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ハイお疲れ 解散解散
漫画から声が聞こえてくる
これ、本当に不思議なんですが、たぶん皆さんも心当たりがおありなんじゃあ無いでしょうか。
テレビアニメを観た後に漫画を読むと、もう脳内で声優さんの声でそのまま再生されるという現象無いですか?
ありますよね?
え、みんな絶対あると思ってたんですけど。
私は伏黒(禪院)甚爾のセリフはもう子安武人の声でしか脳内再生出来ない身体になってしまいました。
もう何回も漫画を読み返していたはずなのに、アニメを視聴してしまったあとでは演技込みで完全に子安武人さんの声で再生されるようになりました。
記事タイトルにもなっている「ハイお疲れ 解散解散」という甚爾のセリフはもうタイミングもあのダルさも含めてバッチリと脳内再生されます。
それくらいアニメの圧倒的な映像としての情報量の多彩さがきっと我々の脳を上書きしてくるんだと思います。
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アニメ化されることで読者が増える
アニメ化されると、その原作漫画が売れる――というのは当たり前の事のように感じられるかもしれませんが、むしろ出版社はそれをストレートに狙ってアニメ化自体を戦略的に許諾&プロデュースしています。
言い換えると、アニメ化するのはシンプルに「原作漫画の発行部数を伸ばすため」とも言えます。
もちろんより多くのファンを生み出すことにより、その作品の認知を大きく広げて様々な(ゲームやカードや玩具やお菓子やアパレルを含めた)グッズ展開を行い売上を向上させる、という狙いもありますが。
一番の目的は「原作漫画の発行部数を伸ばす」ことです。
そりゃ、漫画を販売しているのは出版社ですからね。
一番売りたいのは本(漫画)に決まっています。
また、面白いデータ(実績)がありますよ。
例えば『鬼滅の刃』の時なんかは、劇場映画『無限列車編』の大ヒットにより単行本の8巻以降が極端に売れた、という実績があります。(これは当時報道された事実です)
単純に「続きが読みたい、我慢できない」という感情があるとは思いますが、やはりアニメ化されたことで多くの方々が脳内で声を再生できるようになったことが大きいと思います。
アニメ化されたことで、直接「漫画を手に取って読む」ということ自体のハードルが下がったとも言えます。
あんまりこういう言い方はしたくは無いのですが、我々のような世代と現在の子どもたちとでは漫画に対する認識が大きく異なります。
ハッキリ言って我々は幼少期を漫画と共に成長しながら過ごしてきました。
けど、今の子どもたちはそうじゃあない。
現在の子どもたちはYouTubeなどの配信映像と共に過ごしていますので、極端に漫画との接点が少ないのです。(我々と比べてしまうと)
だから、アニメを視聴した後には脳内が上書きされることで漫画を読むことが出来るようになる、というメカニズムが働くのです。
逆説的な言い方をすると、「漫画単体で大きく勝負すること自体が難しくなってきている」ということです。
YouTubeなどで漫画に声や音楽をあてた『マンガ動画』のような展開が多いのは、そういった戦略だとも言えると思います。
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「そうか?そうだな、そーかもなぁ!」
ちなみにアニメの五条悟のセリフ「そうか?そうだな、そーかもなあ!」の三段活用ですが、だいぶ漫画とは印象が異なりましたね。
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