スナ@『本屋』

『本屋』"文化権の守り手"/メタバース芸大REST発起人/大阪・フ…

スナ@『本屋』

『本屋』"文化権の守り手"/メタバース芸大REST発起人/大阪・フリーペーパー専門店はっち店主/京都・図書室27運営/めめんともり読書会主宰/スマートフォン・フィルムフェスティバル主宰

マガジン

  • 1日1冊オススメ本レビュー

    ブックコーディネーターが毎日1冊、サクッと読めるオススメ本ブックレビューを公開していきます。

  • メタバース(ソーシャルVR)備忘録

    個人的に2022年から学び出したVRについての備忘録、読書感想他。

  • 大阪ヨル会議

    再開発の進む「大阪駅周辺の記録保存」そして「広く大阪魅力の発信」を、大阪在住の有無や、大阪への関わり度合いに関係なく行なっていく「大阪ヨル会議」のマガジンです。こちらではイベントの事前告知やアーカイブをまとめる他、大阪本に関しても紹介していきます。

  • はっちの作り方

    大阪初の「はちみつとフリーペーパー」のお店として2015年にオープンした『はっち』そのプロデューサーがオープンから今まで考えていた『これまで』そして『これから』を綴ります。

  • 皆言茶飲(かいげんちゃいん)

    日々思ったことを徒然なるままに。

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自己紹介

『本屋』+隠居。同志社大学経済学部卒。卒業後に金融業界に就職するも、ふとした偶然から「暗黙知を可視化してくれる」文化芸術に魅力を感じて前衛芸術家集団、元具体美術協会の嶋本昭三氏がひきいるAUに参加。国内外の様々な文化芸術活動に裏方的に関わった後に、2007年に自身が代表をつとめる一般社団法人ワオンプロジェクトを設立。同年に大阪、日本橋にて日替わり店主制のギャラリー・オルタナティブスペース、アトリエ輪音(わおん)を開店。(2012年閉店)ここを拠点にクラフトマーケット、とんぼり

    • ウは宇宙船のウ

      "『自分でも気がついていることですよ、先生。でも、単純じゃありません。多触手状のものです。でも簡単にいえばー宇宙船なんです』先生はにっこりと笑った。『"ウ"は宇宙船の略号だね?』"1962年発刊の本書は爽やかな表題作含む宇宙から恐竜まで希望が込められた珠玉の16編。⁣ ⁣ 個人的に著者の(翻訳を通しても伝わる)美しい文体が好きな事もあって本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は映画化もされた『華氏451度』等でも知られた著者が、特に"過去に驚嘆し、現在を駆け抜け、ぼく

      • 一秒で捨てろ!

        "本書では、私が考える、広義の『不要なものや習慣』について、さまざまな角度から指摘していきたいと思う(中略)そんな『一秒で捨てる勇気』を読者の皆さんにいくらかでも与えられれば、筆を執った甲斐があるというものだ"2019年発刊の本書はHONZ代表による人生断捨離本。⁣ ⁣ 個人的には本屋として、書評サイトHONZはもちろん知っていることから手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書はマイクロソフト日本法人第2代代表取締役社長及びスルガ銀行株式会社の社外取締役を務めた他、現在は書評

        • 就職氷河期世代

          "本書は、世代全体をカバーする大規模な統計データを用いて就職氷河期世代の動向を客観的にとらえる(中略)なんとなく個人の経験に基づいて語られがちな通説を、客観的に検証する"2024年発刊の本書は自身も世代である研究者がイメージと実態の乖離に迫った一冊。⁣ ⁣ 個人的には本書で言うところの『氷河期前期世代』である事から興味をもって手に取りました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は労働経済学の研究者である著者が、バブル崩壊後に未曾有の就職難をむかえた1993年〜2004年に高校、大学などを

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        • 1日1冊オススメ本レビュー
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          99本
        • 皆言茶飲(かいげんちゃいん)
          235本
        • 大阪ヨル会議
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        • はっちの作り方
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        • 京都ヨル会議
          145本

        記事

          メタバース×ART車座会議~メタバースで芸術表現は「可能か?」を考える3日間

          芸術の秋!明日から3夜連続。来るべき近未来に向けて!メタバースで芸術表現は可能か。素晴らしいゲストを交えながら対話する時間を持ちます。 「企画背景」 2022年「過度な期待のピーク期」を超え、また数々のプラットフォームが乱立するなどの試行段階の混乱を経て、メタバース自体は着実に私たちの「日常生活の選択肢の一つ」として定着しつつあると実感しています。具体的には「コミュニケーションの拡張(HMD、アバター文化)」そして「居場所の拡張(ワールドクリエイト)」が今はまだ五感のうち「

          メタバース×ART車座会議~メタバースで芸術表現は「可能か?」を考える3日間

          美の法門

          "しかるに不二美の世界に来れば、個人の上下は力を失う。年齢の差、賢愚の別も消えてしまう。誰が、何時ら何を作っても、そのまま救われる。かかる世界において衆生済度は果されよう"1995年発刊の本書は民藝美学の基盤を浄土思想に求めた著者の晩年の傑作集。⁣ ⁣ 個人的にメタバース芸大RESTのサブテキストとして本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書はアカデミズムに対する違和感を覚えて芸術を哲学的に独自に探求、日用品に美と職人の手仕事の価値を見出す民藝運動を始めたことで知られる

          はっちという冒険も10年目へ

          【はっち】11月に入って「無料でア○ゾンで売っていない本をひたすら配布し続ける」はっちという「フリーペーパー専門店」の冒険も無事に9年目が終了。いよいよ10年目の活動に向かうことになります(=ロゴ変更) 2015年に形だけのDIYで始めた時は、とりあえず「名前が”はっち”なんで8年目までは続けます!」と周囲に公言していたので、2023年に8周年イベントを無事に開催できた時は本当に本当にマジで安堵したのだけれど(笑)そこからまた様々な偶然と周囲の皆様のおかげで2024年、9年

          はっちという冒険も10年目へ

          ひとり飲む、京都

          "東京はやはりビジネスや仕事の場だ。そこを逃れて京都に来ればおのずと生臭い話よりも文化を語りたくなる"2011年発刊の本書は、居酒屋探訪家として知られる著者による夏と冬、一週間ずつの『ひとり飲む、京都』美酒滞在記。⁣ ⁣ 個人的には京都を舞台にした食エッセイを探す中で手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書はグラフィックデザイナーとしての他、『居酒屋探訪家』としてテレビ出演や著作も多い著者が、住んでいる東京に不満はないが別の場所にもしばらく住んでみたい。ただ一、二年はなかなか

          ひとり飲む、京都

          それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標

          "本書では、掲載商標が使われた商品やサービスがいったいどんなものだったか、また、採用や争いの背景や経緯を、できる限り調査、考察、ときには想像力を膨らませて憶測し、紹介しています"2010年発刊の本書は企業法務で知的財産に関わる著者がおくる笑いと癒しの処方箋。⁣ ⁣ 個人的には『BISビブリオバトル部』で紹介されていた事をキッカケに本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門部門』として企業で知的財産に関わる著者が、2013年現在で確認

          それどんな商品だよ! 本当にあったへんな商標

          舌の上の階級闘争

          "できるだけ全部手作りするという、このとても面倒な作業を通して見えてきたこと、再発見したこと、新たに気づいたことを読者の皆さんと共有する。これがわたしたちの目指すところです"2024年発刊の本書はイギリス料理のレシピ本のふりをした『食と階級』の告発書。⁣ ⁣ 個人的に食をテーマにした本を読書会のために探す中で、本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書はそれぞれ独自にイギリスと関わりのあるパン屋と農家と大学教授の三名からなるコレクティブ『コモナーズ・キッチン』が"料理を作

          舌の上の階級闘争

          関係性の美学

          "関係性の美学に関わるアーティストたちはみな、それぞれ固有の形式の宇宙、固有の問題系、固有の軌跡を有している"1998年発刊の本書は、作家・作品・鑑賞者のあいだの「関係」に重きを置く作家たちを名指す言葉、リレーショナル・アート概念を提唱した重要な一冊。⁣ ⁣ 個人的には90年代から00年代にかけて急増したインスタレーション、あるいは地域アートで展示されるコミュニティ・アートなどの理論的な援用として、またメタバース芸大RESTのサブテキストとして手にとりました。⁣ ⁣ さて、そ

          暗い青春

          "青春は絶望する(中略)少年の希望は自在で、王者にも天才にもみずから化して夢と現実の区別がないが、青春の希望の裏には、限定された自我がある。わが力量の限界に自覚があり、希望に足場が失われている"1970年発刊、改版の本書は、著者の青春期を題材にした自伝的作品10編収録の短編集。⁣ ⁣ 個人的に表題作に惹かれて本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は太宰治、織田作之助、石川淳らと共に、無頼派・新戯作派と呼ばれ『がらんどう』のような風格の作家とも称された著者の特に【青春期

          わたしたちが光の速さで進めないなら

          "わたしたちが光の速さで進めないのなら、同じ宇宙にいるということにいったいなんの意味があるだろう?"2020年発刊の本書は韓国、新世代SFシーンを牽引する著者による大ヒット短編集。他者への理解、共存を描く7作。⁣ ⁣ 個人的には韓国SFは読んだことがなかったので本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は理工系の名門、浦項工科大学在学中に小説家デビューし、現在も精力的に執筆活動を続ける著者のデビュー作で、表題作の宇宙船でコールドスリープを続けながら家族が住む惑星行きの船を

          わたしたちが光の速さで進めないなら

          戦争を取材する

          "世界は戦争ばかり、と悲観している時間はありません。この瞬間にもまたひとつ、またふたつ.....大切な命がうばわれているかもしれないー目をつぶってそんなことを想像してみてください"2011年発刊の本書は2012年シリアで殺害されたジャーナリストが残した、戦争や世界平和を考えるための一冊。⁣ ⁣ 個人的には2024年現在、戦争や争いはなくなるどころか広がり、また日常化している中で著者を思い出して本書を手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は亡くなるまで世界中の戦場で、常に子ど

          戦争を取材する

          "私は、正面の壁にかかっている鏡に、自分の姿を映してみたいと思った(中略)鏡の奥から、死体が私をじっと見つめていた。私の目のなかにあった死体のまなざしは、それっきり私を離れたことがない"1958年発刊の本書は悲痛な証言の書、ホロコーストの記憶を綴った自伝的小説。名著。⁣ ⁣ 個人的には主宰する読書会の課題図書として手にとりました。⁣ ⁣ さて、そんな本書はハンガリー出身のアメリカのユダヤ人作家、暴力や圧政や差別を告発する本を書き続けて、1986年にノーベル平和賞を受賞した著者

          小説にできること

          "小説という文学ジャンルがどれだけ広大か、どれだけバラエティに富んでいるか、そしてどれだけ可能性を秘めているかを、ちょっとだけでも君に伝えられたら、この本は成功だ。"2024年発刊の本書は何でもできて、誰かを励ます事もできる。小説の無限の可能性を語り尽くした一冊。⁣ ⁣ 個人的にはどんなジャンルの本も手に取りますが、小説を課題図書にした読書会を主宰している事から興味をもって手に取りました。⁣ ⁣ さて、そんな本書は下北沢で本のセレクト・ショップ「フィクショネス」を経営しながら

          小説にできること