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最速レビュー: 劇場版コナン『100万ドルの五稜星』鑑賞後の疑問とその回答 & 『まじっく快斗』を読むのを強くオススメするだけの記事(ネタバレあり)

 最速上映観てきました。タイトルのとおりの記事です。ネタバレがあるのでご注意ください。
 おそらく、コナン映画史上もっともネタバレを避けて視聴して欲しい作品なので、あなたがコナンファンであるのであれば、ぜひ最後までご覧になってからこのレビューをご覧ください。
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川添刑事の正体は結局誰?

 以下のことから、黒羽盗一だと思われます。

  1. そもそも川添刑事が宝にまつわる事情に異様に詳しかったこと

  2. コナンのピンチを救った銃さばき

  3. 川添刑事に化けた高い変装技術

  4. 変装を解いたラストシーンにおいて、その出立と顔、たくわえた髭が、『まじっく快斗』に登場する黒羽盗一と瓜二つ

 黒羽盗一は、今の怪盗キッドである黒羽快斗の父親であり、先代の怪盗キッドです。『まじっく快斗』の作中において8年前に謎の事故死(他殺であることが濃厚)をとげたとされていました。その亡き父の死因を探ることこそ、怪盗キッドの目的の一つでもあります。


工藤優作が言っていた「生き別れの兄」って?

 以下のことから、黒羽盗一だと思われます。

  1. 作中で盗まれていた星稜刀を工藤優作へ送っていたこと

  2. その兄からと思われるナイトバロン新作への感想のメールの署名がT.K (TOICH KUROBA)であること

  3. 妻の工藤有希子に対して優作が「(彼については)君の方が詳しい」と言っていたこと(有希子は、ベルモット=シャロン・ヴィンヤードともに黒羽盗一から変装術を教えてもらっていることが原作の中で明言されています)


え? じゃあ工藤新一と怪盗キッドは・・・?

 従兄弟になります。これまで、江戸川コナン=工藤新一と怪盗キッド=黒羽快斗の顔かたちや声がそっくりなことは、たびたび原作や劇場版などでも取り上げられてきました。しかしこれはいわば「お遊び」で、メタ的には単に「原作者の青山先生の複数作品に共通する主人公顔(例えば『4番サード』とかの主人公も同系統の顔ですし)」というだけの理由、という解釈が一般的だったかと思います。

 しかし、今回そこに「血縁関係がある」という理由づけがなされた形となり、『まじっく快斗』が1987年にはじまってから実に37年来の新事実が明かされた形となりました。本作の宣伝では「ついに明かされる、 "キッドの真実" 」と銘はうっていましたが、まさかマジの新事実だとは。


黒羽盗一、なんか黒かったけどなんで?

 あれは黒羽盗一の「怪盗コルボー」としてのコスチュームかと思われます。
 「怪盗コルボー」は『まじっく快斗』に登場したキャラクターで、「黒羽盗一の弟弟子」を名乗った怪盗です。その姿は、黒いということ以外はまるで怪盗キッドと瓜二つという出立ちで、その怪盗としてのスキルも黒羽快斗と同等以上として描写されていました。その正体は、作中で明言されませんでしたが、以下の描写から「もしかして黒羽盗一ではないか?」という解釈が可能なキャラクターになっていました。

  1. 現怪盗キッドである黒羽快斗と同等かそれ以上の怪盗としてのスキルをもつこと

  2. コルボーはフランス語でカラス(=の鳥)を意味すること

  3. 「黒羽盗一の弟弟子」を名乗るも、かつて盗一に仕えていた怪盗キッドの側近である寺井(じい)曰く「黒羽盗一には弟弟子はいない」ということ

  4. 黒羽盗一の妻=黒羽快斗の母である黒羽千影(ちかげ)=怪盗淑女(ファントムレディ)と親密な関係であることが示唆されていること

  5. 黒羽盗一の顔に変装して」作中に登場していたこと(変装といいつつも、本当の顔の可能性がある)


最後、黒羽盗一が少し声を漏らしてたけど、声優は誰?

 赤井秀一の声優もつとめている、池田秀一さんです。実はエンドロールをちゃんと観ると(今回は赤井秀一が出ていないのにも関わらず)池田さんのお名前がちゃんとクレジットされているのに気づかれると思います。


もっと黒羽盗一のことが知りたい!

 ぜひ『まじっく快斗』を読みましょう!
 例えば「怪盗コルボー」のエピソードは、単行本5巻収録の"真夜中の烏(ミッドナイト・クロウ)"で読むことができます。

 『まじっく快斗』は1987年に連載開始された、1994年連載開始の『名探偵コナン』よりも昔の作品です(しかしコナン連載後も不定期連載を続けており、まだ未完)。
 青山先生の作品としては初期の作品でありながら、現在の『名探偵コナン』に通じるテーマ(構成要素)をみてとることができ、非常に完成度の高いものです。
 具体的には、「謎」を解決するスリル(コナンでは謎に当たるのは「難解な事件」だが、まじっく快斗では「いかに宝をいただくか」)、ラブコメ要素(『100万ドルの五稜星』でも登場した中森青子との恋愛一歩手前のあれこれ、今日で考えると明確なセクハラ描写も含まれるが)、そして謎の組織との対決(コナンの「黒の組織」に当たるような組織が存在し、それらは黒羽盗一の「事故死」に関連しており、またこの組織も「黒の組織」と同様、不老不死に関わる野望を悲願としている)などがあります。

 2024年4月12日現在、いくつかのサイトで1巻無料公開しているらしいので、よろしければどうぞ!(ただの布教です)

(文:イツキ)

追伸

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また前作『黒鉄のサブマリン』の感想はこちらをご覧ください(こっちの方がめちゃくちゃ熱を入れて書いてます)

劇場版コナン『黒鉄の魚影』最速10,000字レビュー - 灰原哀が抗ってきたものとコナンの魅力について
https://note.com/playhub_cho/n/na4c94db1f184


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