「自分の頭で考える」ことの難しさ
ネットには以前から「情弱」とかいう言葉が溢れています。
嘘を見抜けないのが悪い、とか。文脈を読み取れないのが悪い、とか。
でもねぇ、「情弱」っていう言葉を安易に使う人ほど、「頭使って考えてないんだろうなぁ」っていう気がします。
だって、顔の見えない遠くから、匿名で、誰かを貶して喜んでるだけじゃないですか。そんな人が、理知的にモノゴトを考えているとは思えない。
そもそも、本当に自分の頭で考えている人って少ないですよ。そう思いません?
だって、頭を使って考えるのって、疲れるんですもん。
人間は基本的に「無意識に動き出している」
人間の安静時におけるエネルギー消費のうち、約20%を脳みそが消費してるんだそうです。(参照資料:総論 エネルギー消費量とその測定方法)
安静時で、これですよ。
脳みそが一番、エネルギーを使うんです。
真剣に頭を使って考え出したら、どれだけのエネルギーを消費するか。
だから、棋士がタイトル戦の途中でおやつを食べているのも当然なんです。
脳のエネルギー補給です。
勉強を始めるとすぐに眠くなってしまう人は、エネルギー切れなのかもしれません。
ちなみに、脳みそのエネルギー源は「ブドウ糖だけ」とよく言われますが、それは間違いだったようです。
「ブドウ糖以外にも乳酸やケトン体をエネルギー源にしている」そうです。
適度に運動したほうが頭が冴えてくるのは、乳酸とケトン体が産生されるからだったんですね。
納得です。
しかし、個人的な体験としては運動しすぎると、複雑な思考ができなくなります。
昔、肉体労働のバイトをしていた時は脳みそがスッキリ爽快で、「文章」なんて何も考えられない状態になっていることがありました。
いわゆる「脳筋」ですね。
もう、頭の中が、竹を割ったようにスッキリさっぱりしていました。
思考活動に回すエネルギーが枯渇していたんでしょうか。
で、さらに最近の研究では
「人間は、無意識に動き出して、行動結果を後から意識が追認してエピソード記憶として蓄えている」
ということがわかってきたそうです。
どういうことか?
「カズレーザーと学ぶ。」というTV番組でも少し前に取り上げられていましたが、人間が刺激を受けて、その刺激を認識するまでに0.5秒の時差があるんだそうです。
たとえば、野球。ピッチャーが球を投げて、キャッチャーのミットに収まるまでが約0.4秒。だとすると、バッターには「見て」→「考えて(意識して)」→「バットを振る」なんて猶予はないんです。
もう、無意識でバットを振ってるんです。それでヒットやホームラン。
人間って不思議です。
言い換えれば、選手たちは「無意識」にバットを正確に振れるようになるまで練習しているわけですね。
そんな専門的な動作じゃなくても、日常の大半は「無意識」に動作を起こしているんです。↓ 下記研究チームの論文からの抜粋引用をご参照ください。(DeepLで翻訳しています)
どうです?
だから普通に生活していると、脳みそを使って「考える」っていう機会は、なかなかないんです。
自分から積極的に疑問を持って「何が本当なのだろう」「どうするのがいいのだろう」と考え悩んでいかないと「自分の頭で考える」なんてことはしないんです。
最近売れ筋のビジネス本って、「はじめに答えあり」のものが多いでしょ。
多くの人は、本を読んで自分で考えるよりも、自分が「こういうものが欲しい」と思っていた「答え」を得て、そこで満足しているんです。
ギリギリまで頭を使うのが、僕たちの仕事
僕は、19でフリーライターになって、ゲーム雑誌や格闘技雑誌などのライター 兼 編集を経て、某巨大外資系IT企業のコピーライターになって、のちに広告代理店に転職。で、今はしがない個人事務所をやっています。
僕の主な仕事をざっくりと言えば
「人にインタビューして、短いキャッチと長い文章にまとめる仕事」
です。
僕が独自に習得・研鑽してきた技術は下記の5つです。
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今まで書く機会がなかった、いい話、すごい話、ダメな話から、仕事と人生のアレコレを書かせていただきます。
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