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第8回 知財でポンのゲームデザイン5

ゲームバランスやワクワク感など

今回は知財でポンのゲームバランスやワクワク感を中心に書き出してみます。

ゲームデザインを担当した時、「ワークショップの道具としてだけでなく、ゲーム単品としても楽しめるように」と力を入れたはずなのですが、無意識化で『ワークショップより』なバランスになっていたようです。

2回目で成功するゲームバランス

ゲーム自体は初回のプレーでは、普通にプレーするといわゆる【痛い目】に会い、ギリギリなところで失敗するようなゲームバランスです。そして1回目の失敗を振り返り 反省することで、2回目がぎりぎり成功できるバランスです。

ワークショップでは、このことは非常に大きな意味を持ちます。

1回目の失敗で、「知財の活用」の気づきを生み出します。それは「ただただプレーしても成功しませんよ」という状況の中で、より鮮明に必要なことや考え方をプレーヤーに残します。そしてそれを踏まえて2回目に成功できる。その時に「知財の活用の本質」を体感することができる。

ワークショップとして開催するにはこの上ないメソッドとしてのゲームであり、ゲーミフィケーションとしてはこの上のないゲームバランスです。 

ただこれがゲーム単品としてのゲームバランスとして最適かというと・・・。

学生の辛辣なる意見

某学校の学生に「このゲームの改善点を見つけ出し、改善しなさい」なる演習がありました。取り上げてもらえるのは光栄ですが、正直、複雑な気持ち。

ちなみに、このゲームはそんなことに対応できるゲームではないのであります。何といっても「改善点を見つける」前提なので、楽しむ気持ち以上に改善点をあぶりだす気満々で悪意をもってプレーされてるよなぁと・・・。
※その場では言わなかったけど(^^;

そして学生から出た改善点と改善案は、ほぉ~と目からウロコのものも、自分の価値観から離れ切れていないなぁ・調査不足だなぁと感じるものもあり、辛辣ながら本質を突いた意見もありました。

その意見を見ている限り、2回目で成功するゲームバランスはハードルが高いようでした。ゲーム単品では 最初にするゲームレベルでは失敗でなく成功、次にやるゲームレベルではやや難しいが重要なのであります。

『初回はやさしく、2回目以降難しく』と文章で書けば、ゲームとして当然の理屈ですが、今回はワークショップ用のゲームバランスを優先していた結果、この理屈を守れなかったのです。

これは単品ゲームとしてはハードルが高くなってしまい、正直、痛手です。

ちなみにトラブルカードを1枚少なくして行うとぎりぎり行けるゲームになるので、途端に評価が明るくなりました。
※この記事を読んだ人でゲームとして楽しみたい人は、ぜひ1枚抜いてやってみてください。

めっちゃ楽しかった組とつまらない組が生まれる

このゲームの感想は、【楽しかった】と【つまらなかった】に二分します。
楽しかった組は『めっちゃ楽しかった』と感想があり、つまらなかった組は「そんなに面白くない」と感想があります。

2つの感想それぞれで、共通していること・・・それは参加グループの様子。楽しいと答えた人は、プレイ中、ワイワイガヤガヤしたグループで、
つまらないと答えた人はプレイ中、静かにプレーしていたグループでした。

ワークショップでは、意見交換が消極的なグループに対しては介入することができますが、ゲーム単品お買い上げの方に意見交換を促すファシリテーターはいないので、そうした【つまらなかった】グループも一定数生み出してしまうのだと考えられます。

何がゲームをつまらなくしているか

みなさんにゲーム単品でも楽しんでもらえるように、「つまらなかった」との感想を減らしたい。と思っている時にノートに良記事を発見。

これを参考に、つまらないグループに何が起きていたのか推測してみると、
絵をつなぐというルールに縛られすぎて、絵をつなぐだけの「作業ゲーム」になっているのではないか、と考えています。

絵をつなぐだけなら、絵の有り無ししか意見交換が行われず、途中もワクワク感がなく、成功しても失敗してもそんなに心が動かない。

非常に分かりやすい構図です。

このゲームのワクワク感・・・『次を考える』

そんなプレーヤーたちに声高らかに宣言したい。

このゲームは『次を考える』ゲーム」なのだと。

ただ繋げれば良いのではなく、次を考えることが、このゲームの肝です。

【ホゴ】するのか【ハッシン】するのかの選択だけでなく、ハッシンする時にそのカードで良いのか、次の絵柄はそれで良いのか。ホゴするときも、どのカードをホゴするのか、どちらのプレーヤーがホゴするのかで状況は大きく変わります。

そして迷うので、みんなで相談。ワイワイガヤガヤ、自分たちの意思の通りに状況を作り出すことの楽しさが、そのままゲームの楽しさになります。

もう一歩踏み込んで書き込むと、それはやがて大企業が有する法務部の「戦略的知的財産権の活用」にも通じますし、作者へのリスペクトの大切さという知的財産権の根本や、小さな表現の発信でも安全に拡げていく術も見出すことになります。

その楽しさはワクワク感になり、ワイワイガヤガヤにつながります。

このゲームをつまらないと感じる人を0にしたいと心から思う、今日この頃です。

ちなみに知財でポン オフィシャルHPは こちら

https://chizai.goodjobcenter.com/

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