始めた戦を終わらせるのは誰だ？

世の中には漫画でも小説でも非常に長い連載が今もなお継続中の作品が数多く存在します。

たぶん皆さんの頭の中にパッと浮かぶのは『ONE PIECE』じゃないでしょうか。（連載開始は1997年なので実に27年以上連載中）

それ以外にも多くの長寿作品が存在します。

正直『ゴルゴ13』や『クッキングパパ』などの一話完結の作品を指しているわけではありません。

「物語がある目的成就のために始まってそこに向かって突き進んでいくタイプの作品」のことを指して言っています。

『ONE PIECE』以外だと『名探偵コナン』『はじめの一歩』『ファイブスター物語』などが該当するかと思います。

あ、いや、『ファイブスター物語』なんかは連載開始時から年表が公開されていて当初から読者に「え、これ、死ぬまでに全部を描くことは不可能だよね」なんて言われてましたし、正直私もそう思っていましたので別にもういいです。

けどやっぱり『名探偵コナン』や『はじめの一歩』は最後まで読みたいですよね。（もちろん『ONE PIECE』も！）

中には休載している作品だってあります。ご存知『HUNTER×HUNTER』を筆頭に『喧嘩稼業』や『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』『バガボンド』などがそうですよね。

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「俺が始めた戦（いくさ）だ」

物語の中でそう言ったのは『ベルセルク』の主人公ガッツでした。

しかし残念なことに『ベルセルク』の作者・三浦建太郎さんは2021年5月に亡くなられてしまいました。

もちろん不慮の事故だったし三浦建太郎さんという故人を責める気は全くございません。

ただ、こういった不慮の事故って誰にでも起きる可能性はありますし、それぞれの作家先生にはくれぐれも健康や交通事故などに気を付けて欲しいと祈るばかりです。

しかし、万が一の話ですが。こうやって不慮の事故などで作者が亡くなられてしまった時に残されるのは遺族だけでは無いはずです。

その作品を愛して読み続けてきた読者の想いはどこに向かえばいいのでしょうか。その作品が好きで愛して応援し続けてきた読者にとってはただひたすらに無念で残念でしかありません。

作家先生と共にその作品世界の物語や登場人物達全てとその描かれるはずだった未来を丸ごと失うことになるのですから。

もちろん一番無念だったのは亡くなられた作家先生ご本人（と遺族）であるということは間違いないと思います。

あの手塚治虫先生だって未完の作品があるわけですから。

誰にだってそういったことが起きてもおかしくはないという話です。

ただね、ガッツ自身が作中で述べていたように「これは俺が始めた戦なんだ、俺の手で終わらせるしかないんだよ」と強く宣言して、文字通り終わらせてもらわなきゃいけないと思うんです。

作家自身が。

自分の手で。

あくまで個人的な意見になりますが。

物語も作品も、始めるのは作家だし、終わらせるのも作家なんです。

作家には始めた以上はその作品世界を自身の手できっちりと終わらせる責任があると思います。

これは現存する長期連載作品を抱える多くの作家さんに向けた実に一方的なメッセージです。

「どうかくれぐれも健康状態と交通事故に気を付けて残りの執筆活動を健やかに完遂できるよう心からお願いします。これ以上親族や遺族を含めた、世界中のファンの皆さんを彷徨える悲しき亡者にしないためにも。何卒よろしくお願いいたします。」

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漫画以外にも夢枕獏先生の作品のように全く完結する気配が無い小説作品も数多く存在していると思います。

『キマイラ』シリーズや『餓狼伝』シリーズなどが有名ですが、未完結作品が多いという点も有名な作家さんです。

10年以上前に先生ご自身が「こういう順番で書いていけば死ぬまでに全てを完結できる作業スケジュールを作った」とおっしゃっていましたが、何ひとつ完結出来ておりませんので、私はもう諦めてしまっています。

思えば90年代がこういう時代だったようにも感じます。大長編シリーズがブーム化したというか、大きな風呂敷を広げて作品世界を増長させることによってファンをより魅了するようなテクニックが多用され始めた気がします。

しかし、読者のことを考えるとやっぱりなるだけ物語はコンパクトにまとめて終わらせることもテクニックだと思いますし（何度だって言いますが）それも作家の責任だと思います。

そしてまた評判が良かったり読者が望むのなら新シリーズを続ければいいと思うのです。（それもまたコンパクトにね）ダラダラと続けるのではなくその瞬間の火花の燃焼をお互いに（読者も）楽しめればみんな幸せだと思うのでそういう書き方が流行って欲しい！と切に願います。

（ある意味でその理想形こそが『ジョジョの奇妙な冒険』なんですよね。各部で物語はそれぞれ独立してはいても続けて読むことでまた新しい楽しさも提供できるなんて最高のシステムだと思います）

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さて、ここからは全く違う話をします。

ここ最近の業界トピックニュースについて思う所があるので、ちょっと声を大にして言いたいことがあるということです。

あー、いや、内容が内容なだけに決して大きい声では言いにくいので後半部分に持って行くのですが、そこそこ吠えることになるのでご注意ください。

これまでは事情もあって一切の言及を避けてきた話題なのですが、さすがに看過できない内容を目にしてしまったので意見を述べようと思います。

いつもの通り転載禁止＆他言無用でお願いします。

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過ちは人の歩みを止める枷にあらず
心を育てる糧である