湊かなえ 未来
湊かなえ作品は以前からずっと好きです。鮮やかな伏線回収、可哀想だけど強く逞しい女性、引き込まれるストーリー。
ただ、今回の作品は完読するまで時間がかかりました。ぐっと胸が押しつぶされるような感覚、ドロドロしたものが腹の底に溜まっていくような感覚、目を逸らしたくなるような場面が何度も脳内で繰り返されて本を閉じてしまう。
しかしあとがきを読んでハッとしました。この物語は完全なフィクションでは無い。実際にこのような事件が世の中で起きてる。その現実からも自分は目を逸らして生きてきたんじゃ無いか。
私がこの作品で1番嫌いなのは篠宮先生です。自分と重ねてしまったから。
自分が1番可哀想だと思ってない?自分だけが正しいと勘違いしてない?手紙を書いたことで救えたと思ってない?違和感を感じてたなら直接対話すればよかったのに。元気付けるだけじゃなくて周りを頼ることを教えていれば、、、
全て自分にも言えることです。どんな悪役よりも彼女に嫌悪感を抱いてしまったのは自分の嫌なところを見ているような気分になったから。かな?
社会問題に対して自分ができることはなんなのか考える作品になりました。あと自分も周りを頼らなきゃって
普段何か作品を通して多くのことを感じすぎたときはこの気持ちが安っぽくなってしまうのが嫌で言葉にせず自分の中にだけとどめているんですが、アウトプットも大切かなと思ったので書きました。優しい目で見てください。
ここまで読んでくれてありがとうございました。