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鉛の海

海が発光していた。
真っ直ぐ伸びるその道を、
目に焼きつくその線上を、
踵を鳴らして歩きたかった。
輝く海は磨かれていた。
体が水面に浮かんでいる。
荒波に心が呑まれていく。
重たい思考を抱いている。
血液は廃油に、内臓はコンクリートに、
中心には鉄骨がたっている。
この身体なら海に沈むだろう。

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