生き方と闘い方はとうに決めた
漫画を売るために
順番にご紹介していきますが、まぁどちらもかなり話題になりましたのでご存じの方も多いと思いますが上の二つの動画は少年ジャンプの漫画の単行本、『ONE PIECE』109巻と『呪術廻戦』27巻の発売日にあわせて作られた記念ムービーです。
『ONE PIECE』109巻は長い間の伏線回収となった“ボニーとくま”のエピソードが収録される巻ということで、なんとMr.childrenの『HERO』という楽曲とのコラボしたMV(ミュージックビデオ)となっています。
改めて観てもやっぱり号泣してしまいますし、そもそもなぜ20年以上前に作られた『HERO』という楽曲とのコラボが実現したのか、本当に不思議なコラボとなっています。
しかも、あってる。泣くほどにぴったりなんですよ、ボニーとくまの物語に。完全に狙って作ってるわけですが、もう逆に「このためにこの楽曲が(20年以上前に)作られたんじゃないか」って思うほどです。(そんなわけはないのですが)
一方で『呪術廻戦』の方は27巻で活躍するお笑い芸人・高羽史彦の実写ムービーとなっています。
これもとんでもない再現度でSNSなんかでも「完全にイメージ通り!」と騒がれましたし、夏油に至っては塩顔イケメンの役者さんにわざわざ櫻井孝宏の声を当てるという徹底ぶりです。
あまりにもテンポが速くて良い感じなのと情報量が詰め込まれているムービーだったので私も何度も繰り返し観てしまいました。
改めて言いますが、これ、どちらもたった1冊の漫画の単行本の発売日にあわせて作られた記念ムービーなんですよ。
いったいどれくらいの予算をかけて作られたんでしょうね。
ここにきて、集英社、というよりも少年ジャンプ編集部が、どれだけ一冊の漫画の単行本を売るということにチカラを入れているのか、という姿勢が伝わってきますよね。
他の出版社では考えられないことだと思います。
100巻とか50巻とかの発売記念ならまだしも、109巻と27巻ですからね。
私はこの「漫画を売る」という姿勢を超えた、気概や執念に近いその試みに背筋が伸びました。
「俺たちは漫画を売ることで商売をやってるんだ」
そんな中の人の声が聞こえてくるようでした。
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4冊目を購入してしまいました
ちなみに、私は漫画の単行本も予約購入していますので発売日のタイミングには会社に届くようになっています。
紙の本はそれぞれ東京スタジオと福岡本社に届くし、また電子書籍は定期購読設定をしているので新刊が出ると自動的に決済されてkindleに追加されるようになっています。
が、今回の『ONE PIECE』109巻と『呪術廻戦』27巻は、コンビニで見かけた際にそれぞれ購入してしまいました。(それぞれ4冊目)
思わずなんか感謝の気持ちを行動で示したくなったのです。
私がこうやって行動して買ってしまったように、「今回だけは買おう」と思った人も多かったのではないでしょうか。
もし、そうだったら集英社の思惑は上手くいったということですね。
やっぱり漫画の単行本なんていくつも購入する人間にとっては「あ、いつの間にか発売してたんだ、これ」と感じることもあると思いますので。
こうやってPVを作って公開して話題になったことで「あぁ、新刊が出たんだ」と思ってもらうためのアピール効果は十分にあったのではないでしょうか。
というか、私は「全ての仕事は報われてほしい」と常々思って生きていますので(他社のことでも)良い結果に繋がっていて欲しいな、と願うばかりです。
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期間限定公開というパターンもありますよ
ちなみに、ですが、特に『ONE PIECE』109巻のMVはいつまでこの状態で観ることができるかはわかりませんよ?
一応、説明しておくと、今回のこのMVはMr.childrenの『HERO』という楽曲とのコラボになっていますからね。
通常、こういったもの(コラボ)には公開可能期間というものが契約書に記載された状態で締結されることが多いんです。(というかたぶん絶対に期間が決まっています)
そもそも『ONE PIECE』109巻の発売タイミングの効果を狙ったコラボなので未来永劫ずっとYouTubeに置いたままにする必要も無いわけですからね。
なので、いつまで公開されるかわからない映像なので今のうちに堪能されておいた方がいいですよ、ということを(まるで独り言のように)お伝えさせていただきますね。
これもあくまで余談ですが。
例えばゲームソフトのPVやCMの映像などでも、楽曲の管理を行っている出版社や、声優事務所との契約内容によっては公開可能期間が設定されていることもあるんですよ。
たぶん、「あれ、いつの間にかあのPV(もしくはCM映像)がYouTubeから無くなってる?」って思われたことがあるかもしれませんが、それはほぼそういう事情だと思ってください。
期間が長いと契約条件が高くなって、短くなれば安くなる、という理解でだいたいあっています。
そしてメーカーにとってはモノを売るための瞬間最大風速的な効果を狙った映像である場合には、長期間の契約を行って値段を上げたところであまり意味はありませんからね。
だったら弾数(PVの種類数)を増やした方が効果的なんです。(公開期間が短くても公開頻度が高い方が接触ポイント率は上がるので)
モノを売るメーカー側のあまり知られていない戦略と事情の話でした。
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ここ最近のゲーム業界で起きている異変
さて、ここからはゲーム業界のお話をしていこうと思います。
というのもですね、最近なんか多くの同業者さんから連絡が来ることが増えたんですね。
「大手ゲームメーカーと進めていたプロジェクトが急にキャンセルになりまして、割とまとまった人数が空いてしまって仕事を探しています。ゲームデザイナー〇人、アーティスト○○人、プログラマー○○人なんですけど。もちろん全部じゃなくてもいいので、サイバーコネクトツーさんが進行中のプロジェクトでなんかお手伝いできることって無いですか?」
もうズバリ書いちゃいましたが、こういった相談です。
本当にこの1年くらいでこういった相談が増えました。
しかも1社や2社の話ではありません。かなり多くの同業者さんからほぼ同じような相談が来ています。
もちろんこの業界は助け合いでもありますので、それぞれのご相談に対して親身になって話を伺った上で前向きに検討はさせていただいております、手を差し伸べられるように。
なぜこんなことが急に起きてしまっているのか?
実は急なことでも無いんです。
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