週刊少年松山洋_タイトル_調整

日本人は落ちてるお金を拾わないのかい?

仕事で私は定期的に中国に行きます。

開発中のタイトルのグラフィックリソースの一部を中国のCGプロダクションに発注しているからです。

発注内容やすり合わせ&チェックは普段から部下に任せてるのですが、大きい発注の最初の打ち合わせなどは部下と一緒に中国に行ってやはり直接ミーティングをします。

で、そんな中国のCGプロダクションはどこも発注者である我々日本企業に対する“おもてなしの精神”がすごいのです。

空港まで車で迎えに来てくれるし、荷物を持とうとするし(私はそこまでしなくていいって断りますが)とにかく気配りというかおもてなしが凄いのです。

まぁ、お金を払って発注しているのはコチラですから先方からすると“当たり前”と思われているのかもしれませんが。

これはそんな中国の“おもてなしの精神”の流れで起きてしまった(発覚してしまった)それはもうフザケタ話。

用意してくれたワゴン車に乗って先方の会社に向かっている最中も彼らは色々と気を使ってくれます。

「喉は乾いてないですか?水とコーラ(常温)はいかがですか?」

「車内は暑くないですか?温度をもっと下げましょうか?」

といった感じ。

そんな中、私の前に座った女性が話しかけてきました。

「私は個人的にもサイバーコネクトツーの大ファンなんです。今回こうして一緒に仕事が出来ることを心から嬉しく思います!」

「今回は『ナルト』の仕事ですが、実は『ソラトロボ』が大好きで!いつもこうしてDSを持ち歩いて遊んでるんです!」

恐らくはこれも“おもてなしの精神”の1つだったのかもしれません。

普段なら私も“おー、ありがとうございます。嬉しいですね”って答えるところですが。

しかし。

ふと彼女が手に持っているDSを見ると普段見慣れないDSカードが刺さっていたのです。

「ん?ちょっとそれ見せてください」

と、私が手を伸ばすと彼女は喜んで渡してくれました。

DSカードを本体から取り出してみると案の定。

「マジコンじゃねーか!」

もう、ね、絶句ですよ。

その後、私が怒り始めたところで会社に到着してしまい、ミーティングをする時間になったのですが。

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