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約束を守る=伏線回収②

前回のこちらの記事の反響が大きく、たくさんの人から感想や意見をいただいたので、続編記事を書くことにしました。

『伏線回収』という言葉にみんな興味や関心があったようですね。

まぁ、私も伏線回収が大好きというか、いつもどんな作品を見ても妄想というか、「自分だったらこうするなぁ、ここはきっと伏線なんじゃないか」とアレコレ想像するのが本当に大好きだったんですよね、子どもの時から。

で、それは現在も全然変わって無くて。

だから『呪術廻戦』の未回収の伏線の話でもします?

というか、私がただ言いたいだけ伝えたいだけなんですけどね。

これはもう『呪術廻戦』という完結した物語に対する批判でも何でも無くて、ただの私の妄想です。

ずっと本編を読みながら「ここはきっと伏線なんだろうなぁ、ここでこうやって回収されるんじゃないかなぁ」って思い続けていたことがありまして、まぁ結果的にはそれが本編で回収されることは無かったわけですが。

「こういう感じでも良かったんじゃないの?」くらいの軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。

*****

「いつまでいい様にされてんだ 傑」

私が『呪術廻戦』という作品の中で核心というか、最も作品テーマを現していてそれこそ物語の中心に設定されている概念で一番好きなポイントでもあるのが、このシーンなんです。

『渋谷事変』で五条悟が封印される直前にニセ夏油に「いつまでいい様にされてるんだ 傑」と呼びかけた際に、勝手に右腕が動いて首を絞めるんです。

その際にニセ夏油は横にいる真人にこう言います。

「君は魂は肉体の先に在ると述べたが、やはり肉体は魂であり、魂は肉体なんだよ」

そして、その直後に降霊された伏黒甚爾は肉体のみで自由に行動します。

この『肉体は魂である』という概念こそが『呪術廻戦』という物語の核心なんだと私は感じていました。

だからこそ、これを作品テーマとして中心に据えた伏線であるとずっと思っていたのです。

『人外魔境新宿決戦』での宿儺との闘いの中で乙骨が死んだ五条の肉体を使って復活した際に「来た、ここだ、ここでやるんだ」と期待したのです。

使えないはずの六眼、撃てないはずの虚式「茈」、うまく動かせない五条の身体で苦戦する乙骨自身が魂で感じること。

「自分の身体が、自分じゃない瞬間を感じる」

「これは、五条先生!?」

そのイメージが重なった瞬間に六眼が発動し、撃てないはずの虚式「茈」が放たれる、そうやって生まれた隙に虎杖の黒閃が宿儺に炸裂する――。

とまぁ、こんな妄想をしていたわけなんですよ。

連載中は五条先生が死んだ後に『復活説』みたいなものもネット上に溢れましたが、私は五条先生が生き返るなんてことは絶対に無いと思っていました。

だって、第236話『南へ』を読んだのですから。

あのエピソードで五条悟は南を選んだんですよ。

あの空港でのエピソードで五条悟の物語は終わったんです。

あれを無かったことには出来ないし、ようやく五条は夏油と再会できたのですから。

もう起こすべきじゃあないんです。

動かしていいのはきっと、肉体だけ。

だから、こんなことを妄想していたんです。

せめて最後の3話のエピローグ回のどこかで乙骨自身に「あの時、自分が自分じゃない感覚が少しだけありました。あれはきっと――」みたいなセリフを言ってもらえるだけでも良かったんですけどね。

もう、いつもこんなことばかりを考えて妄想している人間です、私は。

そしてこういう妄想話を飲みながら漫画が好きな人間と話すのが大好物なんですよ。

「自分ならどうする、こうしたい、こうあって欲しい」

そう考えるのはモノ作りの最初の一歩というか入口のようなものなんです。

だからやめられない。

それにしても面白かったですねぇ、『呪術廻戦』。

毎週の生きる喜びになってましたし、少年ジャンプの重さが明らかに変わってましたね。

芥見先生はまだお若いので少しすればまた新連載が始まると思いますし、その前に単行本の最終巻に描き下ろし追加ページがあることをやっぱり期待してしまいますね。

あぁ、楽しみだ。

*****

さて、ここからは伏線回収に関する話をもう少しだけ掘り下げていきたいと思うのですが、ちょっといくつかの映画作品を紹介しながら、放送中のドラマ『チェイサーゲームW2』に関する話もしていきたいと思います。

最近続けて観た映画作品に対してやっぱり腑に落ちないというか、流儀の違いというか、モヤモヤしている部分があるのでどうしても言葉にしておきたいと感じているので、書いちゃいますね。

Filmarksにも観た映画の感想を書いているので、もう何をどう感じたのかはそっちを見れば明白なのですが。

その映画作品は邦画『ぼくのお日さま』と、韓国映画『恋物語』です。

どちらの作品もセクシャルマイノリティをテーマにした作品なのです。

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