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眠れなくほど面白い 図解 仏教

"あなたは、お寺に塔が建てられる意味や東大寺の大仏が壮大な理由、読経の時に木魚を叩くわけをご存じですか?もしご存じでなければ、ぜひ本書をお読みください。"2019年発刊の本書は宗教史研究家がズバッと素朴な疑問に答えてくれる。仏教、日本史好きにとっての良書。

個人的に毎週の様に寺社仏閣を巡り、また日本美術史で造形物として仏像解説もしている割に『仏教自体』に対する理解不足は自覚していたことからタイトルに惹かれて手にとりました。

さて、そんな本書は宗教史研究家として。これまでに多数の神社やお寺めぐりの著作を出しつつ、カルチャーセンターで講座も開催している著者が、素人参拝者として『しないといけない』『らしい』位は作法や知識としては知ってはいても。【薄々と内心思っている『それはなぜ?』という疑問について】イラストも豊富に一問一答的で約60、ズバズバと簡潔に答えてくれているわけですが。

感想を先に言うと、モヤモヤがパーと晴れ渡るかのような気持ちで大変、爽快でした。いくつか例にあげると『Qなぜ、仏教教団は大きくなれたの?→A釈迦がシティボーイだったから』『Q阿弥陀如来の信仰が広まったのは、なぜ?→A釈迦が偉くなりすぎたから』『Qなぜ、密教が登場したの?→Aインドにシティボーイがいなくなったから』と【仏教関係者に聞いたら卒倒しかねない答え】が、しかし【ちゃんと丁寧な解説つきで説明されていて】(少なくとも私にとっては)大いに腑に落ちました。

一方で、普段から日常生活で触れてきた、触れているにも関わらず。自分自身が【いかに仏教に対して無関心であったか】を突きつけられる感覚もあって。本書のおかげで体系的な仏教の歴史理解はもちろん、【寺院、仏像、葬儀に対する向き合い方】がバージョンアップした感覚もあって、こちらも助かりました。

寺社仏閣巡りをしている方はもちろん、仏教について。日常生活でモヤモヤを抱えている人にもオススメです。

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