週刊少年松山洋_タイトル_修正

『ドラゴンボール』はわからない所が無い

漫画・アニメ・ゲーム・映画などのエンタメビジネスに従事する人たちというのは皆等しく“ヒット作を作りたい!”と思っています。

例外はありません。

“別に売れなくてもいいや”と思っている人たちはサークル活動などを行っている一部の人たちだけで、“その世界”で働いているプロは一人残らず“売れたい・売りたい”と願っています。(願って“それ”を実現するために戦略を練り勝算を持って日々仕事をしています。いや、なんなら“別に売れなくても”と思っている一部のサークル活動の人達だって本音は“売れたい”と思っているはずです)

そんな中で先日実に興味深い意見が出てきたので紹介したいと思います。

『ドラゴンボール』はわからない所が無い

“松山さん、だからね、一般の人は『喧嘩稼業』は読めないんだって。いや、もちろん僕も大好きだよ?面白いよ、けどね、アレをちゃんと面白いと思って読める人間っていうのは実に「漫画偏差値の高い一部の(僕らのような)人」だけだって話、それを忘れちゃダメなんだって”

さすがに(個人的にも)“ピクッ”となりました。

“「いやいや完全無欠に面白いでしょう『喧嘩稼業』は、誰が読んでも」って思ってるでしょ?その顔は。だから、ソコなんだって、これから松山さんも本格的に漫画でビジネスをやっていこうと思っているのであればその認識は改めたほうがいいよ?”

なんかもう全てを見透かされているようなセリフですが。

普段なら“何言ってんだ?”と反論するところですが、この話が出てきたのが週刊少年ジャンプの“ある編集者”だったのでグッと飲み込んで「話を更に掘り下げよう」と思ったのでした。

世界的な大ヒット作を何十年にも渡って生み出し続けてきた少年ジャンプの人達が「どういう考えを持っているのか」ということに興味を惹かれたからです。

そもそもこの世界の【ヒットの定義】というのは実に難しいものです。

平たく言うと“『〇〇〇〇』という作品が売れた”というのはあくまで結果論であって、ヒット後の分析を行って“きっとココが世の中に刺さったのでしょう”と言うことは容易くても、では“これから(次に)ヒットさせるために必要な要素は何か”と言われてもそれを簡単に見つけ出すこと(予見すること)は難しいということです。

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