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カップヌードルをぶっつぶせ!

‪"自分で言うのも変だが、二代目が創業者を語った例はあまりない。世の中の大半は、二代目にそんな資格はないと思っている。私は逆に、二代目にしか語れないことがあると思っている。それを正直に、しかし謙虚に語ったつもりである"2009年発刊の本書は二代目社長が父との葛藤や日清食品の社内改革の日々を綴った自伝的経営哲学書。

個人的には、まったくの私ごとで恐縮ですが。カップヌードルやどん兵衛に日々お世話になっている事が多いことから、ふとした興味で手にとりました。

そんな本書は、前半では創業者である"異能の人"安藤百福との対外的には円満に見えても、実は激しく口論を繰り広げた日々を余熱と共に、そして後半では"凡能"の二代目として一貫してやってきた【ワンマン経営から、多くの社員が参画し運営するシステム経営への移行】を失敗話や商品にまつわるエピソードと共に語っているわけですが。

NHKの朝ドラ『まんぷく』ともまた違う"作り上手の守り下手"の、次から次へと新しい事業に手を染めた創業者を息子から眺めた姿はなかなかに新鮮で、家族はやはり巻き込まれて大変だったのだなとしみじみ。(ちなみに"出前一丁""焼きそばUFO""どん兵衛"は著者がネーミングしたらしいです)

一方で、これは現在でも同じくであろうチキンラーメンやカップヌードルがトップブランドとして売上にずっと貢献しているからこそ、必然的に保守的になってしまう社内体質に二代目として、社内に【競争が起きる仕組みを何とか起こそう】と奮闘してきた姿は、多くの組織人としてのビジネスパーソンにも参考になる部分が多いのではないか?と思いました。

カップヌードルやチキンラーメン好きのネタ本として、また保守的な組織改革に悩んでいる誰かにもオススメ。

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