看護師の私だから作れる場所がある、「働きたい気持ち」や「働く」を実現していく
PLAST 看護師/サービス管理責任者 藤田祥代。
転職したきっかけ、看護師だからできること、これからの展望をお聞きしました。(Backnumber:2021.12.3 記)
医療ケアが必要な小児を在宅へと送り出すなかで生じた疑問
私は某大学病院の周産期母子センターのNICU(新生児集中治療室)に入職し看護師としてのキャリアをスタートさせました。6年勤務した後に第一子出産のため休職し、復帰したのは外来でした。そこで2年間は歯科口腔外科・内科・皮膚科・輸血部等を経験し、第二子出産のため再び休職しました。そして復帰の時に「やはりもう一度NICUで働きたい!」希望して病棟へ戻り、4年間勤務しました。
その頃から育児と仕事のバランスや今後の看護師としてのキャリアを考えるようになり、地域で小児在宅診療をされている医師のクリニックへと転職することとしました。なぜ小児在宅診療の小児科を選んだかというと、NICU勤務時代に多くの医療ケアが必要な小児を在宅へと送り出す中で「この子たちはお家に帰ってどんな生活をするのだろう?」といつも心のどこかにあったからでした。
クリニックでは地域で生活する小児在宅医療を必要とする多くの家族と出会いそのご家族の気の抜けない日々を知りました。「小児在宅ってまだまだ利用できるサービスが少ないし、ご家族の負担が大きい重症児になるほどその少ないサービスですら利用しにくいなんて!」とすごく理不尽さを感じるようになりました。
そんな時、看護師時代の同期から「小児在宅医療に興味があるなら行ってみたら?ヒミツキチ(放課後デイサービス)っていう重症心身障害児のデイサービスがスターティングスタッフを募集しているよ」と紹介を受けました。
それがきっかけでPLASTにパートタイム看護師として入職しました。当時の私は、まだ病院でのキャリアを積みたいという思いがあり、それから約2年間はクリニックとヒミツキチのダブルワークという形で勤務しました。
看護師の私が常勤で居たら、働けるのではないか
現在は久遠チョコレート神戸(就労継続支援B型)でサービス管理責任者として働いています。
サービス管理責任者とは、障害者総合支援法に基づき「障害福祉サービス」を提供している事業所ごとに配置を義務付けられた責任者です。サービス内容とそのサービス提供手順を明確にして利用者様についての情報を管理し、個別支援計画書を作成、その個別支援計画書をもとに行われるサービスを定期的に評価・見直しをする。さらに施設の利用開始から利用者様と関わり、利用者様が自立した日常生活や社会生活をおくれるようサービス全体を通してトータルサポートをすることが主な役割になります。
サービス管理責任者として正社員で働くことを決めたのは、ヒミツキチでの障害児との関わりが大きかったです。「この子たちの支援学校高等部卒業後の進路やその後の社会活動もまたとても選択肢が少ない」「できる動作があるのに医療ケアが必要な為に就労継続支援B型は利用できない」などということを知り、「全ては解決できないけれど、医療ケアが必要で就労継続支援B型が利用できないなら、看護師の私が常勤でいたら受け入れることができるのではないか?」と考えるようになっていったのです。
ちなみに、ずっと医療職で働いてきた私にはサービス管理責任者がどんな仕事内容なのか分からなかったのですが、当時の私は「資格を取得出来たら分かるかな?」と軽い気持ちで挑戦してみることにしました。前職のクリニックの医師が背中を押してくれて、サポートまでしてくれたので、感謝しかありません。
現実はいろいろな制度の決まりがありそんなに簡単なことではありませんが、今は多様な障害を持った方々と彩り豊かな楽しい毎日を過ごしています。利用者様のお仕事をするきっかけを育てる場として安心できる居心地のいい環境を久遠チョコレート神戸のスタッフ、利用者様みんなで作っていけたらと思っています。
嬉しいことも悲しいことも一緒に感じることのできる距離の近さ
私のなかには、大きな軸として「小児」というワードがあります。
NICUで出会った小児が成長し、家庭に帰り、地域で生活し、学校に行き、社会に出る…というストーリーのなかに私は自分のキャリアの選択をリンクさせています。いつかNICUで出生時に出会った、その時に患者さんとして担当した児と一緒に働くことができたらそんなに嬉しいことはないなと思います。なかなか事業所の数も多いので難しいとは思いますが、叶うといいなと願っています。
今の久遠チョコレート神戸だと、社会で働くことが難しかった皆さんの「働きたい気持ち」や「働く」が実現していく様子を一番近くで見せていただくことが出来ます。嬉しいことも少し悲しいことも一緒に感じることのできる距離の近さは、当事業所の特徴ではないかと思います。社会参加という目標に共に向かっていける楽しみがありますね。
久遠チョコレート神戸をさらにより良い就労支援の場に
久遠チョコレート神戸は4年目を迎えました。
今後の目標としては利用者さん個々のお仕事に向き合う姿勢やコミュニケーションスキルなどをもっと安定したものとして定着し、そのうえで就労としてのステップアップを実現したいと考えています。また、利用者工賃のアップも目標です。就労継続支援での個々の頑張りや技能スキルを久遠チョコレート神戸独自のキャリアラダーを用いて正当に評価できるようなシステム作りをしていきます。
家族を愛し大切にし、自分磨きにも力を入れる過ごし方を
私は現在、中学生男子と小学生女子の2児の母です。これまでずっと仕事を続けてきて、いつも感じることは「育児や家事を疎かにしていないか」ということです。
働く母親なら皆さんきっと不安に感じていらっしゃる方も多いのではないかと思いますし、そこが不安でフルタイム勤務に踏み切れない方も多いと思います。私自身が好きな仕事に向き合うことができるのは、夫や子どもたちが私の仕事を一番理解して応援してくれているからだということに間違いないので、一番は家族を愛し、大切にすることです。
あとは、それなりの年齢になってきたので自分磨きの時間も確保していきたいです。家庭と仕事だけでいっぱいいっぱいにならずに過ごしていきたいですね。
資格や職業にとらわれず自分の可能性を広げることができる会社
PLASTはこれから様々な姿を見せてくれる魅力的会社だと思います。今の資格や職業にとらわれず自分の可能性を広げることができると思うので、ぜひ一度挑戦してみてください。
若い方も経験年数のある方もきっと新しい自分を見つけることができると思います!
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