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『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』はマクガフィンである

マクガフィンってご存じですか?

もうウィキペディアのリンクを直接貼っちゃうくらい説明がめんどくさいので一度リンクを読んでもらった方がいいかもしれません(一応これから説明しますので面倒ならリンクは読まなくてもいいです)。

マクガフィンって言葉を聞いたことがありますか?

たぶん一般の人はあまり聞きなれない言葉だと思います。

言ってしまうと脚本用語なんです。

ざっくり解説すると、物語の中のキーとなる目的(アイテム)のようなものを指しています。

例えば大泥棒にとっての宝石、スパイにとっての機密書類のことです。

「へぇー、要するに物語における目的物のことね、それをそんな大げさなカタカナで言わなくても」と思われたかもしれませんが、マクガフィンという言葉の定義はこの向こう側に存在します。

マクガフィンという言葉の正確な定義は「代替え可能な目標物」のことなんです。

大泥棒にとっての目的は宝石を盗むことかもしれませんが、その物語において最も重要なことはその大泥棒の活躍する姿だということです。

スパイ映画も同じです。目的の機密書類の中身なんかは割とどうでもよくてそれを奪い合うアクションシーンが一番美味しくないといけません。

言ってしまうと、『忘れられてもいいような目的物』のことです。

*****

『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』

『ONE PIECE』という物語において最も重要な目的物として設定されているのが『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』です。

みんながそこ(『ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)』があるというラフテルという島)を目指しています。

が、読者含めて誰もがその正体を知りませんよね。

金塊や宝石の山かもしれませんし、古代兵器なのかもしれませんし、タイムマシンなのかもしれませんし、歴史が記された書物もしくは旧世界に存在した漫画なのかもしれませんし、歌などの音楽なのかもしれません。

まだその正体はなんにもわからないけどみんながそれを目指していて、25年以上にわたって『ONE PIECE』という物語は描かれ続けています。

誰も正体を知らないのに。(なんなら時おり存在ごと忘れてる)

要するにこれがマクガフィンということです。

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