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枠組みを超えて地域に根差した理学療法士として活躍するために

株式会社PLASTの福祉用具貸与事業所「フィジオデザイン」にて働く理学療法士/福祉用具専門相談員の徳原勇太さん。回復期リハビリテーション病棟での勤務を経て、株式会社PLASTのプラスト新長田からフィジオデザインへ異動されました。まだまだ少ない福祉用具専門相談員として働く理学療法士。今回、転職や異動の経緯、福祉用具専門相談員としての働き方、これから取り組みたいことについてお聞きしました。

徳原勇太(フィジオデザイン)
理学療法士免許取得後、回復期リハビリテーション病院で経験を積み、2018年より株式会社PLASTにて勤務。転職当初はプラスト新長田での勤務を経験しながらリハビリモンスター神戸の立ち上げにも関わり、現在フィジオデザインで勤務。最近ハマっていることはネットショッピング。

商店街で声をかけてもらえる理学療法士になるために

ープラストに入職された経緯を教えてください。

僕は新卒で理学療法士として回復期病院に勤め、自己研鑽として外部セミナーにも参加していました。プラストを知ったきっかけは、当時頻繁に行われていた「プラスト・ナイトセミナー」をフェイスブックで見つけたことです。継続的に参加するようになり、飲み会にも呼んでもらうような関係になりました。そんななかで、入職して3年目のときに転職を決心しました。

ープラストにはどのような点を魅力と感じたのでしょうか。

やはり、地域に密着して事業を行っている点です。僕は転職以前から、商店街を家族と歩いている時に利用者さんから声かけてもらえるような理学療法士になりたいと思っていました。ここなら、それが実現できるのではと感じたんです。

ー徳原さんが商店街で利用者さんから声をかけられていることはよく見かけます、実現しているのではないでしょうか。

ありがとうございます、そうなっていれば嬉しいですね。

ー話は少し戻りますが、転職して最初はデイサービス「プラスト新長田」に配属されていましたよね。転職してすぐは病院とも環境が違いますし、大変だったのではないでしょうか。

そうですね。意外かもしれませんが、業務のなかで何よりも送迎を覚えることが大変でした。プラスト新長田は送迎を午前だけで10人くらい行わなければなりません。しかも、毎日違う人が利用し、送迎ルートも日によって違います。全てを覚えるので頭がパンクしていました。

ー初めての送迎はみんなが大変さを感じるところですよね。利用者さんとの関わりなどはどうしたか?

在宅だと「あなたのこと嫌いだから」となってしまえば、利用そのものが終了してしまうことがあります。スタッフとの関係だけではなく利用者さん同士のトラブルでもそのようになってしまいます。人間関係をどのように構築していくのか、ということに難しさも面白さも感じていました。

ーやはり環境の違うなかで難しさも面白さもありますよね。また、入職した頃は「リハビリモンスター神戸」の立ち上げにも関わっていたと聞いています。

そうなんです、プラスト新長田で働きながら掛け持ちで立ち上げを手伝っていました。「徳原、考えてみて~!」と、業務を組み立てながら、利用者さんにどうすればいいサービスを提供できるのかを考えさせていただいていました。転職してすぐに慣れない業務ばかりでしたが、振り返ると貴重な経験をさせてもらったと感じますね。

福祉用具専門相談員として、福祉用具専門相談員にとどまらず

ー現在は福祉用具貸与事業所「フィジオデザイン」で働かれていますよね。どういう経緯で異動になったのでしょうか。

社長から「フィジオデザインに行かへんか?」と言われて、「あ、分かりました、行きます」って言って、異動になりました(笑)。車イスのフィッティングを考えることは好きでしたし、前職の病院では福祉用具について勉強することもあったので、「どうにかなるか〜」という感じでしたね。

ー福祉用具貸与事業所では、どのような働き方をしているのでしょうか。

営業/利用者対応/区役所対応に大きく分かれると思っています。福祉用具専門相談員はケアマネジャーさんから個別に利用者さんに関する相談や依頼を受けることがほとんどです。なので、ケアマネジャーさんに知ってもらう、利用してもらうために営業が必須となります。その先に福祉用具を貸し出したり販売をする、利用者対応があります。また、福祉用具は書類業務が多いため、区役所へ申請書類を出しにいったりすることが頻繁で、その対応も大切な業務となっています。

ー利用者対応以外の業務も大事な柱になることは特徴的ですね。福祉用具貸与事業所はたくさんあるなかで勝ち残るために差別化が必要だと聞きますが、徳原さんはどのようなことを意識されながら働かれていますか?

「ケアマネジャーの時間をいかに削減するか」を意識しています。「しょうもない報告だったら時間を取らせないで…」と思っているケアマネジャーさんは多いと思っています。具体的に、「報告は最低限に留める。シンプルに分かりやすくする。」という二点をを徹底しています。他には、ケアプランを立案するための情報を提供することを目的として、「利用者情報、身体機能、目標設定を明確にする。」といったことを実践しています。

ーケアプラン立案の視点も持っているのですね。そのとき、理学療法士としての目線はやはり重要なのでしょうか。

そうですね。常にケアマネジャーの視点を意識しながらも、理学療法士としての視点は大切にしています。単純に車イスや歩行器をお貸しするのではなく、「年内に家族と旅行に行けるために車イスを使いましょう。そのためにデイサービスにも行きましょう。」と、その人の生活全体を考えています。

ー積極的に意見を出されているのですね。

利用者さんが介護保険を取りました、ケアマネジャーがケアプランを立案する、関連職種はそれに追随する…こういった流れが一般的ですよね。でも、僕はケアプランの立案から一緒に入っていきます。「この福祉用具導入すればこうなると思います」だけを言うのが普通の福祉用具専門相談員だと思うのですが、「この利用者さんの目標はこれです」「このためにデイサービスも検討してみた方がいいです」ということもお伝えしています。

ー福祉用具専門相談員としてだけでなく、病院勤務やデイサービス勤務の経験が活きているように感じます。

福祉用具専門相談員としてしか働いていなかったら、今のような働き方は出来なかったと思いますね。ただ、基本的なところは「聞く・話す・提案する・伝える」という技術で、理学療法に限ったものではないと考えています。

より地域に根差した存在として、枠組みを超えて

ーこれから、どのようなことに取り組みたいですか。

ひとつめは、理学療法士としての働き方として「モデル」を作り、このモデルを新長田から発信していきたいと考えています。(以下、新長田モデルと呼称)先ほども話したように、理学療法士がケアマネジャーと一緒に仕事をする…ということを当たり前にしたいです。プラストでは「かかりつけ理学療法士」と呼んでいますが、その形のひとつを作り上げていきたいですね。

ー徳原さんのようにケアマネジャーと関わりを持てると、とても理想的だと思います。どうすれば実現できるでしょうか。

理学療法士が柔軟な動きを出来るようになることが第一歩だと考えています。

理学療法士が病院やデイといった既存の働き方に縛られなくなってきていると思うのですが、まだまだだと感じます。福祉用具専門相談員として働くようになってから、僕のスケジュールはほとんど「空欄」で、その日その日で動きを決めつつ、声をかけていただいたときにはすぐに動けるようにしています。福祉用具は利用者さんや業者さんと連絡を取って自分で予定を決めていきますので、自分で動き方を決めるんです。

福祉用具専門相談員だけでなく、どのような働き方であっても、このような動きができるようになることが「新長田モデル」への第一歩だと考えています。

ーありがとうございます。「ひとつめ」ということでしたが、他にも取り組みたいことがあるのでしょうか。

そうですね。ふたつめは、まちづくり協議会に入り込みたいと考えています。

まちづくり協議会とは、「まちづくり提案の策定やまちづくり協定の締結等を目指して、地区の住み良いまちづくりを推進するために地区の住民等(居住者・事業者・土地又は家屋の所有者等)により結成される協議会」と神戸市では定義されています。地域で行われる体操教室もここが管轄しているのですが、ちょっとした運動機会の提供で理学療法士が入り込めると地域に密着した価値提供が出来るのではと考えています。

ーそうなると、介護保険や医療保険とは関係のない方でも関わることができますね。

そうですね、これまで関わりの薄かった方たちにも理学療法士として提供できる価値をお届けしたいです。プラストでそのようなサービスを展開することも良いとは思うのですが、すでにこういった活動をしているところで活躍することも大切ですよね。


▼フィジオデザイン
 福祉用具貸与・販売事業所
生活を支えるために、環境とカラダの使い方を変える

ベテランの福祉用具相談員+複数名の理学療法士を配置した福祉用具貸与・販売事業所。利用者の体・動き、居住空間に適した用具をスピーディーに選定し、過ごしやすい日々の暮らしを提供する。福祉用具貸与・販売だけでなく、手すり設置などの住宅改修も行っている。

株式会社PLAST

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