週刊少年松山洋_タイトル_修正

脚本デバッグでクオリティを上げろ

サイバーコネクトツーには【脚本デバッグ】というルールというか考え方があってそれを実行しています。

完成した脚本を全スタッフに公開して感想や意見を求めてそれを更に修正するというやり方です。

例えば開発中のゲームタイトルなどの脚本を制作する時は、社内のシナリオライターがプロットを制作して私や企画担当やディレクターと何度も打ち合わせをして、それから執筆を開始。初稿があがったらまた数人でチェックして何度も修正します。そうして2稿3稿と繰り返して修正し、(開発中であるがゆえに)ゲームシステムやゲームフローに変更があったらまた脚本を修正します。その後だいたい5稿から6稿くらいで脚本が完成します。(長いときは10稿くらいまでいくこともありますが)

普通はこの段階で完成!となるのですが弊社ではそうはなりません。

ここから更に【脚本デバッグ】を開始するのです。

一度完成した脚本を社内で公開しておよそ1週間くらいかけて全スタッフ(200人)から意見や感想を求めてイントラ上にあるアンケートシステムに入力してもらいます。

それを最終的に集計してエクセルで出力してから、ここから更に修正する箇所を話し合います。

そもそも一度完成するまでに何度も何度も担当レベルで話し合って決めた内容なので本当に大きな修正はあまり入らないことが多いのですがそれでもやっぱりちょこちょこと“確かに!ここは今さらだけどやっぱり説明不足だな”と気づかされる部分や“うん、やっぱりここのセリフは長いな、もう少しシェイプアップしよう”と見直して修正することもあります。

これはサイバーコネクトツーが200人規模の会社だからこそできるやり方だと思っています。

本来、責任を任されたシナリオライターやディレクターが事前に何度も議論・検討を重ねたうえで執筆し更に修正をまた重ねているわけですから、誰に何を言われようと完成です。

けどね、やっぱり人は万能じゃあない。

それだけ、いや、どれだけ積み重ねてきてもやっぱりずっと脚本とだけ向き合ってきている担当は“事情に詳しすぎてしまう”し、盲目的にもなってしまいます。

それをゲームソフトが完成してお客様の手に渡った後で“あー、やっぱりこういう評価になっちゃったかー、やっぱもう少し直しておけば良かったね”なんてことになってはいけません。

だから弊社では一度完成した【脚本にデバッグをかける】のです。

*****

さて後半部分は【もう少しだけ脚本デバッグについて掘り下げた話】をお届けします。

具体的にどういったやり取りや規模でこの脚本デバッグを実施しているのかを説明しつつ“ゲーム脚本だけでなく本は?漫画は?”と他の媒体での対応もどうしているのかをお話しします。

*****

脚本デバッグでクオリティを上げろ

ここから先は

1,701字
この記事のみ ¥ 300
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が参加している募集

良かったらサポートいただけると嬉しいです。創作の励みになります。