来ようとして

横目で見ながら存在を確認し

まだ笑っている安心感を

はすに構え眺め

消えゆく雲の影に隠れよう

隠れまいとする月の所作

残りの半分はどんな気持ちなのか

真実を知る由もなく

ついて来る月の姿を信じて

行き着く先がどこなのか露知らず

どこまでも信じて

あなたの胸を借りて

波を穏やかにしようとする

どこまでも真摯に

いつまでも

半分だけ笑っている月